2012年07月12日

2012年CESNUR国際会議 - モロッコにて9月開催

CESNURとは、Center for Studies on New Religions(新宗教研究センター:マッシモ・イントロヴィニエ 代表理事)で、イタリア・トリノ市に本部を置き、毎年、新宗教に関する国際会議を開催している。昨年は、台湾で開催され、宗教的強制脱会の犠牲者で12年も拉致監禁された後藤徹氏等がプレゼンテーションを行った。

今日の記事は、CESNURの2012年国際会議 (2012年9月 モロッコで開催) の紹介だ。

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2012年07月04日

2012年ICSA(国際カルト研究協会)国際会議

ICSA (International Cultic Studies Association = 国際カルト研究協会 = 反カルト団体) は、毎年、カルトに関する国際会議を開催している。このブログでも、ICSA会議について、数多くの記事を書いてきた。

参考記事:カテゴリー「宗教/カルトに関する会議等」内のほとんどの記事
本文記事の下に、このカテゴリーの各記事へのリンクあり。

2012年のICSA国際会議は、カナダのモントリオールで、7月5日〜7日に開催される。プログラムは次の通り発表されている。拉致監禁推進派(あるいは、拉致監禁否定派)の人々と、そして、国際人権団体、統一教会関連で拉致監禁問題に触れる可能性の高いプレゼンテーションを紹介したい。

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2011年10月19日

拉致監禁派 国際舞台の終焉(下):それに貢献した日本の若者二人

2011-11-09 追加記事を追加:この記事の最下段



2011年7月7日〜9日まで、スペイン・バルセロナで反カルト団体であるICSAの国際会議が開催された。この会議については、何回も、このブログで紹介したし、今回の記事の直前の二つの記事で、宗教ジャーナリスト室生忠氏の「財界にっぽん」でのレポートを掲載させて頂いた。

このICSAの国際会議には、反カルトの立場で、日本から「やや日刊カルト新聞(以下、カルト新聞)」の主筆Mr. Yoshiro Fujikura (藤倉善郎氏)とMr. Eito Suzuki (鈴木エイト氏 = 国際会議で使用するエイト氏の名前) も参加した。エイト氏は、昨年のアメリカ・ニュージャージーでの会議に参加されたはずだが、藤倉氏は国際デビューだった。

お二人は、はるばるスペイン・バルセロナまで、時間とお金をかけ、国際会議に参加し、プレゼンテーションまで行った。しかし、まったく理解できない事に、彼らが参加したその会議での活躍ぶりが、彼らの「カルト新聞*」で、滞在したホテルとハムの話し以外は、まったく報道されていない。彼らを応援している人たちだって、かれらの活躍ぶりを彼らの言葉で読みたいはずだが・・・ 一年前の、エイト氏の参加した2010年のICSA会議の様子は、ちゃんんと記事になっている。

3ヶ月待ったけれども、カルト新聞では報道されそうにもないので、私の方で、カルト新聞のお二人の活躍ぶりをまとめさせて頂いた。この記事は、会議に参加された方々(日本、米国、ヨーロッパ)にインタビューし、さらに私の英語ブログから、わざわざ私に個人的にメールを送って下さった方からの情報をもとにした。

もし、記事中に間違いがあれば、ご指摘頂ければ幸いである。ただ、デマ、嘘、歪曲、妄想という言葉のみで具体的指摘のない表現は、これまでよく聞いてきた。もしよろしければ、こういう言葉は使わないで、少し具体的に、「どの部分のどの箇所が事実とは異なり、実際は〜であった」とか、ご指摘下さればすごく嬉しい。


まずは、ICSAのウェブサイトより、関連事項を引用させて頂く。以下の部分は、ICSA2011年会議の各プレゼンターの紹介とプレゼンの要約部分である。(以下URLの71ページより引用。ただし、ICSA会員でないとアクセス不可。)

https://docs.google.com/viewer?a=v&pid=explorer&chrome=true&srcid=0B7wsUBpBPDH5MGQ0ZGM2MzgtNTBhOS00YTkzLWJiZTYtMTU5MjVkYTkzMjU4&hl=en_US&pli=1  

Almost Daily Cult Newspaper
Yoshiro Fujikura and Eito Suzuki

The Almost Daily Cult Newspaper (Daily Cult News) is a news blog, which is officially
registered to Google news, that specializes in the issues of social problems concerning cults,religion, and spirituality. It was founded on Oct 1st, 2009, by Yoshiro Fujikura, a Japanese journalist who has zealously done much coverage in this field. There are seven correspondents including Fujikura, all of whom are volunteers. Not all groups or individuals covered by the Daily Cult News are necessary considered as cults because this paper handles all topics concerning the friction between religion and spirituality and society.

(snip)

Although the nature of the topic attracts criticism and occasional pressure, the Daily Cult News continues to make a stand for free speech in the areas concerning cults, religion, and spirituality.

やや日刊カルト新聞(以下、日刊カルト新聞)は、グーグルニュースに公式に登録されているニュース形式のブログであり、カルト、宗教、精神世界に関する社会的問題を専門にしている。2009年10月1日に創立された。創立者は、日本のジャーナリスト藤倉善郎氏であり、彼はその分野において、多くの問題に熱心に取り組んで来た。藤倉氏を含め、7名のボランティアのライターがいる。日刊カルト新聞によって扱われている全ての団体や個人はカルトとは見なされる必要はない。と、いうのは、この新聞は、宗教・精神世界と社会との間で起きる軋轢をことごとく扱っているからである。

(途中、省略)

トピックの性質上批判や圧力を時に受けることもあるが、カルト、宗教、精神世界の分野での言論の自由の立場を守り続けている。(日本語訳by Yoshi)

さすが、すばらしい紹介である。大手メディアが扱わないカルト・宗教問題を、批判、圧力を覚悟の上、体を張って闘う正義の使者、日刊カルト新聞である。では、彼らは、スペインのバルセロナの反カルト会議で、何をして来たのか?


会議のプログラムには次のようにある。7月8日(金)の午前中の1時間半のセッションで、すでに、拉致監禁の被害者である後藤氏らのプレゼンがあった。午後、2時半から、以下の通り弁護士グループのセッションが開催された。
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2011年7月8日(金) 2:30 – 4:00 404号室 「弁護士」グループのプレゼンテーション
How Japanese Government, Lawyers, Citizens and Victims Confront Controversial Groups, Especially the Unification Church
日本政府、弁護士、市民、被害者が問題のあるグループ、特に統一教会といかに取り組むか
Masaki Kito, Esq., Takashi Yamaguch, Esq., Yukari Yamamoto, Eito Suzuki
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このセッションの内容は、このブログの前回と前々回の記事で、室生忠氏のレポートを紹介させて頂いた。完全に “アウェー” 状態になった弁護士たちの様子がわかる。

実は、このセッションでエイト氏は、トップバッターとしてプレゼンを行っている。時間は約15分、時間をきっちり守ってのプレゼンである。その点は、山口弁護士よりも優秀だ。

エイト氏のプレゼンのスタイルは、しゃべるテキストが全てパワーポイントに英文で書き込まれていて、それを棒読みする方法。はっきり言って発音はひどく、もしパワーポイントのスクリーンがなければ、何を言っているか理解不可能だった。時々、英語の発音が分からなかったり、読み間違えたりすると、その度に、聴衆側の席にいた山口貴史弁護士が教えてあげたり、訂正してあげたりしていた。

それでも、複雑なところになると、英語で表現できなかったのか、プレゼン中に、突然日本語になることが数回あった。そのときは、通訳のためにスタンバイしていたゆかり氏が正確に英語に訳した。

エイト氏の発表は、たとえば、主に統一教会の伝道の様子を写真で見せながら、彼らが正体を隠した伝道を行っていることを伝えようとしたものだ。その中で、どこかの駅の周辺の写真を示し、「この中に伝道をしている統一教会のメンバーがいます。どれでしょう?」というようなクイズを出した。日本ではよい反応があった得意のプレゼンだったのかもしれないが、会場は無反応だった。完全にスベった企画だった。

欧米人の感想は “Difficult to understand” (理解しがたい)とか “Miserable Presentation” (惨めなプレゼン)というものだった。英語の発音もさることながら、西洋人を相手にした合理的なプレゼンの仕方をまったく心得ておらず、何が言いたいのか、さっぱりわからなかったのだろう。



同じ日の、午後5時から、今度は、日刊カルト新聞の30分のプレゼンがあった。
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2011年7月8日 5:00 – 5:30  404号室 「日刊カルト新聞」グループ他
The Unique Attempt of the Online Specialty Journal “Yaya Nikkan Cult Shinbun” (Almost Daily Cult Newspaper)
オンライン専門ジャーナル「やや日刊カルト新聞」のユニークな試み
Yoshiro Fujikura and Eito Suzuki
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このセッションでは、エイト氏も藤倉氏も両方プレゼンを行った。質疑応答、合わせて30分。

やや日カルトの発表.JPG
プレゼン中のエイト氏(右)、主筆藤倉氏(左)、中央は通訳のゆかり氏
2011年7月8日(金)ICSAカルト研究国際会議 at スペイン・バルセロナ


スピーチの内容は、主筆が、「カルト新聞」でこれまで取り上げて報道してきた内容の紹介を中心に日本でカルト呼ばれる宗教をいくつか紹介。で、エイト氏が、その中でも統一教会の問題に特化した話をしたようだ。主筆もエイト氏も(前のエイト氏のプレゼンと同様)、基本が英語、ときどき日本語というスタイルだった。エイト氏の英語の発音は悪かったが、主筆は輪をかけてダメだった。プレゼント中で、日本語になったときは、ゆかり氏が二人を助けた。

藤倉氏のプレゼンもエイト氏同様、終始画面を見ながらで、書かれている英語を棒読みするだけ。途中に出てくる英語の単語が発音できない。一度だけでなく何度もそんな場面、見てるほうが恥ずかしくなるくらい。その英語のプレゼンを一度も練習していないのだろうか? あまりにも詰まって読んでいるので、聴衆は果たして理解してるのか? 

特に傑作だったのが、パワーポイントに読むべきテキストが書き込まれていたものの、日付の表示が完全な英語表記ではなく、3.XXというような数字の表記になっていて、その3月をMarchと言えなくて、会場の山口弁護士から教えてもらっていたシーンだった。しかし、学者たちは大人である。暖かく見守っていた。

藤倉氏にアイリーン、バーカー教授から質問があった。「現在日本で存在するカルトの数はいくつありますか?」別に意地悪しているのではない。カルトを扱うジャーナリストに対しては、基本的な質問である。

藤倉氏は、「えーと、えーと」かなり戸惑いながら、「自分の知ってるだけで40ぐらい」と、その場しのぎで適当に答えたのがばればれだった。後である学者が「ブログ遊びをしている青年たちがやって来たんだね。」と、感想をもらしていた。

カルト研究の為の国際会議には一見ふさわしい内容かと誰もが期待したが、そのプレゼンは期待を見事に裏切る形となった。あまりにも無惨で惨めで、お粗末であった。その日の、午後のプレゼンでの、弁護士グループの大誤算を挽回するどころか、統一教会側のプレゼンターからも憐れみの声が出るほどだった。「こんなの、連れて来なきゃ良かった。」と、カルト新聞を連れてきたボス達は思ったに違いない。

私は、ICSA会員である。手元にICSAから送られてきた資料がある。その中に「カルト後の経済的自立のために」という記事がある。カルトをやめた元信者が、経済的に自立できるようになるための、さまざまな経済的アドバイスを行っている。ICSAはカルトとの対決ではなく、カルト被害者を救済することを目指し、学術指向を模索している。彼らにプレゼンの時間を提供したICSAにも、泥を塗った形である。


大失敗を認めたカルト新聞

質疑応答で、拉致監禁反対グループ、人権活動家より、質問があった。

やや日刊カルト新聞の報道の原則は何か? たとえば、統一教会のメンバーが震災後にボランティアで活動したら、そのような良いことをした内容もちゃんと報道するのか?」 

文師や世界中の統一教会員が、日本の復興のために義捐金を送っているが、そうしたことも公平に報道するのか?

主筆は、「我々がニュース価値があると判断すれば報道する」と回答した。

また、別の参加者から、以前にカルト新聞が報じた内容で「摂理の元幹部が福岡県古賀市の市長に当選」という記事について質問があった。

この人が既に摂理をやめていて、新しい人生を出発して政治家になったというケースと、現役の摂理の信者で、市長という公職を利用して摂理に便宜を図ろうとしたという事実がある場合では、意味合いはまったく違ってくる。報道する際に、彼が現役信者なのか元信者なのか、きちんと調べたのか? こういうケースで、個人の宗教的アイデンティティを暴露する上で、どのような倫理的原則でやっているのか?」 

藤倉氏は、「宗教的アイデンティティを問題にしているのではなく、過去において反社会的団体に属していたかどうかということを問題にしている。彼が摂理をやめたかどうかは分からない」と回答した。


彼らのブログでは、記事になるかどうかは、彼らがニュース価値があるかどうかの判断によるところが大きいようだ。(これは、もちろん、一般のメディアでもそうであるので、別に驚くことではない。)しかし、「その会議について報道していない」という結果から、彼らの、内面を見ることが出来る。

未だ、彼らのブログに、ICSA会議での活躍の報道がない。これは、関係のない第三者が参加した会議ではなく、自ら乗り込んでプレゼンをした会議である。しかも、会議の主催者ICSAは、反カルト団体で、カルト新聞にとっては、ホームグラウンドでのプレゼンである。しつこいようだが、もう一度言う。泊ったホテルと、食事についての記述があるが、最も肝心な、会議の内容についての記事がない。

ICSA会議で自ら行ったプレゼンや弁護士グループのプレゼンは、カルト新聞にとっては、 “ニュース価値がなく”、記事にしないという事だろう。自ら行ったプレゼンや弁護士の行ったプレゼンが、”ニュース価値がない” とは、どういうことか?それは一言で、「大失敗だった」ということである。くしくも、室生氏のレポートで言う「優劣は一目瞭然だった」事を、カルト新聞が、その会議の事を報道しないことで、証明してくれた形となった。

2011年7月、ディプログラミング グループの国際舞台での幕引きだった。会議後、「来年は出ない」と、つぶやいた紀藤弁護士は、さすがに賢くいらっしゃるようだ。


来年(2012年)はカナダ・モントリオールで7月

さて、もし、来年も、カルト新聞がICSA会議に参加されるようなら、次の事を、お二人に提案したい。まだ、息の根が絶えた訳ではない。起死回生の逆転ホームランだって可能性がある。(しかし、来年の会議でプレゼンするためには、10月15日までに、レポートをICSA宛てに提出する必要があったのだが、カルト新聞は、提出したのかな?)

1. 日本語でプレゼンすべし
プレゼンはすべて日本語で行い、ゆかり氏に英語にしてもらった方が、聴衆にとっては、わかりやすいと思う。参加者からも、ゆかり氏の英語には評価が高かったようだ。そのような立派な通訳者が身近にいるのだから、ゆかり氏にやってもらうべきである。(ゆかり氏がしたくないということであれば、話しは別だが・・・)

2. パワーポイントにも注意
パワーパイントには要点だけを書き、しゃべる内容を全部書かない。そして、できれば、原稿から目を離し(難しいようであれば、時々でも)聴衆を見ながら話す。日本語でのスピーチであっても、時間をかけて練習すること。

3. あとは、プレゼンの中身
上記の二つをマスターすれば、あとはプレゼンの内容である。ICSAが一番興味あるのは、日本のディプログラミングの問題である。くれぐれも、ICSAは反カルト団体で、カルト新聞にとっては、”ホームグラウンド” である事を忘れてはいけない。拉致監禁問題に対する、カルト新聞の考えを正々堂々と訴え、統一教会側の拉致監禁被害者のプレゼンに対抗すべし。スティーブ・ハッサンも驚いて、引いてしまうくらいのプレゼンをやって欲しい。健闘を祈る。そして、次回は、私のような者に記事を書かれる前に、自らでレポートにしてブログで発表して欲しい。


お願い

特に、統一教会の人にお願いしたい。藤倉氏や、エイト氏を嘲笑する目的で、この記事(特に彼らのプレゼンの様子)を使うのは、控えてほしい。確かに彼らのプレゼンは目を覆いたくなるようなものだったが、彼らの行動力と勇気だけは評価されてもいいのではないか。英語もあまりできないのに、カルト問題の世界的な権威である研究者(*)に混じって、彼らなりに、国際会議に参加したのだ。一年後には、すばらしいプレゼンをするということだって可能性はある。(ホントに参加するなら、上の3点をよく読んでね。)
(注* カルト問題の世界的な権威である研究者:この表現はエイト氏の2010年の記事より引用)

統一教会の人には、彼らの行動力を見習って欲しい。彼らの行動力を参考にすれば、拉致監禁問題で、いろんな行動ができるのではないか?、気が付いた人から、賢く行動に移して欲しい。私が、2011年に4月に倉敷の高山牧師を訪問した方法も、エイト氏の行動からヒントを得た。誰かが、私がアポ無しで高山牧師を訪問した事を非難していたが、これはエイト君から教えてもらった方法である。エイト君、ホントにありがとう。

主筆・藤倉氏もエイト氏も言いたいことも、言いたくないことも、言えないことも、多いかもしれない。ご自身のブログで反論してもらってもいいし、ここに書き込んで頂いてもいいし、独り言をつぶやいてもいいし、無視するという方法もある。そのうち、お互い元気なら、顔を合わすこともあるかもしれない。君たちにモントリオールで会える事を願って・・・


関連記事紹介:当ブログ内
2010年 イタリア・トリノCESNUR国際会議
2010年 アメリカ・ニュージャージー ICSA国際会議 - フェファーマン氏の孤独な闘い
2011年 台湾CESNUR国際会議
2011年 スペイン・バルセロナ ICSA国際会議の予告、ICSAについて
2011年 スペイン・バルセロナ ICSA国際会議 - フェフェーマン氏のレポート
財界にっぽん2011年9月号 - 室生忠氏によるレポート
財界にっぽん2011年10月号 - 室生忠氏によるレポート
魚谷論文 - 青春を返せ裁判と拉致監禁の関連(2011年発表)
意図ある意訳は誤訳である:「やや日刊カルト新聞」を評す

関連ウェブサイト:
CESNUR(Center for Studies on New Religions)
ICSA(International Cultic Studies Association)

カルト新聞内の関連記事:
カルト新聞:2011年ICSA国際会議(スペイン)現地入りの模様
カルト新聞:2010年ICSA国際会議 (NJ,USA) by Eito



2011-11-09 追加記事
上記の記事は、カルト新聞のお二人のバルセロナでのご活躍を中心に書いたのだが、その後、私自身、カルト新聞を、時々訪問はしたが、自分で、(コメント欄を利用して)宣伝まではしませんでした。関連する何か新しい記事が出たら、お二人と、そしてカルト新聞のファンの方々に、ご挨拶申し上げようと思っていたのだが、時と場所を失してしまいました。

と、思っていたら、どなたか知らないが、匿名さんが私の記事をカルト新聞のコメント欄で紹介したくださっていたようです。その「匿名さん」に対しての返答という形で、エイト氏のコメントが出ていたので、ここに転載させて頂きます。


http://dailycult.blogspot.com/2011/10/blog-post_18.htmlのコメント欄より引用。

2011年10月25日17:20
匿名 さんは書きました...
バルセロナのICSA国際会議での藤倉さんとエイトさんの活躍の様子が写真付きで詳細に書かれています。
http://humanrightslink.seesaa.net/article/231202625.html
来年に向けての暖かいアドバイスも。



2011年10月26日20:16
Blogger エイト さんは書きました...

10月25日17:20の匿名さん
リンク先の記事読みました。

この人物、UC信者ではないとのことですが、思考回路が“拉致監禁教育”を刷り込まれた信者と同一で、更に見て来たかのようにデマを書き連ねるところは室生某と同類と感じました。

どうやら何でも自分(たち)に都合のよいように解釈する認知的不協和の状態に陥っておられるようで、自分(たち)の認識と現実世界に相違がある時には現実を曲解してしまうのですから面倒ですね。

例えば、“ICSAが一番興味あるのは、日本のディプログラミングの問題である”との記述、この人物の現実認識能力が皆無だと判ります。

この手の輩は基本相手にしていません。

それにしてもプロパガンダに必死なんですね。

ICSAでおこなわれた厚顔無恥な“拉致監禁キャンペーン”については、一部の利益享受者を除き有識者は総て冷ややかに捉えていました。

それにしても、“拉致監禁派 国際舞台の終焉”ですか、この手の“大本営発表”を信じ込まされる信者は気の毒ですね。


なんと言いましょうか。エイトさんに「この人物」と言って頂き、とても、とても恐縮です。前回は、主筆より汚物攻撃を受けたので、今回は、何が来るのかと、ちょっと楽しみにしていました。

一つだけ言わせてもらうと(他にもあるけど、長くなるのもなんだし・・また機会があればね・・・)エイトさんがピックアップした、「例えば、“ICSAが一番興味あるのは、日本のディプログラミングの問題である”との記述、この人物の現実認識能力が皆無だと判ります。」

ここはね、エイトさん。エイトさんの来年のバンクーバーでのプレゼンに向けての、おじさんの心からの暖かいアドバイスなんだから、もう少し、素直に受け止めて欲しいよね。本文では、歯切れ良く簡潔にしたんだけど、省略した所を加えるとこんな感じかな?

(会議の分科会の一つで、統一教会陣営が、拉致監禁事件を事を取り上げ、日本の反カルトの弁護士グループと対峙していることもあり)ICSA(会議の主催者や参加者)が、(日本の拉致監禁問題で)一番興味あるのは、日本のディプログラミング(が、本当にあったかどうか)の問題である。

エイトさんがプレゼンで、統一教会や他のカルトの反社会的行動とかをプレゼンに含めるのは、もちろん当然の事ですが、持ち時間の3分の1でも、4分の1でもいいので、統一教会の主張している拉致監禁問題に対し、エイトさんの何らかの公式なコメントを、エイトさんのホームグランドでもあるICSA会議の参加者の人たちも、そして、日本で応援しているエイトさんのファンの人たちも、待っているのではないでしょうか?だって、同じ会議で、エイトさんが追求している統一教会が「拉致監禁問題」で、プレゼンをやってるんですよ。

まー、そんな意味で書いた文章です。でも、エイトさんが、そこをピックアップしたのは、もしかして、エイトさんは拉致監禁の事は会議のプレゼンには入れたくないから?もし、そうなら、私の本文での、3つの提案の3つ目は、ちょっと耳障りな提案でしたよね。来年、カナダでのプレゼン頑張って。

最後にもう一つ。

「ICSAでおこなわれた厚顔無恥な“拉致監禁キャンペーン”については、一部の利益享受者を除き有識者は総て冷ややかに捉えていました。」と、エイトさんは言ってますが、“拉致監禁キャンペーン”ではなくて、"拉致監禁反対キャンペーン"ですよね。

"拉致監禁キャンペーン"というのは、弁護士さん達とかエイトさんのキャンペーンですよね。後藤さんとか、樋口さんは、拉致監禁反対のプレゼンをしたはずですから、そっちは"拉致監禁反対キャンペーン"のはずです。事情の分らない人が読んだら、拉致監禁派(弁護士さんとか、エイトさん) = 厚顔無恥 ということになってしまいそう。

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2011年10月08日

拉致監禁派 国際舞台の終焉(中):宗教ジャーナリスト室生忠氏によるレポート

<2011-10-11 参考リンク・サイトを最下段に追加:>

2011年6月には台湾で、新宗教研究センターの国際会議(CESNUR)、そして7月には、スペイン・バルセロナで、反カルトの国際会議(ICSA)が行われた。それらの会議において、拉致監禁の被害を受けた後藤徹氏をはじめとした拉致監禁反対派、そして拉致監禁容認派のグループが同じ国際会議でプレゼンテーションを行った。

宗教ジャーナリスト室生忠氏がこれらの会議について、「財界にっぽん」でレポートを発表した。前回のものは、財界にっぽん9月号(2011年)に掲載されたものだ。まだ読んでおられない方は、まず、前回の記事から読んだ方が、理解しやすいかもしれない。



今回の記事は、財界にっぽん10月号(2011年)に掲載されたものだ。
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財界にっぽん 2011年10月号
特別レポート 日本の人権<シリーズ19>

続・ICSA(国際カルト研究協会)国際会議詳報
       - 不発に終わった反対派弁護士のプレゼン

★反カルト機関主催の会議でも日本の強制棄教に憂慮と関心
★初めて触れる両陣営の論戦に、参加の識者らが新鮮な驚き



「文(鮮明)の野郎はウソつきだ! 統一教会のやつらはみんな悪だ!」

スペイン・バルセロナ市以内のバルセロナ大学404号教室に、激昂した米国人の大声が響いた。自らを誇示するような長髪の昔の面影はないが、脱会カウンセラーとして知られるスティーブン・ハッサン氏の両目が血走っている。

国際会議の発言者にあるまじき、感情むき出しの暴言。さすがに見かねた司会者のマイケル・クロップベルド氏が、「そろそろ時間が尽きたので、その辺で…」と制止するが、無視して「私はこのことを感情をこめて訴えたい」となおも言い募るハッサン氏。クロップベルド氏は、「大変興味深いセッションでした」と強引にプレゼンの終了を宣言した。

それは昨年9月、イタリア・トリノ大学で行われた「CESNUR(新宗教研究センター)2010国際会議」において、拉致監禁の存在否定派の山口貴士弁護士が、"荒らし" 的な不規則発言を連発して世界の識者たちの顰蹙を買った、あの見苦しさを髣髴とさせるシーンだった(本誌・1010年11月号参照)──。


事実派対虚構派の構図

さる7月初旬、スペイン・バルセロナで「ICSA(国際カルト研究協会) 2011国際会議」が開催され、統一教会の被害者らが日本の強制棄教の惨状を訴えた分科会「日本におけるディプログラミング¨事実か虚構か」(7月8日午前)が画期的な成功を収めた模様は、本誌先月号(2011年9月号)で詳述した。

このプレゼンには、マイケル・ランゴーニICSA会長と共に国際会議を運営する、前出クロップベルド・インフォカルト代表も出席して、熱心に質問していた。

ICSAを舞台とする統一教会 VS 反統一教会の戦いが、"拉致監禁の事実" VS "拉致監禁の虚構" という構図で展開されていること。魚谷俊輔・天宙平和連合(UPF)日本事務次長が、札幌「青春を返せ訴訟」原告団の86%が拘束を受けて脱会を決意したと発表したこと。これに対して会場から、ICSA常連で全国霊感商法対策弁護士連絡会メンバーの紀藤正樹弁護士が、

「魚谷氏らの話は、虚構と誇張に基づいていると思う。私が担当した東京の『青春を返せ』裁判の原告たちの中には、拉致監禁された人はいなかった」

と反論したことも前号で述べた。


紀藤弁護士の嘘の証言

しかし、これには「弁護士にあるまじき虚偽の証言だった」と、プレゼンスピーカーの一人、後藤徹・全国拉致監禁強制改宗被害者の会代表は憤懣やる方ない表情だ。

「英語だったので、後になって聞いて『エーッ!』ですよ。私は12年5カ月にわたって、元統一教会信者だった実兄、兄嫁、妹らにマンション等に監禁されましたが、兄は、紀藤弁護士が担当した東京『青春を返せ』裁判原告団の一人でした。その兄本人が拉致監禁によって脱会したのです」

〈1987年5月頃、まず、兄が、自宅に帰った際に、両親らによって拉致・監禁され脱会説得を受けました。兄が後日話したところによると(中略)、突然、父の手が兄の体にかかり、父が「それ!」と叫ぶと、物陰から見知らぬ男たちが突然襲いかかってきて、兄は、付近に停めてあった車の中に拉致されたそうです。(中略)誰かが警察に通報したらしく交番に連れて行かれ、兄が、拉致されたことを警察官に必死に訴えて助けを求めたにもかかわらず、結局、警察は親の言い分を聞き入れ、再び車に乗せられて監禁場所に連れて行かれたとのことでした〉(後藤氏陳述書)。

「結局、兄は脱会して東京『青春を返せ』裁判の原告団に入り、私を監禁する実行犯と化したのです。プレゼン席の私を目の前に、東京裁判の原告に拉致監禁体験者は皆無だったと、ヌケヌケと証言する紀藤弁護士とはいかなる人間なのでしょう。(後藤氏)」

icsa_conference_kito_masaki.jpg








<プレゼン中の紀藤弁護士>

この "紀藤証言" は今後、ICSAにおいて、拉致監禁反対派から徹底的に追及されるだろう。ちなみに、魚谷氏の論文「日本における『青春を返せ』訴訟と強制改宗の関係」は、6月に台湾で行われた「CESNUR 2011国際会議」での発表内容と同じもの。〃重要論文〃としてCESNURのウェブサイトに掲載されて、現在、世界中の宗教関係者に読まれている。


大誤算の反対派弁論

ICSAでの拉致監禁の存在主張派 VS 否定派の激闘第二幕は、同日午後2時半から後者の分科会「日本政府、弁護士、市民、被害者が問題のあるグループ、特に統一教会といかに取り組むか」を舞台に繰り広げられた。司会者は後藤氏らのプレゼンに出席して、熱心に耳を傾けていたクロップベルド氏。反統一教会側の陣容は紀藤、山口貴士弁護士ら4人で、山口氏が主張した。

「統一教会は、あたかも拉致監禁グループが存在するかのように主張しているが、実際にはそんなものは存在せず、統一教会の問題に取り組んでいる個々人が存在するだけだ。グループもリーダーも存在しない」

日本にはディプログラミング(強制棄教)を行う集団など存在しない。自分は民事の後藤裁判で、後藤氏の家族(被告側)の代理人を務めている。日本の検察庁は、後藤氏が刑事告訴した宮村峻氏や松永保智・日本同盟基督教団・新津福音キリスト教会牧師を不起訴処分にしたし、後藤氏の訴えを受けた検察審査会も「不起訴相当」とした。一般市民の常識的な見地から、拉致監禁や強制改宗の事実はないと判断したからに他ならない──。

しかし、後に紀藤氏がボヤいたように、これが大誤算で、山口氏はプレゼン全体の持ち時間1時間半のうち20分強を一人で消費してしまった。「CESNUR 2010」での失態を挽回しようとしたのか、このスタンドプレイが災いして、紀藤氏のスピーチ時間が極端に少なくなってしまったのだ。

その紀藤氏のプレゼンは、基本的にいつもの霊感商法に関する全般的な報告だった。統一教会の民事敗訴件数や警察の捜査情報の羅列に終始して、2009年に東京で起きた「新生事件」に触れるなど、統一教会が違法行為を繰り返す集団であるとの印象をアピールしようと躍起だった。

しかし、紀藤氏本人が認めたように、そのプレゼンは挿入動画の音声がまったく出なかったり、時間に押されて内容をハショるなど、全体にまとまりと精彩を欠いていた。

「一言でいえば〃グダグダ〃いう感じでした。昨年のニュージャージー国際会議では、彼のプレゼンはもっと説得力があって生き生きしていました。その理由の一つは、やはり聴衆にあると思います(ICSAウォッチャー)」



拉致監禁否定派、まるで“アウェー”状態

従来、紀藤氏らは「反カルト団体」ICSA国際会議で「カルト」を攻撃するという、いわば完全な "ホーム" 状態で余裕をもってプレゼンしてきた。それが今回は統一教会側の参加が認められて、拉致監禁の実態を暴露された状態でのプレゼン。"アウェー" の要素が入って精神的な余裕が失われたのだろう。

質疑の時間も後藤氏らがキッチリ25分確保したのに対して、紀藤氏らは10分以下。勢い両者の応酬に終始したが、特筆すべきは、今回は統一教会の顧問弁護士が出席したこと。日本の裁判事情に疎い外国人聴衆に、反統一弁護士のバイアスのかかった一方的な情報のみが注入されることは客観的に許されない。「新生事件」を担当した顧問弁護士が、紀藤プレゼンを痛撃する。

「『新生事件』裁判のポイントは、信者だけでなく教団が犯罪行為に関わっていたか否かだった。検察は関与を主張したが、私が弁護士として、検察側証人の偽証を明らかにしたため、結局、判決では統一教会の関与は認められなかった」



フェッファーマン氏の追求に逃げる弁護士

フェッファーマン氏が後藤事件についての検察審査会決議について、語気鋭く山口弁護士を追及する。

フェッファーマン氏: 「決議文は『被疑者等も玄関ドアのチェーン錠にその長さを短くするために南京錠をかけていた』など数々の不自然な細工の存在を認めたうえで、その理由は『(統一教会の信者が)信者(注・被監禁者)を奪還するということを聞いていたので、それを防止するためにチェーンを短くしたものである』と書いてある。あなたは、これら南京錠やクレセント錠の目的が、統一教会信者による奪還を防ぐためという理由と、後藤氏を部屋の中に閉じ込めておくという理由の、どちらがより合理的な説明であると思うのか?」

聴衆のひとり: 「That's obvious!」


会場の誰かが「それは明らかだろう!」と叫ぶ。反「カルト」派であるはずの聴衆でも、双方の主張を聞いて検察審査会の決議文に疑問を感じたことは明らかだった。

山口弁護士が逃げる。
「検察審査会の説明は合理的だと思う。その他の矛盾点に関しては、現在係争中の事件なので、ここでコメントするより、民事訴訟の過程で明らかにされるのを待ちたい」


紀藤弁護士が慌ててフォローする。
「後藤さんの場合は、逃げられたのに自分の意志で逃げなかったと認定されている」


激しい応酬のなか、アッという間に10分弱の質疑時間が過ぎた。そして、最後に質問に立ったのが冒頭の脱会カウンセラー、スティーブン・ハッサン氏だったのである。


ハッサン氏の感情的雑言に会場唖然

ハッサン: 「統一教会の活動が違法であることが、日本の最高裁で認められたというのは本当か? メンバーの活動だけでなく、教会の活動が違法であると認められたのか?」

紀藤: 「メンバーによる、統一教会の活動の違法性が認められたのです」


「使用者責任」(民法715条)による間接的責任と、民法709条による法人の直接的な違法行為を故意に混同させようとする発言に、統一教会の弁護士が激しく反論する。
「それは違う。統一教会のメンバーの活動であって、統一教会自体の活動ではない!」

 
突然、ハッサン氏の罵声が響いた。
「文鮮明は車椅子を使って資金集めをしたというメンバーの報告に、いいアイデアだといった。文の野郎はウソつきで、統一教会のやつらはみんな悪だ!」


冒頭のあの絶叫である。信憑性も定かでない悪口。議論の本筋からかけ離れた、国際学術会議の場所柄をわきまえない余りの雑言に、会場に唖然とした空気が流れる。

「そろそろ時間が尽きたので、その辺で…」

見かねて制止に入る司会のクロップベルド氏。「しかし、私はこのことを感情をこめて訴えたい」となおも言い募るハッサン氏。クロップベルド氏は「大変興味深いセッションでした。次回は違ったフォーマットでやったらよいと思う」と強引にハッサン氏の発言を封じる措置をとった。


優劣は一目瞭然

ICSA古参を笠に着たような、この傍若無人のマナー違反は、真摯な質疑を聞きに来た聴衆にどう映ったろうか。ハッサン氏に同調する空気が皆無だったことは疑いない。もはや優劣は一目瞭然だった。セッション終了後、統一教会関係者と交わした紀藤氏の言葉が、彼らの気落ちぶりを告白している。

「本当は今回は忙しいから来たくなかったんだよね。でも後藤徹さんが来るっていうから、山口貴士にだけ任せておくわけにはいかないということで、私が来ざるを得なかった。山口の(持ち)時間は15分のはずだったのに30分もしゃべるから、私は言いたいことの半分も言えなかった」


実際、統一教会側のプレゼンでは25分間の質疑時間が確保されたのに対して、紀藤氏らは10分以下だったことは前述した。紀藤氏は山口氏の所属する法律事務所「リンク」のボス。昨年のトリノ会議で失態を演じた山口氏だけでは不安だった、という言い訳に聞こえなくもない。


異様なハッサン氏の言動

それにしても異様なのはハッサン氏の言動だった。ハッサン氏は、立場こそ違えフェッファーマンICRF会長と信頼関係を結んで、「自分の著書を根拠に強制改宗をするのは止めてほしい」旨の手紙(2000年)を日本基督教団に出している(本誌・2010年9月号参照)。その態度は、拉致監禁反対派に同情的とも取れたが一変、監禁反対派のセッション参加要請を無視して、紀藤氏らのプレゼンで統一教会への雑言の限りを尽くした。しかも、会議のまとめのセッションでは、

「ICSAはカルトに対してもっとアグレッシブ(攻撃的)であるべきだ」

と強硬発言している。この主張は「我々の目的はカルトと闘うことではなく、被害者を助けることだ」とランゴ―二会長によって退けられたが、たしかに、ハッサン氏の本音は "ICSAは攻撃的な反「カルト」組織でなければならず、統一教会の現役信者にプレゼンさせるようなことがあってはならない" というものかもしれない。異常行動は、それが否定されることへの苛立ちとも取れるが、それにしても、昨年のICSA会議で後藤氏らに見せた紳士然とした柔和さの片鱗もない。

いったい何があったのか。ハッサン氏は統一教会関係者との雑談で「日本の反統一弁護士とは、裁判の判決文コピーを提供されるなど緊密に連絡し合っている」と発言している。提供が判決文コピーだけかはさておき、昨年ニュージャージー会議での後藤氏とハッサン氏の会話を報じた本誌(同前)の記事を読んで、日本の反対弁護士からハッサン氏に何らかの圧力がかかったであろうことは想像に難くない。


拉致監禁派の国際舞台での敗色濃厚

いずれにせよ、「ICSA 2011」が、強制棄教根絶派に大きな成果をもたらしたことは確かだ。世界最大の反「カルト」団体に確固たる足場を築き、特にカナダ最大の「カルト」研究団体インフォカルト代表のクロップベルド氏が、「午前と午後のセッションを合わせて双方の立場からの主張を聞くことができ、大変興味深かった」とコメントしたことは意義深い。

「欧米では、一方的な主張ではなく、双方の主張を聞いて判断する弁証法的な手法が好まれます。ICSAの常連らしき西洋人識者の反応も上々で、監禁反対派が毎年プレゼンを行うこと、それを通して対話を促進させることも不可能ではないと思う」(前出・ウォッチャー)


一方、強制棄教の存在否定派の国際舞台での敗色は濃厚だ。紀藤弁護士はツイッターでも「来年は参加しない」とつぶやいている。彼らは、"統一教会の悪" を一方的に世界に宣伝できるためにICSAに参加してきた。統一教会側が同じ土俵に立ってしまった今、「費用」対「効果」の面からも、今後は日本国内での宣伝戦に集中すると思われる。

しかし、CESNURやICSAは、近い将来に必ず、世界の先進国で唯一強制棄教問題で揺れる、日本現地での国際会議の開催を志向してくるだろう。その時、日本の宗教弾圧の惨状は、さらに白日の下に世界に晒されるのである。
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Reprinted with Permisssion of Mr. Tadashi Murou

★宗教ジャーナリスト 室生忠氏:
 「宗教・信教の擁護」という基本姿勢で、大手メディアが語らない宗教現象、一般には伝えられることの少ない宗教事情などを伝えている。ウェブサイト「室生忠の宗教ジャーナル」主宰。



ICSA 2011 Higuch and Cult Members.JPG













<プレゼン中のLuke Higuchi氏と聴衆>

拉致監禁派 国際舞台の終焉(上)と(中)で、2回に渡った室生忠氏の国際会議のレポートは終了である。(上)(中)と、来たら、(下)はないの? やはり、(下)がないと、不自然である。スペインのバルセロナのICSA国際会議には、あと日本から参加したスピーカーは、他にもいなかったっけ?


2011-10-11 追加:関連リンク・サイトの紹介

2010年 イタリア・トリノCESNUR国際会議
2010年 アメリカ・ニュージャージー ICSA国際会議 - フェファーマン氏の孤独な孤独な闘い
2011年 台湾CESNUR国際会議
2011年 スペイン・バルセロナ ICSA国際会議の予告、ICSAについて
2011年 スペイン・バルセロナ ICSA国際会議 - フェフェーマン氏のレポート
財界にっぽん2011年9月号 - 室生忠氏によるレポート
財界にっぽん2011年10月号 - 室生忠氏によるレポート
魚谷論文 - 青春を返せ裁判と拉致監禁の関連(2011年発表)
CESNUR(Center for Studies on New Religions)
ICSA(International Cultic Studies Association)

私の見た限りでは、2011年ICSA国際会議の拉致監禁派(拉致監禁など存在しないと主張する容認派、推進派)の、会議のレポートは大勢(弁護士、学者、カルト新聞メンバー等)で乗り込んでいるにもかかわらず、残念ながら、どこにも見当たらない。唯一、カルト新聞にて「やや日刊カルト新聞がバルセロナでの国際カルト学会に出席 」との記事だけであるが、この記事は、会議前のホテルとか、食事とかの模様であって、会議の中身のレポートではない。

もし、これらの人々の会議についてのレポートがあれば、ここでも、喜んで、リンクを紹介させて頂くが、残念ながら、彼らのそのようなレポートはない。


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2011年09月30日

拉致監禁派 国際舞台の終焉(上):宗教ジャーナリスト室生忠氏によるレポート

今年(2011年)6月と7月に宗教・カルト問題に関する国際会議が立て続けに行われた。6月には台湾で、CESNURの国際宗教会議、7月には反カルト団体ICSA主催の国際会議だ。このブログでも、何回かに分けてレポートした。

それらの国際会議について、宗教ジャーナリストの室生忠氏が、「財界にっぽん」9月号(2011年)と10月号(2011年)で、その詳細についてレポートしている。室生氏より全文掲載の許可を頂いたので、まず、9月号全文を紹介させて頂く。

ブログでは、紙面の制限はないので、横書きのブログのデザインに合わせ、「財界にっぽん」の実際のものより、行間が空いていたり、囲んだり、小見出しが追加されたり、文字色が付いたり、写真を加えたりしているが、本文は、室生氏のレポートのままである。


では、以下、室生氏の許可のもと、転載させて頂く。
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財界にっぽん 2011年9月号
特別レポート 日本の人権<シリーズ18>

今夏、2大国際会議で拉致監禁めぐり白熱の論戦
★反カルト機関主催の会議でも日本の強制棄教に憂慮と関心
★初めて触れる両陣営の論戦に、参加の識者らが新鮮な驚き



問: 「強制改宗をしている牧師の所属している教派や宗教団体は、この問題に対して何か公式的な意見を表明していないのか?」

魚谷: 「彼らは、拉致監禁の存在そのものを否定しているため、公式見解は出ていません」
 
問: 「統一教会の他にもエホバの証人が拉致監禁の被害に遭ったそうだが、日本政府はエホバの証人の被害に対しても、何の対処もしなかったのか?」

フェッファーマン: 「エホバの証人は日本政府から何らの対処も受けませんでしたが、重要な民事裁判で(牧師に)勝訴したため、いまは大きな事件は起きていません」

問: 「後藤さんが、解放直後の(アウシュビッツを彷彿とさせる痛々しく痩せ細った)写真の状態から、元にもどるまでどのくらい時間がかかったのか?」

後藤: 「半年くらいかかりました」

問: 「日本のディプログラミング(強制棄教)は、西欧のものと比べて、やり方が洗練されているように思える。日本の文化の影響か?」

魚谷: 「ディプログラマー(脱会牧師、脱会屋)が直接手を下さずに家族にやらせるという点で、確かに洗練されています。西洋では(脱会屋が)直接タッチしたため犯罪になった。恐らく西洋の例から学んだのではないか」

セッション参加者から次々に質問が飛ぶ。プレゼン席には、ダン・フェッファーマン・国際宗教自由連合(ICRF)会長、魚谷俊輔・天宙平和連合(UPF)日本事務次長、後藤徹・全国拉致監禁被害者の会代表、ルーク樋口・米国被害者の会代表の4名。真剣勝負ともいえる、まさに白熱のプレゼンテーションが続く――。

今年の夏、2つの国際会議を舞台に、日本における拉致監禁・強制棄教をめぐる統一教会VS反統一教会の論戦が戦わされ、同時に、プレゼンに参加した世界の多くの識者や宗教社会学者が、この深刻な人権問題についての認識と見解を深めた。


2大国際会議で論戦

2つの国際会議のひとつは、イタリア・トリノ市に本部を置く「CESNUR(新宗教研究センター)」(マッシモ・イントロヴィニエ・代表理事)。もうひとつは、米国フロリダ州に本部を置く「ICSA(国際カルト研究協会)」(マイケル・ランゴン会長)。前者が〃本籍〃のアイリン・バーカー・ロンドン大学社会科学部名誉教授、後者のランゴン会長(心理学者)のように、両方に相互乗り入れの学者も多いが、基本的な色彩は大きく異なる。

CESNURの特徴は、新宗教運動を学問的に調査研究することを目的に、1988年に設立された純粋な学術機関であること。教団の問題点を明らかにする一方、信教の自由を強調して、マインド・コントロール、思想改造、洗脳などの反新宗教的な概念に対しては終始、科学的な根拠を欠くとして批判的なスタンスに立っている。

統一教会側からは、この会議には1988年からICRFが参加して、昨年2010年のトリノ大学会議で行われた後藤氏らのプレゼンは、イントロヴィニエ代表理事に「最も重要なトピックです!」と絶賛された。反統一教会派はこの会議に山口貴士弁護士を初めて派遣。統一教会のプレゼン中に〃荒らし〃的な不規則発言のマナー違反を犯して、世界の識者たちの顰蹙を買ったのは記憶に新しい。(財界にっぽん・2010年11月号参照)

一方、これに対してICSAは元々、新宗教に入った子弟の脱会を目的とする〃父母の会〃を発祥として1979年に設立された、反新宗教運動組織だった。米国社会から拉致監禁を伴う強制棄教が根絶されたいま、CESNUEのような学術機関への脱皮を図っているが、急進的新宗教を敵視することに変わりはなく、「CAN(カルト警戒網)」という米国組織の消滅後は世界最大の〃反カルト機関〃として活動している。

日本の反統一教会派は約6年ほど前からICSAに参加して、いまや毎年のように批判プレゼンを開いては、彼らのホームグラウンド化している。対して統一教会は、米国教会関係者が約10年前から一般参加。後藤監禁事件を機に、日本教会も昨年の米国フォートリー会議から参加し始めたが、正式なプレゼンを行うには至らなかった。

その両国際会議がこのほど相前後して2011年会議を開催して、拉致監禁・強制棄教をめぐる白熱の論戦が繰り広げられたのだ。


2011年6月 - 台湾でCESNUR国際会議

まず、6月21〜23日にかけて「グローバル化した東洋における新宗教」を総合テーマに、CESNUR国際会議が台湾・台北県淡水の真理大学で開かれた。監禁問題は22日のセッションのひとつ、「統一教会‥青年期を迎えた新宗教」(司会者・アイリーン・バーカー博士)のなかで取り上げられ、フェッファーマン、樋口、後藤、魚谷氏が次々にスピーチ。トリノ会議で満座の識者に醜態をさらした、山口弁護士ら反統一派の姿は、懲りてしまったのか一人も見当たらない。

まず監禁被害の体験を報告したのは樋口氏だった。樋口氏は韓国人女性と祝福(合同結婚)を受けたため、両親、親戚らによって精神病院に強制入院させられた。ベッドと便器だけの牢屋のような暗い病室。大浴場の湯船には汚物が浮いているような悲惨で劣悪な環境で3カ月間、薬物を与え続けられた末に(樋口さんは密かに吐き出した)、身柄を親戚の家に移されたという。

「私の心身が衰弱したと判断したのでしょう、両親、親族らに『先生』扱いされて、プロテスタント福音派の神戸ルーテル教会・尾島淳義執事が正体を現しました。約1カ月、執拗で一方的な統一教会の教理批判を受けた続けた末に、隙をみて脱出に成功したのです。

続いて家族による12年5カ月にわたる監禁の末に、文字通り着の身着のままの姿で道路に放擲された後藤氏が報告に立つ。両親を教育して彼を拉致監禁させた首謀者は、松永堡智・日本同盟基督教団・新津福音キリスト教会牧師と宮村峻というプロの脱会屋だった。

「法外な謝礼金を取る、悪質な『監禁ビジネス』です。毎日、教会や教祖の悪口を強制的に聞かされて、バカ、アホ、悪魔』という耳をふさぎたくなる罵声に『死んでしまいたい』と思うほどでした。私は脱出しようと何度も試みましたが、そのたびに暴力的に取り押さえられました」

大きなパワーポイントの画面に大写しになる、南京錠で加工された監禁マンションの玄関チェーン、窓の特別な鍵付きクレセント、牧師や脱会屋の顔、そして極度の栄養失調で骨と皮ばかりになった救助直後の半裸の後藤氏の無残な姿…。
 後藤氏は、捜査令状を取ることすらしなかった警察、加害者を不起訴処分にした検察当局、後藤氏の不服申し立てを却下した検察審査会を厳しく批判して、2011年1月から始まった民事訴訟に賭ける思いを強く表明した。


2011年7月 - スペイン・バルセロナで両者激突

このCESUNUR国際会議を追うかのように、7月7〜9日、スペイン・カタルーニャ地方の中心都市バルセロナで、ICSA国際会議が開催された。バルセロナは、アントニ・ガウディのサグラダ・ファミリア教会などで知られるスペインきっての観光地。「心理操作、カルト団体、社会依存症、および被害」を総タイトルに、世界から約230人の参加者を集めてバルセロナ大学で開かれたこの国際会議で、拉致監禁をテーマに統一教会と反統一教会派が激突した。 

その第一幕は、7月8日午前11:00〜12:30、バルセロナ大学404号室で行われた「日本におけるディプログラミング‥事実か虚構か」と題した分科会。バーカー博士を議長に、CESNUR会議と同じフェッファーマン、後藤、樋口、魚谷氏の陣容だ。議長の「ディプログラミングの問題に関する概説」皮切りにプレゼンの幕が切って落とされ、まず先陣を切ったのがフェッファーマン氏だった。

〈過去において数千名が統一教会を離れたというのは恐らく事実であろう。(中略)彼らの離教が、拉致監禁による強制棄教の結果でないことは、紛れもない事実〉

〈(統一教会は)信者の両親や反統一教会のキリスト教牧師たちを非難する国内的および国際的なキャンペーンを張ることによって、自身の違法行為に対して継続されている論争をかわそうとし始めている〉

フェッファーマン氏は、霊感商法対策被害弁連ホームページのふたつの文章を引用して、その姿勢を厳しく批判した。彼らが拉致監禁の存在自体を完全否定している事実を挙げ、もしそれが真実なら被害者たちが嘘を言っているのか、双方の意見を聞いて判断してほしい。そして、彼らの言う「家族の話し合い」とはいったいいかなる話し合いなのか、真実を知ってほしいと訴えたのだ。

「米国のNCC(キリスト教協議会)はディプログラムの非難決議を発表しており、日本における強制改宗の実態を憂慮する国際的なNGO(宗教および公共政策研究所)の宣言も最近出された。はたして日本における拉致監禁は、憂慮すべき事実なのか、被害弁連の言うような虚構やキャンペーンにすぎないのか、是非、被害者自身の声を聴いてほしい」

統一教会側の意図は明確だった。反統一教会派がICSAで行ってきたバイアスのかかったプレゼン、つまり拉致監禁は全く存在せず、霊感商法や警察の捜査から視線をそらすため「キャンペーン」「プロパカンダ」だとする主張や後藤徹事件での検察審査会の「不起訴相当」判断で「キャンペーン」が破綻したとの印象づけに惑わされず、統一教会被害者の生の証言を聴いて判断してほしい、と訴えることだった。


反カルト会議で、なぜ、統一教会側のプレゼン?

ICSA2011年国際会議で統一教会のプレゼンが実現したのは、画期的な ”事件” だった。もちろんICSA史上初。毎年のように一方的な統一教会攻撃プレゼンを続けてきた反統一陣営にとっては、大きな痛手である。

このプレゼンが実現した契機は、昨年2010年会議の終了後、一般参加していた後藤氏ら一行がランゴンICSA会長、クロップベルト・インフォカルト代表に面会して、2011年国際会議で日本の強制棄教について分科会を開くよう提案したことだった。ランゴン会長らは資料を受け取り、提案を考慮する旨を約束した。

ICSA 2011 Uotani.jpg














<写真:質問に答える魚谷氏>


“保守的”色彩が強いICSAがなぜプレゼン実施を決断したのか。被害弁連のショックは想像に難くないが、ICSAに表立った抵抗や抗議を行った話はない。

「不満だからといって、日本の参加メンバーがICSAの運営に異議を唱える権能はありませんよ。日本における強制棄教のニュースは、深刻で緊急の問題として、世界の宗教研究者の間でますます認識が深まっている。『反カルト』色彩が強いとはいえ、学術機関への脱皮を図るICSAとしても、バイアスなしで当事者双方の主張を聴く必要を感じた結果です」(ICSAウォッチャー)


「青春を返せ」裁判 自由を拘束された原告

「日本における強制改宗」セッションは、樋口、後藤氏の臨場感あふれる実体験報告に続いて、魚谷氏のプレゼン「日本における『青春を返せ』訴訟と強制改宗の関係」に突入していた。

「札幌における『青春を返せ』裁判の原告(脱会信者)総勢21名のうち8名が明確に監禁された事実を認めている。8名は『監禁』という表現は否定したが、部屋に内側から鍵がかけられて自由に出入りだきなかったことを認め、2名が軟禁状態にあったと証言している。物理的な拘束を事実上認める証言が、全体の75%越えていることは特筆に値する。『軟禁』も含めれば、実に86%の原告が、何らかの拘束を受けた状態で脱会を決意したことになる」

魚谷氏は次の3点を挙げて、「青春を返せ」裁判原告の脱会信者に存在した〃自由の拘束〃を立証したのである。
@ 統一教会を訴えた元信者たちの大部分が、脱会する際に物理的な拘束を受けていた。

A 脱会を決意するにあたって、「脱会カウンセラー」と称する第三者の存在と働きかけがあった。

B 「脱会カウンセラー」の目的は、神学的、教義的な批判を通して、統一教会の信仰を捨てさせることにあった。



迫力欠く反対弁護士

この同時間帯に別室では、統一教会批判派で日本脱カルト教会代表理事の西田公昭・立正大学教授、黒田文月・橸山女学園助教授による「日本のカルト集団の元信者への施行による、集団健康度チェックの妥当性の調査」と題する分科会が開かれていたが、ほぼ同数の約20人の参加者で始まった統一教会のセッションは、30名にまで膨らんでいた。

「あなた方の証言に感謝します。大変興味深い内容で、感動しました」
 生の証言を初めて聞いたのか、ある女性参加者が感慨深げにコメントする。
 
「人々を殺したオウム(アレフ)は、日本に依然として存在する。彼らはディプログラミングされないのか。政府からも誰からも迫害されていないように見えるがなぜか?」

「家族は危険なグループから自分の子供を離すためにディプログラミングを行うのだろう。ならば、なぜ、オウムの信者はターゲットにならず、統一教会の信者がターゲットになるのか?」
 旧オウム真理教と統一教会を対比する質問が続く。フェッファーマン氏が答える。

「既成のキリスト教会と統一教会の対立という側面があって、宣教に成功していないキリスト教会のいくつかは、統一教会信者の強制改宗を、信者獲得の手段にしているのです」
 キリスト教系の統一教会とチベット密教系のオウム。"脱会牧師" や "プロの脱会屋" に密教知識に疎いうえ、旧オウムを強制脱会させても、自分の教会への改宗メリットも、脱会ビジネスの利益も期待できないのだ。

「青春を返せ裁判は、アメリカの文化からすればナンセンスだ。ロックに夢中になった若者が、自分の青春をロックコンサートで失ったと、レコード会社を訴えるようなものだ」

「西洋では創価学会の信者も強制棄教された。日本の学会員に被害はないのか?」

「日本の人権団体が拉致監禁問題にタッチしないというのは本当か。どうしてなのか?」

「日本の主要メディアはなぜこの問題に後ろ向きなのか?」


拉致監禁の実態をめぐる白熱の質疑のなか、会場に、ICSA常連で被害弁連の紀藤正樹弁護士の姿がある。  辛うじて、
「魚谷氏らの話は、虚構と誇張に基づいていると思う。私が担当した東京の『青春を返せ』裁判の原告たちの中には、拉致監禁された人はいなかった。後藤氏のケースは、午後からの(我々の)セッションで扱うので、関心のある人は聴きに来てほしい」
 とPRしたが、語調の迫力がどこか軽い印象を否めない。


ICSAのメンバーが、これほど前向きに日本の強制棄教問題に関心を寄せ、憂慮する姿勢を見せたのは予想外ですらあった。それはある意味、従来の反統一教会陣営による一方的でバイアスのかかった報告ばかり聞かされた参加者たちが始めて聞かされた「別の側面」に対して示した新鮮な驚きだったと言えるだろう。

そして、統一教会VS反統一教会の第2幕はこの日午後の分科会、「政府、弁護士、市民、被害者が論争のあるグループ、特に統一教会の問題に如何に立ち向かってきたか」を舞台にさらに過激に繰り広げられたのである(以下、次回)
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Reprinted with Permission of Mr. Tadashi Murou


★宗教ジャーナリスト 室生忠氏について:
 「宗教・信教の擁護」という基本姿勢で、大手メディアが語らない宗教現象、一般には伝えられることの少ない宗教事情などを伝えている。ウェブサイト「室生忠の宗教ジャーナル」主宰。


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2011年08月25日

日本のディプログラミング:国家(政府)による社会統制(前半)

ネバダ大学(ネバダ州リノ市)の ジェームズ・リチャードソン (James Richardson)法律学教授が、今年(2011年)2月12日付けで、彼のディプログラミングについての論文を、法律専門誌Crime, Law and Social Change(犯罪と法律、そして社会変革)に寄稿した。その論文は、2010年4月8日に、多文化オランダ協会の後援を受けた「犯罪組織からの脱出」をテーマにしたアムステルダム大学(オランダ)での会議でのプレゼンテーション用に準備されたものだ。

wikipediaによれば、リチャードソン教授は、マーガレット・シンガーの提唱したマインド・コントール理論に対する科学的批判者である。
http://en.wikipedia.org/wiki/James_T._Richardson

今回のリチャードソン教授の寄稿論文の全文はインターネットでは公開されていないので、2000円程度だが、その論文を購入した。ワードにして17ページくらいの論文で、本日のブログ記事はその論文の要約であり、今回はその前半。

このブログ記事のタイトル、「日本のディプログラミング:国家(政府)による社会統制」は、その論文の内容をもとに、私が付けたものだ。その論文発表後(2010年4月発表)の動きを見ると、一般大衆が気づかないように、すでに国家の干渉の度合いが大きくなって来ていることがわかる。

その記事に入る前に、リチャードソン教授のディプログラミングに対するとらえ方の説明をしたい。リチャードソン教授は、ディプログラミングを単に、拉致・監禁による強制脱会説得工作のみだけでなく、もっと広い意味で、人の思想・信教を強制力をもって変えさせ、その組織・団体から脱会させる方法を、ディプログラミングとしている。たとえば、中国政府によるFalun Gong(法輪功)への抑圧は、政府によるディプログラミングとしており、彼の論文では、かなりのページ(日本に関する部分の2倍)を使い説明している。



記事タイトル:Deprogramming: from private self-help to governmental organized repression
タイトル日本語:ディプログラミング:民間の自助救済から、政府の組織的抑圧まで、政府の関与の度合いに応じて4つのタイプ
出典URL:http://www.springerlink.com/content/1x542703g1603643/ (ウェブ上では記事の紹介のみ)
記事の日付:2010年4月8日発表、2011年2月12日オンライン掲載
日本語訳&要約: by Yoshi


はじめに:ディプログラミング - 政府の関与4つのタイプ

人々はどのように人気のない新宗教団体から離脱していくのだろうか?離脱には、3つの方法がある。

1. 自主脱会
2. 組織による除名・除籍
3. 外部組織による抽出(引き抜き)= ディプログラミング

ディプログラミングは、政府の関与の度合いに応じて、連続性をもった4つのタイプに分けられる。
 
ディプログラミングにおける政府の関与:4つの理念型(りねんけい:注1

1. 個人・民間による自助救済(政府の関与無し)

2. 権力(政府)からの非公式な協力を受ける自助救済

3. 権力(政府)からの極秘だが、直接的な働きかけ

4. 権力(政府)による公然で、合法的抑圧

1→2、2→3、3→4へと向かうほど、ディプログラミングにおける政府の関与が大きくなる。


4つの理念型の両極端である1番と4番について説明し、その後、中間に位置する2番と3番を説明する。


1. 個人・民間による自助救済について

まず、最初の自助救済努力であるが、完全に民間で行われるもので、政府または、政府関連組織からの協力はない社会統制努力である。これらの努力は法的制裁ではなく、彼らは実質、社会に存在する法律を犯している。

Donald Black氏は、ほとんどの社会統制は、ある道徳的罪が、そのグループがどう見るかにより、みずから制裁を下す「自助救済努力」であるとしている。人気のない宗教団体に加入することは、時として罪(悪い事)とみられる。民間による自助救済手段のディプログラミングは、この状況に対応するために発展した。

4. 権力(政府)による公然で、合法的抑圧

これは、4つの理念型で、政府の関与が最も高い位置にする政府による抑圧である。政府の信じる正しい信念・行動の正式見解を強要する社会統制手段である。これらの政府の行動は、強制的で、暴力的でもあり、政府の認可しない団体への加入・参加を制止させる行動である。標的にした運動・団体を非合法にすることにより、このような努力は、法律的制裁として行われる。中国のFalun Gong (法輪功)への抑圧は、この例と言える。


ディプログラミングの政府(権力)の関与においては、この両極端(上記の1と4)の間に位置する多くの例がある。

2. 権力(政府)からの非公式な協力を受ける自力救済

たとえば、多くのディプログラミングにおいて、ディプログラマーの行動は、法律や憲法に違反しているかもしれないし、権力者は何が起きているか気が付いているかもしれない。しかし、権力者がディプログラマーと同じ価値・信念を共有するならば、権力者は、今、起きている法律違反を無視するかもしれない。さらに、起きていることに協力さへするかもしれない。このように、自助救済としてディプログラミングと、政府組織により実行されるディプログラミングの明確な境界線(理念型の1と2の間の境界線)は時として曖昧である。

3. 権力(政府)からの極秘で直接的な働きかけ

もう一つの例として、政府機関が運動・団体に対して社会統制を、一般には知られないように、極秘に行おうとしている状況がある。あからさまに参加を思いとどめさせたり、メンバーがその団体から退会すべきと、さまざな方法を使い説得したりする多くの例がある。



アメリカにおけるディプログラミングの歴史

ディプログラミングとは、アメリカにおいて1970年代初期に作られた言葉で、民間の自助努力活動を意味した。人気のない新興宗教の信者が暴力的にグループから連れ出され、監禁され、過激な再社会化の過程を強要され、それにより、そのグループを去ることに同意させられていくものだ。この方法は、1970代から1980年代はじめにかけてたびたび使われ、何千名というアメリカの青年がディプログラミングを経験した。

ディプログラミングという言葉はそれ自体ですでに意味をなしている。というのは、ディプログラミングは、「最初の過程で、ある組織によりプログラム処理されている」という意味を含んでいる。そして、その最初のプログラミングを行った組織は、何かしら間違っており、邪悪であり、破壊的だということを明らかに暗示している。そのディプログラミングという言葉の発明は、不人気な宗教団体と闘っていく上で、絶妙にその意味合いを説明している。カルトに対する敵意から作られた言葉が、「洗脳」と「マインドコントロール」の主張とうまくかみ合っていった。このように、新興宗教に対して、非常に否定的な見識がアメリカや他の国々で作られていった。その見識は、実質、主導権を握り、新興宗教に対する社会統制を実行する上で、強力な社会的武器となっていった。

ディプログラミングは民間の自助救済と言える。なぜなら、アメリカ連邦政府も州政府も、宗教団体を公式に統制することには、力を限定されているためだ。もちろん、多くは、政府職員や機関により、非公式に力の行使が行われたが、米国憲法修正第1項は、政府の公然で直接の干渉を不可能にしている。従って、家族の願いに反してカルトに入会した若い人々の問題の解決手段(政府は問題解決のために干渉しない)として発展してきたディプログラミングの隆盛は、ディプログラミングの民間の自助救済努力の概念うまく説明している。

何千名という若い青年男女が、通常の、そして期待された社会的位置を離れ、新興宗教団体の啓蒙する道と活動に従っていった結果として、アメリカのディプログラミング産業は急激に発展した。この若い青年層は、典型的に中流階級かそれより上でり、比較的教育を受けた人たちだった。彼らは比較的裕福な階級であったので、家族は子供達を元の場所に戻すことに積極的に(経済的に)追求することができた。子供が新興宗教に加入した裕福な家庭が、アメリカのディプログラミング産業の発展に寄与した。

ディプログラミング産業は、広い意味での反カルト運動の一部であった。反カルト運動には、幻滅を感じた元メンバー、子供をカルトに奪われた両親、カルトに信者を奪われている感じている既成宗教、またユダヤ人コミュニティ等が参加してる。いくらかの心理学者、精神科医、法律学者等も、ディプログラミング運動の正当化に大きく貢献した。

ディプログラミング産業には、ディプログラミングを行う人と、それに協力する人からなっている。ディプログラミング目的で拉致した人を送る施設も作られ、支払い能力のある両親によって、子供達が送り込まれた。時として、ディプログラミングは法的権利があるかのごとく起こされた。ある判事は、時として、心的能力の退化した老人の面倒を見ることを目的に作られた法律を使い、両親に子供の後見人管理権を与えた。

後見人管理権を与えられた両親は、取締機関の職員やその手続きを使い、子供達を保護し、ディプログラミング施設に送ったり、精神病院に入れることもできた。しかし、裁判所は、アメリカ市民が享受できる憲法的保証に敏感になり、すぐにこのような判決は疎んじられるようになった。1977年のカリフォルニア州の、統一教会メンバーのキャッツ(Katz)裁判は、先導的な判決であったが、他にも、似たような判決はあった。

ディプログラミングの一連の行為の重大な特徴は、法執行機関と裁判官までもがディプログラミングについて知っており、その行為を認めてきたことだ。それは、起きている事件に対し、公式に容認するか、あるいは、見て見ぬふりをするかのどちらかである。ディプログラミングはたびたび、司法職員により、家族の問題と見なされ、法体系の干渉を受けることができなかった。すでに成人した男女であっても、そして米国修正憲法第一項の信教の自由条項があったとしても、その「家族の問題」との見解は法システムにより採用されていった。州政府にも連邦政府にもそのような信教の自由を奪うディプログラミングに対処する法律があるにもかかわらず、何千というディプログラミングがアメリカで起きた。

アメリカにおいては、カリフォルニア州のKatz裁判のような重要な裁判判決が訴訟の流れを変えるまで、ディプログラミング運動は20年間続いた。この裁判は、拉致監禁され、ディプログラミングを受けた統一教会の青年信者が起こしたものであるが、このような行動(ディプログラミング)に関する法的問題点を明らかにし、ディプログラミングを行っている人々は、アメリカ合衆国のさまざまな法律に抵触する可能性を示唆した。そして、ディプログラマー・両親に対し民事訴訟を起こし勝訴するケースも出てきて、ディプログラマーや、それを支援する組織は、別の方法を考えざるを得なくなってきた。ディプログラミングは、アメリカ社会における信教の自由等の重要な価値観とは相反するものだという意識の高まりによって、ますます多くの司法判断が下され、アメリカにおいては急激なディプログラミングの減少をみた。ディプログラミング産業において、合法的、そして公共の環境に適したものへと移行が行われ、ディプログラミングは、より物理的拘束のない退会カウンセリングへと道を譲っていった。

ディプログラミングとその実践者は、完全にいなくなったわけではないが、アメリカではほんのわずかなディプログラミングのレポートしかない。しかし、その産業は他の地域、特に日本で発展していった。日本では、新しいアイデアを取り入れながら発展してきた。次に、日本のディプログラミングの状況をみていきたいと思う。

(注1) 理念型 (りねんけい= ideal types) 特定の社会現象の論理的な典型をあらわす概念 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%90%86%E5%BF%B5%E5%9E%8B
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(前半終了)


ここからは、訳者、管理人による記載。

後半は、次のようなサブタイトルが続く。中国の例は、日本の例の2倍のスペースで書かれていて、中国の部分は、省略させて頂くかもしれない。

- 日本におけるディプログラミング:非公式ではあるが、権力公認自助救済
- 政府機関の極秘行動によるディプログラミング
- 国家によるディプログラミング:中国の例
- 結論




さて、リチャードソン教授のいう4つのタイプ、もう一度書くと次のようになる。

1. 個人・民間による自助救済(政府の関与無し)

2. 権力(政府)からの非公式な協力を受ける自助救済

3. 権力(政府)からの極秘だが、直接的な働きかけ

4. 権力(政府)による公然で、合法的抑圧


拉致監禁を受けていると思われる被害者の婚約者が警察に助けを求めるが、警察は動かない。誘拐現場で目撃者が警察に連絡し警察が急行したが、「家族の問題」ということで、被害者の要求は無視された。監禁現場まで知りながら、または監禁現場を訪ねているにもかかわらず、被害者が救出されなかった。

このような例は、私よりも、ここまでこの記事を読んでくれた読者の方が詳しいと思う。「警察が拉致監禁を知っていながら何もしない」または、「見てみぬふりをする」これらの例は、権力からの非公式な協力を得ている場合である。少数ではあるが、警察によって解放された例もあるが、大半は、警察が介入すれば、拉致監禁犯の都合のいい方法で解決されてきた。これらは、上記の2番に該当すると思うが、もし、日本の警察が組織的に拉致監禁犯を逃しているなら3番ということもあり得る。リチャードソン教授も言っている通り、その境界線はあいまい(blurred) である。


後藤徹氏の12年5月に及ぶ拉致監禁で検察は不起訴とした。宇佐見事件では、もし、ストーカー行為ならまず警告すべきなのに、いきなり逮捕され4ヶ月近くも(法定刑は懲役6ヶ月、または50万円以下の罰金)拘束された。両者の共通項は、拉致監禁が関係しているということ。どちらも、ディプログラマー側に有利な決定である。これらは、国家からのディプログラミング行為への干渉(不干渉)が、一般には知られないような形で、より直接的になっているということではないだろうか?上記の事例は、リチャードソン教授がその論文を発表した後に起きたことである。上記のタイプでは3番に該当すると思う。

では、その次はどうなるのか?2番から3番へと移行してきたのだから、限りなく4番に近づき、たとえ、統一教会に対する国の抑圧が始まったとしても、まったくの前兆のなかった出来事ではないのかもしれない。

今回のブログ記事のタイトルは、「日本のディプログラミング:国家(政府)による社会統制」としたが、もう一つ、考えていた題名は、「日本のディプログラミング:国家からの抑圧の半歩手前」というものだった。今年に入ってからの事件を追ってみると、まったくの妄想ではないかもしれない。


xxx
posted by 管理人:Yoshi at 12:02| Comment(3) | TrackBack(0) | 宗教/カルトに関する会議等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月03日

魚谷論文:日本における「青春を返せ」損害賠償請求裁判と強制脱会との関連

<2011-08-21 追記を追加:最下段>

2011年6月下旬に台湾の真理大学にて、CESNUR(Center for Studies on New Religions = 新宗教に関する国際的研究機関)の会議が開催され、日本のディプログラミング(拉致監禁・強制説得)という分科会が設けられた。その分科会のスピーカーの一人である、魚谷俊輔氏が、「日本における"青春を返せ"損害賠償裁判と強制脱会との関連」というタイトルでプレゼンテーションを行った。

魚谷氏の英語で発表されたこの論文がCESNURのウェブサイトに掲載されたので、日本語訳にしてお届けしたい。

出典元URL: http://www.cesnur.org/2011/dan-cyberpro.html(下から5番目の論文)
会議参加者の写真: http://www.cesnur.org/2011/dan-gallery.html
日本語訳:Yoshi (グラフ等は出典元を参考にして下さい。)


ここから、日本語訳
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2011年CESNUR国際会議
日本における「青春を返せ」損害賠償請求裁判と強制脱会との関連
Shunsuke Uotani
Universal Peace Federation - Japan


家族・親族や脱会カウンセラーと呼ばれるプロの改宗家によって行われる、統一教会メンバーに対する拉致監禁事件は、監禁から逃走してきた被害者の証言により明らかになってきた。それらの事件のいくつかは、被害者が、拉致監禁を実行した親族、反統一教会牧師に対して起こした民事裁判の中でも解明されている。例として、富澤裕子(ひろこ)は2002年に、寺田こずえは2004年に勝訴している(注1)

しかしながら、統一教会に反対するキリスト教牧師、プロのディプログラマー(強制改宗家)と反統一教会弁護士等は、統一教会が主張している拉致監禁とは、実際は「保護説得」すなわち「救出活動」であるとし、理由として、メンバーの両親は、子供達が「反社会的な」統一教会のメンバーであることを非常に心配し、これらの過激な方法に頼らざるを得なかったからであると、主張している。

彼らはその主張を正当化するため、統一教会から離れた多くの個人が、のちに統一教会に対し「青春を返せ」裁判として知られる損害賠償請求裁判を起こしたという事実を引用している。これらの原告の一部が民事裁判に勝訴した事実をもとに、彼らは、統一教会は反社会的な団体であると主張している。しかしながら、これらの裁判は、強制説得によって統一教会を離れた元メンバーに統一教会を非難するように促すことにより、統一教会の社会的評判を貶(おとし)め、統一教会を過小評価しようとする、これら弁護士達の反統一教会戦略に起因するものである。

そこで、私は、これらの原告は真正で自発的なものではなく、強制改宗、すなわちディプログラミングを通して作られた「でっちあげ被害者」であると、あえて言及したいと思う。これらの事実は、「青春を返せ」裁判で行われれた彼ら自身の証言や供述書に明らかに示されている。本日のこのプレゼンテーションでは、原告による裁判資料や、「青春を返せ」裁判に関連した宣誓供述書を基に、次の事柄を証明したいと思う。

(1) 統一教会を訴えた元メンバーの過半数は、教会を辞めさせられた時、家族により身体的に拘束されていた。

(2) 元メンバーが教会を辞めることを決めた時、退会カウンセラーという第三者が介在していた。

(3) 退会カウンセラーは、神学的、教理的な問題について話し、信仰を破棄するようメンバーに影響を与えることを目的としていた。

私は、例として、札幌における「青春を返せ」裁判を取り上げたいと思う。いわゆる「青春を返せ」損害賠償請求裁判は北海道の札幌市で始まり、統一教会メンバーにより行われた伝道活動は不法行為であると主張した。原告は、統一教会での失った数年間の代償として損害賠償を求めた。札幌地方裁判所での審理は1987年3月から2001年6月までの14年3ヶ月に渡って続いた。原告は、全員女性で、最終的には21名であった。

結果はどうだったか?原告は、2001年第一審に勝訴、控訴審で2003年3月に統一教会は敗訴。最終的に、2003年最高裁は、統一教会の最高裁上告を棄却し、原告優位の判決が下った。賠償額は、請求額の三分の一と裁判で決まった。皆様の参考のために、「青春を返せ」裁判は、必ずしもいつも成功したわけではなかった。たとえば、1998年名古屋地裁、1999年岡山地裁、2001年神戸地裁では原告は敗訴した。

これらの元統一教会メンバーが教会を辞めた時の状況についてみてみたいと思う。札幌での「青春を返せ」裁判では、統一協会側弁護士による、原告への反対尋問により、離教の模様が明らかにされている。21名の原告の証言は次の四つのタイプに分類できる。

出典元の円グラフを参考にして下さい。ここでは、円グラフは省略。> 

上の円グラフの、青色で示されている部分は、彼らの証言において、彼らが“監禁”された事を認めた人たちである。21名のうち8名が、監禁されたことを実質認めている。

赤色で示された部分は、監禁されたとは認めていないけれども、部屋は内側から鍵がかけられ、部屋への、または部屋から自由に移動が出来なかった人たちを示している。8名がこれに該当すると証言している。

黄色で示された部分は、軟禁されていたと認めた人たちである。ここでいう軟禁とは、鍵をかけられてはいなかったが、持続的な監視により、その場所から逃げ出すことができなかった状況を指している。2名が、そのような状況下にあったことを証言している。

最後に紫色の部分は、監禁されていたことは否定し、部屋への出入りは自由であったと証言し、3名がそれに該当する。

すべての者が監禁という意味での束縛とは表現していないけれども、証言した75%以上が、移動の自由に対する拘束があったと認めている。軟禁状態も含めると、86%の原告が、ある拘束状態のもと離教を決意したことになる。

彼らが監禁されたという典型的な証言例を紹介したいと思う。ORさん(女性)は、かなり正直である。以下は、1999年12月14日、札幌地方裁判所で行われた尋問の記録である。Honda氏は、統一教会側の弁護士である。

Honda:あなたは、統一教会を辞めたんですね?

O.R.:はい、辞めました

Honda:いつ辞めましたか?アパートのようなところで監禁されていませんでしたか?

O.R.:はい、そういう場所に連れて行かれました。

Honda:誰があなたの監禁の首謀者ですか?

O.R.:私の両親です。

Honda:両親はなぜ、あなたを監禁したんですか?彼らの目的は何ですか?

O.R.:両親は、私に統一教会を辞めて欲しかったんです。

Honda:両親は、なぜ、あなたに統一教会を辞めて欲しかったんですか?

O.R.:両親は、私が多分悪い事をしているんじゃないかと思ったからです。

(略)

Honda:あなたの両親は、あなたが宗教に献身的になることを良い事と思わなかった と、いうことですか?

O.R.:はい、そう思います。

(略)

Honda:何日間、監禁されましたか?

O.R.:何日かは覚えていませんが、拘束されて7日目に、私は、私の宗教について再検討始めました。

Honda:と、いうことは、そういう状況は、まず両親によって作られたんですね。

O.R.:はい、それは正しいです。

本田:あなたの脱会説得には、他に誰が関係してましたか?

O.R.:私の親族と、パスカル氏が私に話しました。

本田:パスカルの話を聞きましたか?

O.R.:はい。

本田:あなたが監禁されていたアパートで、パスカルの話を聞きましたか?

O.R.:はい、その通りです。

本田:彼から、何を聞きましたか?

O.R.:主に、統一原理と聖書の違いについて。

本田:そのパスカルという男は、キリスト教、またはプロテスタントの信者ですか?

O.R.:プロテスタントだと思います。

(略)

本田:あなたは部屋から出ることのできない監禁された状態にありました。あなたの自由が奪われていたこ
とが分りますね?

O.R.:はい、わかります。

本田:精神的にも、拘束を受けていませんでしたか?

O.R.:はい、受けていました。

本田:身体的にも、拘束を受けていました。

O.R.:はい、ただ、厳密に言えば、7日目までです。

(略)

本田:あなたの両親は、誰から統一教会の教理を学んだのですか?

O.R.:多分、パスカルからだと思います。


次に、「救出」という表現で監禁という概念を否定しているけれども、しかし内側から鍵をかけられ、部屋への出入りの自由がなかった、ある種の身体的拘束を認めている典型的な裁判記録の一つを紹介したいと思う。Y.N.(女性)の証言は典型的な例である。Kanetsuki氏(男性)は、統一教会側の弁護士であり、この記録は、1999年12月14日札幌地裁で行われた尋問記録からである。

Kanetsuki:では、あなたは、あなたのお父さん、またはあなたの家族によって監禁されたんですね?

Y.N.:それは、私の救出のためでした。

Kanetsuki:あなたは、そのアパートに約1ヶ月間滞在しました?

Y.N.:その通りです。

Kanetsuki:あなたの部屋への出入りは自由に出来ましたか?

Y.N.:いいえ。

Kanetsuki:部屋には鍵がかけられていましたね?

Y.N.:はい、部屋には鍵がかけられていました。私が、窓から飛び降りて自殺しないようにするためでした。

Kanetsuki:それは、一つの理由かもしれません。しかし、あなたは、一つの部屋から別の部屋に移動する自由がありませんでした。

Y.N.:私は、アパートから出ることは許されていませんでした。

Kanetsuki:アパートの何階に滞在していましたか?

Y.N.:確か、7階だと思います。

Kanetsuki:アパートには、どんな人々がやってきましたか?

Y.N.:クリスチャンや、ボランティアの人たちが話しをしに。

Kanetsuki:Tamiya Taguchi という男はやってきましたか?

Y.N.:はい、来ました。

Kanetsuki:彼は何者ですか?

Y.N.:彼は、統一教会の講師でしたが、間違いに気づいて辞めました。彼も私の救出を助けてくれました。

(略)

Kanetsuki:キリスト教牧師も来ましたね?

Y.N.:はい。

Kanetsuki:彼の名前は何ですか?

Y.N.:彼は、パスカルと呼ばれています。


次に、宣誓供述書を紹介する。通常、原告は反対尋問で問いただされた時だけ、離教時の身体的拘束の存在を認めた。しかし、ある原告達は、宣誓供述書内で離教の詳細を説明し、彼らの意志に反して拘束され、監禁されていたと感じたことを指摘している。最も典型的な宣誓供述書は、1999年5月6日にK.M.(女性)により提出されたものだ。

その書面は非常に長いので、次の通り、彼女の供述書の重要箇所を列挙する。

•1992年4月6日、両親・親族にだまされドライブに連れ出され、札幌市内の見知らぬアパートに連れて行かれた。

•「これは監禁だ」と悟り、その時点で恐ろしくなりパニックになった。

•彼女は車のシートにしがみついたが、引きずりおろされ、アパートの入り口まで連れて行かれた。

•彼女は抵抗し、脱出を試みたが、力ずくで阻止された。

•彼女は、叫んで助けを求めたが、誰も応答しなかった。

•アパートでは深夜まで、家族のメンバーにより統一教会について問いつめられた。

•彼女は、あまりものプレッシャーに気が狂いそうになり、「監禁」に対して表現できないほどの怒りを感じた。

•彼女は「話す準備はできておらず、ここから出る必要がある」と言ったが、彼女の提案はきっぱりと断られた。

•彼女のやり残した仕事の事での電話連絡の願いも拒否された。

•彼女の家族は、強硬な姿勢をとり、彼女は、「私の家族は、こんなにまで、私の自由を奪う権利があるのか?」と感じた。

•彼女を捕えた人々は彼女を人間として見なさず、彼女は激高した。

•翌日の午後、反統一教会の牧師が現れ、彼自身、箱舟教会の大久保牧師と紹介した。


身体的拘束の存在については、裁判所によって確認されている。2003年3月14日の札幌高裁での判決では、次のように述べている。「すべての被上訴人は、上訴人の離教者であり、その多くは離教の段階で親族により身体的に拘束されていた。これらの拘束自体は、被上訴人との関連において、違法行為(合法的行為として許容されない)の可能性がある。」しかしながら、判決では、それらは被上訴人と親族との間で解決されるべき問題であり、これらの事実は青春を返せ損害賠償裁判の判決には影響しないと、述べている。

原告の証言の中で、パスカル・ズィヴィ氏と大久保牧師は第三者であり、別な言葉で言えば、原告の親族ではない。これらの第三者と彼らの原告との「話し合い」について説明したいと思う。身体的拘束の有無にかかわらず、この裁判のすべての原告は、統一教会からの離教時に、親族ではない、第三者の介在を認めている。ある原告は、これらの第三者は統一教会を批判したことはなく、また統一教会を辞めるよう強要したことはないと主張している。しかし、彼らの多くは、監禁場所でこれらの第三者と話した後で、統一教会から離れることを決意している。それ故、客観的にみれば、第三者の説得が、原告の離教に重大な役割を果たしたのは明白である。

次のリストは、第三者の個人名と、21名の原告の証言の中で、現れた回数である。パスカル・ズィヴィが多数回出現していることは、注目に値する。かれは、21人の原告のうち、16名の脱会に関わっており、彼の救出カウンセリングと札幌での「青春」を返せ裁判との明らかな相互関係が示されている。第三者は、ほとんどは牧師か、教会に関連した個人である。    

パスカル・ズィヴィ   16回
田口たみや        2回
大久保牧師        2回
戸田牧師         1回
星川牧師         1回
寺田牧師         1回
山本牧師         1回
日本キリスト教団の牧師  1回
キリスト教の牧師      1回


パスカルとは誰なのか?彼の名前はパスカル・ズィヴィ(Pascal Zivi)である。彼は、札幌のマインドコントロール研究所の所長である。彼自身の著作である「マインドコントールからの脱出」の本の中で自らを、「フランスから来たクリスチャンで、札幌市のアジア・バイブル・スクールで学んだ。」と紹介している。現在は、かれは、日本キリスト教団羊ヶ丘教会の会員である。

では、どんな話題で、原告は、退会カウンセラーと呼ばれる第三者と、話し合いをしたのか?次に列挙するのは、証言の中で述べられた話し合いの話題である。ただし、21名の原告のうち4名を除いてである。その4名は、第三者の介在は認めたが、証言の中で具体的な話し合いの話題については言及しなかった。

1. 日本キリスト教団の教理についての会話(日本キリスト教団の牧師)

2. 聖書を見せながら、統一教会の教理の間違いが指摘された(細川牧師、田口たみや)

3. 「堕落論」を含めて統一原理の矛盾点。献金は文師の利己的目的と欲望のため、搾取されている。(パスカル)

4. 統一教会と聖書の違い。統一原理の間違い(パスカル)

5. 聖書と統一原理の比較(パスカル)。統一教会に関連したスキャンダル(パスカル、田口たみや)

6. 統一原理は聖書を間違って引用している(パスカル)

7. 統一原理の錯誤について(戸田むつお)

8. 統一原理の間違いについて(パスカル) 

9. 聖書について(パスカル)

10. 統一原理での聖書の引用は でたらめ(パスカル)

11. 歴史の同時性を含めた、統一原理の矛盾点(大久保牧師)

12. 聖書と統一原理の違いについて(パスカル)

13. 陰陽の二性性相など、統一原理の一貫性のない点(パスカル)

14. 歴史の同時性など、統一原理の錯誤について(寺田、大久保、山本牧師)

15. 統一原理の間違いと一貫性の欠如(パスカル)

16. 聖書学習と、統一教会批判(パスカル)

17. 統一原理と聖書の不一致、統一教会書籍の間違い。”文鮮明師はメシアではないと悟った”(パスカル)


いったい、退会カウンセラーの目的は何なのか?これらの証言によれば、退会カウンセラーの言っていることは、ほとんど神学的、教理的な問題である。プロテスタント系クリスチャンの真理の指標としての聖書に対する認識に基づき、退会カウンセラーは、聖書と統一原理の不一致、間違った聖書の引用、他の間違いや矛盾点を指摘し、統一教会は信じるに値しないという観念を押しつけよう試みている。別な言葉で言えば、彼らの説得は、明確に、メンバーの統一教会からの離教達成に焦点が定められている。

多くの原告は、長期化した監禁または拘束のもと、彼らの宗教の間違いや矛盾の主張を高圧的話法で受けている。いったん信仰が壊されると、彼らは彼らが自由意志で選択した信念や、自由意志で没頭した活動への理解において180度転換する。彼らは、騙されていたとか、マインドコントールされていたとも主張した。最終的に、彼らは教会に対して損害賠償請求裁判を起こした。

結論として、裁判記録と、供述書に基づき、次の事柄を、私は証明できた。

(1) 統一教会に対して、札幌「青春を返せ」裁判を起こした元メンバーの過半数(少なくとも75%)は、彼らが離教を決意した時、家族等により身体的に拘束されていた。

(2) 身体的拘束の有無にかかわらず、すべての原告が離教を決意した時、第三者の退会カウンセラーが介在していた。

(3) 退会カウンセラーは神学や教理問題について話し、退会カウンセラーは、メンバーの信仰を捨てさせることに重きを置いていた。

統一教会の反社会性を証明したであろう「青春を返せ」裁判は、実際は、離教した人々により自発的に起こされたものではなかったという点において、これらの事実は重大である。むしろ、これらの裁判は、身体的拘束と激しい説得のもと、宗教を捨てた作り上げられた犠牲者によって起こされたものである。

その過程において、キリスト教の牧師や、パスカル・ズィヴィのような素人が介在している。これらの退会カウンセラーと、札幌「青春を返せ」損害賠償裁判の弁護人Masaki Gouro氏との間には、何らかの協力があったに違いない。それ故、一連の救出活動と訴訟活動は、社会において統一教会の信用を失墜させ、過小評価させる戦略の一翼を担っていたと考えられる。

したがって、「反社会的」統一教会への子供の関与に両親が心配し、両親はこの極端な方法に頼らざるを得なかったという主張は、物事の順序を逆転させている。なぜなら、日本における拉致監禁・強制改宗の歴史は、「青春を返せ」損害賠償裁判の歴史よりも、ずいぶんと長い。拉致監禁・強制改宗は1966年に始まり、「青春を返せ」損害賠償裁判は1987年に始まった。

さらに、両親の「心配」は、自発的に起こったものではなく、反統一教会牧師に話しを持ちかけられた結果として起きている。パスカル・ズィヴィ氏は札幌において活動しているので、このプレゼンテーションでは、彼について言及した。日本全国において、他の「退会カウンセラー」が多く存在し、他の都市でも、信仰破壊活動と「青春を返せ」裁判との類似した協力関係が見られる。

もし、拉致監禁がなければ、「青春を返せ」損害賠償請求裁判も起きなかった。拉致監禁による強制改宗を通じて、統一教会は反社会的団体であるという型にはまった概念が戦略的に作りだされ、その結果、もっと多くの拉致監禁被害者を増やしていくという卑劣なサイクルが起きた。



(注1)
富沢裕子は、1997年6月に拉致され、3つのアパートに、15ヶ月間にわたり、監禁された。プロテスタントの牧師、高澤守が彼女の監禁されていた部屋を訪ね、彼女の信仰破壊を行おうと試みた。

寺田こずえは、韓国人と結婚し、韓国に在住していたが、2001年1月 日本の実家を訪ねた。彼女の滞在中に、彼女の親族が彼女を拉致し、アパートに66日間監禁した。高澤守牧師がたびたび監禁部屋を訪ね、脅しと侮辱で彼女の信仰を壊そうと試みた。

判決日     原告    被告  損害賠償額 裁判所   訴訟番号
2000.8.31   富沢裕子   高澤守 55万円   鳥取地裁   2000訴訟番号 72
2002.2.22   富沢裕子   高澤守 15万円   広島高裁  2000訴訟番号98
2004.1.28   寺田こずえ 高澤守 20万円   大阪地裁  2002訴訟番号4326
2004.7.22   寺田こずえ 高澤守 20万円   大阪高裁  2004訴訟番号686



<原文では、最後に追加資料として、原告21名のイニシャル、退会カウンセラーの名前、拘束期間をまとめた表が挿入されています。ここでは省略しますので、原文を参考にして下さい。文書の一番最後です。
Plaintiff = 原告
Exit Councelor = 退会カウンセラー
Period of Custody = 拘束期間
色分けは、本文中の円グラフと同じです。

<追記:2011-08-21>
全国 拉致監禁・強制改宗被害者の会ウェブサイトで、この魚谷論文が、日本語で発表されています。こちらも、参考にして下さい。と、いうか、ご本人の文責での発表なので、全国 拉致監禁・強制改宗被害者の会ウェブサイトで発表された方をメインに、私の訳の方は参考にして使って下さい。
http://kidnapping.jp/news/20110819.html

私のこのブログで紹介したものは、純粋に英語から日本語に訳したものです。読み比べてみると、非常に興味深いのですが、表現の差はありますが、伝わっている内容はほぼ同じです。




<更新情報>
2011-08-03: 論文の前半の訳終了
2011-08-05: 後半の訳終了
2011-08-06: 注1完了で、一応完了

2011-08-21:追記を追加

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2011年07月25日

ワシントンDCで、宗教の自由を求めるイベント開催

2011年7月13日に、アメリカの首都ワシントンDCに於いて、宗教迫害に反対し、宗教の自由を求めるイベントが開催された。今回は、その記事を紹介したい。そのイベントは、ワシントン・タイムズ財団(WT社は統一教会の文鮮明師により創設)と、天宙平和連合(統一教会の関連団体)の共催で、WT社にて催された。

今回の記事は、英語・日本語の併記ではなく、原文は、この記事の最後にまとめて掲載する。WT社のコピーライトの規約があって、切ったり貼ったりできなくて、広告も掲載すると言うことで、1ヶ月間無料で原文が掲載出来た。その後は、原文は、このページからは、なくなるかもしれないが、次の出典元リンクをクリックすれば、原文まではたどり着けると思う。

記事タイトル(原文):Faith groups call for greater efforts to promote tolerance
タイトル日本語:宗教団体、寛容さ推進に多大な努力を求める
出典元URL:http://www.washingtontimes.com/news/2011/jul/13/faith-groups-call-for-greater-efforts-to-promote-t/#.Th5RsWJOvdE.email
記事の日付:2011年7月13日
日本語訳: Yoshi


以下、日本語訳
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Tim Devaney ティム・ディベイニー
2011年7月13日7:44pm

様々な信仰の宗教指導者、活動家がお互いに寛容であることを求め、そして米国政府は、世界で起きている信仰故の差別・迫害に対しての闘いを強化するよう求めた。

「すべての人は、信じる自由も、信じない自由も有している。それは、神から与えられたすべての人の権利である。」と、アメリカ国務省の国際宗教の自由特別大使に、今年、任命されたスーザン・ジョンソン・クック女史は語った。

ワシンントン・タイムズ社で行われた「Stop Religious Persecution Now(今すぐやめろ 宗教迫害)」の一日に及ぶ会議では、何名かのスピーカーが、Rep. Frank R. Wolf (フランクR. ウルフ )下院議員(共和党バージニア州選出)が、議会に提案している法律に賛意を表明した。その法律は、海外での宗教の自由擁護者としての国務省の役割を強化させるものである。

その法律の定めでは、アメリカの海外での役務に従事している職員に、宗教の自由促進についての新しいトレーニングを施し、宗教の自由を規制していると見られる国々によりスポットライトをあて、U.S. Commission on International Religious Freedom (USCIRF = 世界の宗教の自由に関するアメリカ委員会)の独立性を再確認するものである。

そのイベントに参加したのは、キリスト教徒、イスラム教徒、ヒンズー教徒、シーク教徒等であり、他の宗教も参加した。スピーカー、参加者には、議会議員、政府職員、宗教の自由推進者、そして、Center for Understanding Islam (イスラムセンター), the Hindu America Foundation (ヒンズー教財団) and ChinaAid (対中援助協会)等の代表も参加した。

そのイベントは、Universal Peace Federation(天宙平和連合)と、The Washington Times Foundation (ワシンントン・タイムズ財団)により共催された。

宗教活動家は、「宗教差別に対する闘いで一体感があった。」と語った。

Becket Fund for Religious Liberty(宗教自由のためのベケット基金)の政府担当部長のTina Ramirez (ティナ・ラミレス)女史は、「いかなる宗教団体も安全ではないというのが問題だ。一方で他を迫害し、一方では迫害される立場になるかもしれない。だから、不幸にも、宗教迫害は、境目がない。」と語った。

基調演説を行ったインジン・ムーン師は、「一つになるべきときに、分裂している世界の宗教は問題である。」と語った。彼女は、世界基督教統一神霊教会の会長兼CEOであり、ワシントン・タイムズ創設者の文鮮明師の娘である。

「私たちは一つの家族に属しているのではありませんか? 他の人々の信仰が理解できないという理由で、また、同意しないということだけで、彼らを虐待することができますか?」と、語り、他の信仰を持つ人々との関係で、「寛容」や「共存」以上のことをするよう、仲間の宗教指導者に求めた。

「私は、自分の子供をみて、『あなたを容認します』とか、『私たちは共存できると思います』とは言わない」と、インジン・ムーン師は語った。

会議への参加者は、アメリカでは宗教的迫害は大して問題ではないが、宗教的差別はは存続していると述べた。

アメリカヒンズー協会の人権担当であるRamesh Rao(ラメシュ・ラオ)氏は、「アメリカは、確かに最も自由な国の一つであるが、差別問題が存在している。アメリカのヒンズー教徒は寺院建設の許可を得るのに苦労している。」と述べた。

シーク教徒の主任弁護士であるHansdeep Singh(ハンディープ・シング)氏は、彼の信徒達は、国を超え空港で偏見に出会う。彼の付けているターバン故に、金属探知器を通る前に、担当官が呼ばれて、触られて検査を受け、まるで檻の動物のようだ。「何か、私は悪いことをしたのか?」と聞かざるを得ない。

フロリダ州選出共和党下院議員Gus M. Bilirakis (ガス M. ビリラキス)氏は、彼の名付け親は、キリスト教徒であったため、トルコを追い出された話をし、「宗教迫害問題は、個人的に私の心を動かす問題です。私の心にとても大切な問題あるがゆえ、いつもあなたがたと共にいることを、皆様に誓います。」と語った。
---------------------------------------
日本語訳終了

<ここからは、管理人(訳者)のコメントです。>

今回の記事で、始めて U.S. Commission on International Religious Freedom (USCIRF = 世界の宗教の自由に関するアメリカ委員会)という組織について知った。USCIRFは、主に北朝鮮、中国、ビルマ、エジプト等の国家的宗教弾圧を対象に調査し、大統領、国務長官、アメリカ議会に報告している。私も、さっそく、そのウェブサイトに入り、メールアドレスを登録して、情報を送ってもらうようにした。

記事中に出てくる基調演説をしたインジン・ムーン師は、統一教会の創設者文師の令嬢である。彼女は、毎週のように、ワシントンDCに向かい、アメリカの議員に、日本の拉致監禁問題を訴えているという。ワシントン・タイムズの記事の中には出てこなかったが、インジン・ムーン師は、日本の拉致監禁の事も、基調演説で訴えている。その内容は、アメリカ統一教会のウェブサイトにアップしてあったので、また時を見て、紹介出来るかもしれない。





以下は、広告付き、この記事原文です。コピーライトの関係上、8月21日頃まで、掲載されているはずです。

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2011年07月13日

ICSA国際会議:拉致監禁問題 攻めの被害者と守りの弁護士

最下段に追記:2011-07-23

2011年7月7〜9日、スペインのバルセロナに於いてICSA(国際カルト研究協会 = 反カルト協会)の国際会議が開催されました。スケジュール等の詳細は、前回の記事で書いた通りです。アメリカ統一教会本部ウェブサイトにその会議の模様がレポートされたので、紹介致します。


記事タイトル 原文:Abduction Victims Finally Given the Stage against Faithbreakers
記事タイトル 日本語:拉致監禁被害者、国際舞台で信仰破壊者に立ち向かう
出典URL:http://www.familyfed.org/news/index.php?id=272&page=1&apage=1
発表機関(英語):Unification Church
発表機関(日本語):統一教会(アメリカ)
記事の日付:2011年7月12日
日本語訳: Yoshi(このブログの管理人)、記事内リンクは訳者による
写真:この記事の出典元 + http://omoroiyan2.blogspot.com/

For the first time, Unificationists challenged faithbreakers and their allies at a major international conference of academics held by the International Cultic Studies Association (ICSA), considered by many an anti-cult group, in Barcelona, Spain on July 8, 2011. Although some Unificationists have attended the ICSA conference for many years, this year’s conference was the first to allow them to present their reports on faithbreaking, or so-called deprogramming. Two sessions, one by Unificationists and another by lawyers and activists opposed to the UC, were among several sessions of the ICSA conference that drew more than 300 attendees from around the world, including scholars and government officials.

初めてのことであるが、2011年7月8日、ICSA(国際カルト研究協会 - 多くの者には反カルト団体と見られている)の国際的学術会議にて、統一教会信者が信仰破壊者とその同調者に対し異議を唱えた。ある統一教会員は、これまで何年もの間、ICSA会議に参加してきたが、今年の会議では、いわゆるディプログラミングと言われる信仰破壊についてのプレゼンテーションが始めて許可された。多くの分科会の中の二つの分科会は、一つが統一教会員によるもの、もう一つが統一教会に反対している弁護士や活動家によるものだった。ICSA会議には、世界中から300名の参加者があり、学者や政府関係者も含まれていた。

icsa_conference_kito_masaki.jpg
プレゼンテーションを行っている紀藤弁護士
全国霊感商法対策弁護士会代表

Eileen Barker, the chairperson and founder of the Information Network Focus on Religious Movements, opened one session with an introduction to deprogramming issues. More than 4,300 Unification Church members have undergone abduction and forced confinement to break their faith, according to leaders of the Unification Church in Japan, yet none of their formal filings with Japanese police have resulted in criminal prosecutions. Representatives from an anti-UC organization, the National Network of Lawyers Against Spiritual Sales, Masaki Kito and Takashi Yamaguchi, along with two journalists from the Almost Daily Cult Newspaper, attended. Dan Fefferman, President of the International Coalition for Religious Freedom, offered a presentation that sought to clarify the testimonies of victims of deprogramming in Japan.

アイリーン・バーカー氏(「宗教運動における情報ネットワーク」の創設者であり委員長)が、ディプログラミング問題について、まず紹介を行った。これまで、4300名以上の統一教会員が信仰を破壊させる目的で拉致監禁の被害を受けてきたが、日本統一協会の指導者によれば、日本の警察に対しての申し立てに対し、ただ一つも刑事訴追されていない。反統一教会組織である、全国霊感商法対策弁護士会の代表である、紀藤正樹氏、山口貴史氏が、「やや日刊カルト新聞」の二人のジャーナリストと共に会議に参加した。ICRF(国際宗教自由連合)会長のダン・フェファーマン氏が、まずプレゼンテーションを行い、日本におけるディプログラミングの被害者の証言を明らかにしようとした。

Dan Fefferman 2.jpg
ダン・フェファーマン氏
http://www.religiousfreedom.com/index.php?option=com_content&view=article&id=46&Itemid=28

“The anti-Unification Church lawyers were very defensive, because in the past they always had the show to themselves,” Mr. Fefferman said of his experience at the conference, adding: “They were always unchallenged, but this time they had to stand up against our reports about human rights violation in Japan. The ICSA seemed shocked to hear our reports, and even though some of them were negative parents of deprogramming victims, they generally didn’t approve of the deprogramming techniques.”

フェファーマン氏は、「反統一教会の弁護士達は非常に防衛的でした。これまでは、いつも、彼らの独壇場でした。彼らは、反対意見を唱えられたことは決してありませんでした。しかし、今回は、日本の人権侵害の私たちの報告に対し、持ちこたえなければなりませんでした。国際カルト研究協会は、私たちの報告に衝撃を受けたようでした。そして、ある参加者は、子供をディプログラミングした(カルトに)否定的な両親でしたが、彼らは、そのディプログラミングのやり方には賛同していないようでした。」と、会議での体験を語ってくれた。

Toru Goto and Luke Higuchi, both victims of deprogramming, followed Mr. Fefferman’s presentation with their personal testimonies on the subject. Responding to claims by lawyers that victims of deprogramming voluntarily stayed in condos specially prepared to confine church members, Goto said, “I was detained on the 8th floor. The entrance door was closed with security chains, which were padlocked. [There was] a window lock system. With this special window lock system installed, the window cannot be opened from inside. I attempted to destroy this lock by kicking it again and again in vain.” Goto also emphasized that distressed relatives of church members often were manipulated by scare stories from the deprogrammers.

ディプログラミングの被害者である後藤徹氏と樋口ルーク氏は、フェファーマン氏のプレゼンテーションに続いて、個人的な体験を語ってくれた。ディプログラミングの被害者は自発的にマンションにとどまっていたという弁護士達の主張に答える形で、後藤氏は「私は、8階に監禁されました。表玄関には、チェーンが巻かれ、南京錠で鍵が付いていました。窓には、特殊な鍵が装着され、内側からは開けられない仕組みになっていました。私は、何度も何度も、その鍵を蹴りつけましたが、無駄でした。」さらに、後藤氏は、「心配した教会員の親族は、ディプログラマーから恐ろしい話を聞かされ、巧みに操られている。」と語った。

ICSA 2011 Goto .jpg
後藤徹氏(拉致監禁被害者)

“Although my family members carried out the actions of kidnapping and confinement, they were not the kind of individuals who normally would have dared to execute such malicious practices. Systematically kidnapping and confining someone were the last things they could ever devise,” Goto told the ICSA session.

「私の家族が、拉致監禁を実行しましたが、私の家族は、そのようなひどい事を普通するような人たちではありません。計画して拉致監禁するなどとは、彼らが考えつくような事ではありません。」と、後藤氏は、会議で述べた。

Just the presence of Unificationists at the conference challenged preconceived notions of the Unification Church, according to Luke Higuchi, president of Survivors Against Forced Exit (SAFE). “Because they [the organizers of ICSA] had never met us personally, they’ve created their own images of us and are used to thinking of us as nothing more than zombies. But I believe that having conversations with Unificationists face-to-face at this conference has made a huge impact for the better, and has caused them to change their understanding of our movement. They were impressed with us,” he told Familyfed.org.

SAFE(強制改宗に反対する被害者の会)代表のルーク樋口氏によれば、会議における統一教会員の存在は、統一教会に対する先入観が正された時でもあった。「彼ら(ICSAのオーガナイザー)はこれまで、私たちに個人的に会ったことがなかったので、私たちに対するイメージを作り上げ、私たちの事をゾンビー以外の何者でもないと思っていました。しかし、今回、彼らが、この会議で統一教会員と面と向かい合って話をしたことで、よい方向に大きなインパクトを与えることができ、私たちを正しく理解できるようになるものと信じています。彼らは、私たちに良い印象を持ちました。」と、樋口氏は語った。

ICSA 2011 Higuchi.jpg
ルーク樋口氏(拉致監禁被害者)


Shunsuke Uotani, a spokesman for the Unification Church in Japan, closed the session by presenting the particular cases of members who had been kidnapped and de-converted. Uotani reported that 80 percent of the individuals who have sued the Unification Church had previously suffered abduction and involuntary imprisonment. During a brief, follow-up Q&A, the anti-cult lawyers did not ask questions but spoke only to encourage the participants to attend their own session, which took place later that afternoon.

日本統一教会のスポークスマンである魚谷俊輔氏は、拉致監禁・強制改宗されたメンバーの特殊なケースについてのプレゼンテーションを行い、その分科会の最後を担当しました。魚谷氏は、統一教会に対して裁判を起こした80%の人々は、それ以前に、拉致監禁を味わった人々であるとレポートしました。質疑応答の時間では、反カルト弁護士達は質問はせず、午後に開かれる彼らの分科会に参加してくれるよう発言しただけでした。

ICSA 2011 Uotani.jpg
質問に答えている魚谷俊輔氏(左端)
右端はアイリーン・バーカー女史、中央は樋口氏


Higuchi observed that Mr. Fefferman’s lecture was better attended, and that “there was not much interest” in the following presentation by deprogramming lawyers Masaki Kito and Takashi Yamaguchi, the lawyer who is opposing Mr. Goto in his civil case against the professional deprogrammers. “Mr. Kito seemed embarrassed because he was pressed for time and could only share one-third of his presentation,” said Higuchi, “and during their following Q&A session, the lawyers declined from answering questions from Unification members due to pending litigation.”

樋口氏は、「フェファーマン氏の講義には多くの人が参加しました。しかし、それに続く、ディプログラミング派弁護士の紀藤正樹氏と、後藤氏の民事裁判で後藤氏に反対している山口貴史氏によるプレゼンテーションには、大して関心が集まりませんでした。紀藤弁護士は、時間に追われ、準備した3分の1しか語れず当惑したようでした。質疑応答では、弁護士達は、"係争中の訴訟"を理由に、統一教会メンバーの質問には答えませんでした。」

According to Fefferman, speaking on behalf of our members at this conference was “important step for us. We struck a good blow for human rights, but it’s not a total victory yet. There’s a lot of work to be done.”

フェファーマン氏が、会議に参加したメンバーを代表して、「私たちにとって、重要なステップです。人権のための大きな一撃となりましたが、まだ完全勝利ではありません。やるべきことが多く残っています。」と語った。

Contributed by Ariana Moon
寄稿 by アリアナ・ムーン
--------------------------
原文と、その日本語訳終了


紀藤弁護士は会議後、次のように、Twitterで、ささやいていらっしゃる。
@masaki_kito
弁護士 紀藤正樹 Masaki kito
会議でのスピーチは終了。が準備したものの3割しか発表できずストレスがたまった。多忙でもあり来年の参加はできればしないつもりなのでとても残念。でも出会いがあった。大切にしたい。それにしても日本からの参加が全員ボランティアであることがどうして統一教会側にはわからないんだろう?


多忙を理由に、「来年の会議はしないつもり」というのは、そのままでは受け取れない。以下は、私の勝手な想像である。

これまでは、全国霊感商法対策弁護士会にとっては、ICSA会議は、まるでホームグラウンド、敵のいない中、まるで反カルトの世界的寵児のようにもてはやされてきたけれども、そんな時代は終わってしまった。12年も監禁された人、精神病院に閉じこめられた人が、「私は、人権侵害を受けました。」と証言すれば、世界の普通の人々、カルト会議に参加している反カルトの人々も含めて、「それは、よくない。」と言うことになる。しかし、日本の弁護士達は、そう言えない。となれば、世界の人々は、「この弁護士達、裏で何か悪いことをしてるんじゃない?何か、隠してるんじゃない?」ということになり、とても、居心地の悪い所となる。そんなところに、わざわざ行きたくはないだろう。

さらに、反カルトでは、金儲けができなくなりつつあるし、華やかな舞台もなくなってきた。以前のように、ぼろ儲けができないし、注目も浴びれないのに、なぜ、お金を出して遠くまで・・・ということになる。今回の会議では、弁護士連絡会から3名、カルト新聞から2名。(私は、誰がお金を出したとかは興味はない。)飛行機代、ホテル代で、一人最低20万円かかったとして、合計100万円。100万出して、大勢で詰めかけて、プレゼンテーションした価値があったのか?拉致監禁された被害者(統一協会)側が注目を浴びただけではなかったのか?

このまま、拉致監禁に対して明確な態度を取らず、カルト会議に出続ければ、5年、10年もすれば、「人権抑圧弁護士」とか、「ディプログラミング弁護士」とか、世界から言われる可能性だってある。紀藤弁護士は、そこまで計算して、来年の会議にはでないと言っているのだろうか?

しかし、出会いがあったそうで、うらやましい限りであるが、怪しい出会いでないことを祈る。「赤い旅団」のテロ攻撃に遭われないように。でも、次の出会いを求めて、あとしばらくは参加されたらどうか?


それにしても、やや日刊カルト新聞は、2名も記者がバルセロナまで行っているのに、そして、30分のプレゼンの時間をもらっているのに、ホテルの部屋のサイズについてのレポートは見たが、会議の中身についてのレポートがない。多分、今、準備しているのだろう。上記翻訳記事は、アメリカの統一教会の発表であるので、立場の違うカルト新聞のレポートも是非読んでみたい。

つい、先ほど、カルト新聞に、「カルト新聞のICSA会議のレポートを読みたい」と、催促のコメントを書き込んだ。
http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8397707658989947714&postID=6099869872788922535


追記:2011-07-23夜
この本文の記事をポストして、そして、カルト新聞のコメント欄で、彼らの側からのレポートを催促して、すでに10日経過した。しかし、カルト新聞は、ICSA国際会議での模様をレポートする気配がまったくない。高いお金を払って、貴重な時間を使って、はるか地の果てバルセロナまで、大人の記者が二人も参加し、プレゼンテーションまでしているのにである。実に奇妙な事である。次のような仮説を立てざるを得ない。

「彼ら(カルト新聞記者達)は、反カルトの国際会議、いわば、ホームグラウンドに、乗り込みプレゼンまで行ったが、結果は惨憺たる状況だった。まるで、彼らのおかげで、拉致監禁被害者がより注目を浴びてしまうことになった。カルト新聞のプレゼンテーションは大失敗であった。参加しない方がよかった。」

カルト新聞がそうでないというなら、是非、反論でも何でも書いて欲しい。カルト新聞の読者も、読みたいのではないだろうか? 

カルト新聞を見ると、自分たちの不利になるような記事は書かない方針なのだろうか?それは、それで立派な戦略かもしれない。もしそうなら、ブログのタイトルから「新聞」とか「News」という言葉を削除すべき。もし、彼らが、書かないなら、私のほうから、そのうち爆弾を三つくらい落としてあげようと思う。


xxx
posted by 管理人:Yoshi at 20:04| Comment(6) | TrackBack(0) | 宗教/カルトに関する会議等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月02日

2011年7月8日反カルト国際会議にて、拉致監禁推進派・反対派が集結、プレゼンを行う

追加記事/情報 最下段 2011-07-08 朝 & 夜

来週のことであるが、スペインのバルセロナで、反カルト団体ICSA主催の国際会議が開かれ、日本の全国霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士等と、日本の拉致監禁の被害者等が集まり、双方、プレゼンテーションを行う。

ICSAとは:
International Cultic Studies Association(国際カルト研究協会)は、1979年に発足し、カルト研究を行う世界的ネットワーク機関である。一年に一度、国際会議を開いている。主に、反カルトの活動家・学者・元カルト信者等が参加している。日本からは、全国霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士等が、毎年のように参加している。2009年の会議から、拉致監禁の被害者も参加するようになった。

昨年2010年はアメリカ・ニュージャージー州フォートリーで開かれた。昨年の会議に関するフェファーマン氏のレポートを、先日紹介した。そのフェファーマン氏のレポートには、「魚谷氏、後藤氏、フェファーマン氏は、ICSA会長のマイケル・ランゴーン氏、Infocult/Infosect代表のマイケル・クロップベルド氏に会い、来年の会議で、日本のディプログラミングについての分科会を開くよう提案した。かれらは、私たちの準備した資料を受け取り、その 提案を考慮するよう同意してくれた。」とある。

今年(2011年)は、スペイン・バルセロナで、7月7日(木)〜9日(土)の3日間開催される。そして、今年のICSA会議では、Deprogramming in Japan (日本におけるディプログラミング)という分科会が設けられている。ICSAのウェブサイトによれば、拉致監禁に関する分科会は次の通り開催される。

http://icsahome.com/infoserv_respond/event_conferences_workshops.asp?ID=395#Barcelona
__________________________________________
2011年7月8日(金)
11:00 – 12:30 404号室

Deprogramming in Japan  
日本におけるディプログラミング


Introduction to the Deprogramming Issue  
ディプログラミング問題への序論

Eileen Barker Ph.D., Moderator        
アイリーン・バーカー博士 – 司会

‘Deprogramming’ in Japan: Fact or Fiction? 
日本のディプログラミング:真実か、でっち上げか?

Dan Fefferman, M. Div  
ダン・フェファーマン 神学修士

Victim Testimonies被害者の証言
Toru Goto 後藤徹
Luke Higuchi ルーク樋口

The Connection between ‘Lost Youth’ Compensation Cases and Forced Conversion in Japan
日本における「青春を返せ」損売賠償裁判と、強制改宗との関連

Shunsuke Uotani  魚谷俊介
-------------------------------------------

昨年、後藤氏、魚谷氏、フェファーマン氏が提案した通りの分科会が設けられている。1時間半にわたる分科会に、5名のスピーカーが登場し、拉致監禁(ディプログラミング)問題について、プレゼンテーション、証言等を行う。ICSAにとっては、統一教会といえば、彼らがカルトと扱うグループである。この半ば、敵対するグループの提案をほぼ受け入れ、1時間半の分科会を開くのである。

そこで、私は、ICSAのディプログラミングに対する見解を知りたくなり、ICSAのウェブサイトを調べてみた。ICSAのウェブサイトの中、FAQ(よくある質問)のページの、「どうやって、子供をカルトから救い出すか?」の項目の中の一つのページにディプログラミングについての記述があった。

ちょっと、長くなるが、その原文と日本語訳(管理人による)を紹介したい。(カラーは訳者による)

http://icsahome.com/infoserv_respond/faq_howgetkidout.asp?Subject=From+Deprogramming+to+Thought+Reform+Consultation#More

Deprogramming ディプログラミング

Parents were doing what they could to rescue their children from what were perceived as dangerous situations. Through trial and error, the controversial process of deprogramming developed. In the 1970s it became the preferred means of rescuing a cult member, as to many it was perceived as the only way a cult member could leave a cult. As we witness today, this is a misperception as thousands of cult members walk away from cults annually. In fact, in very unofficial polls taken at conferences and AFF recovery workshops, the majority of people attending are walkaways. But at the time, families based their decisions on the prevailing information. And a good part of that decision was based on the fact that in some groups, members were zealously protected from parents, often having their names changed and moved from location to location.

両親は、危険な状況と認められたグループから子供達を救出するため、可能なすべてを行っていた。試行錯誤の中、問題多きディプログラミングの一連の作業が確立していった。ディプログラミングは、1970年代には、カルトメンバー救出の推奨された手段となり、多くの人に、カルトメンバーがカルトを離脱することのできる唯一の手段と思われるようになった。これは、間違った見識である。と、いうのは、今日、私たちが目の当たりにすることは、何千人というカルトメンバーが、自発的に毎年カルトから去っているということだ。実際、会議での非公式の調査や、AFFリカバリー(カルトからの回復)セミナーでの調査では、参加した人々の過半数は、自発的にカルトを去った人々である。しかし、当時は、家族は、広まっている情報に基づいて行動したということだ。その決断の良かった部分は、あるグループでは、メンバーは熱心に親から守るため名前を変えたり、頻繁な移動を行っていたという事実に基づいていたという事だった。

We must add here that not all deprogrammings were "rescue and hold" situations. There were some where the group member was free to leave at any time and there were some where ex-members sought voluntary deprogramming.

私たちは、ここですべてのディプログラミングが、救出と監禁というものではなかったということを付け加えておきたい。ある場所では、メンバーは自由に去ることが出来たし、また元メンバーが自発的にディプログラミングを求めたこともあった。

But for our purpose today, and in our thinking, we will use the term deprogramming to mean an involuntary situation, exit counseling to mean a voluntary situation, and thought reform consultation to mean an entirely different approach and we will seek to explain the differences and the history.

しかし、今日の私たちの目的のため、そして私たちの考えの中では、ディプログラミングという言葉を本人の望んでいない状況という意味で使い、Exit counseling (退会カウンセリング)は、本人の望んだ状況を意味し、thought reform consultation (思想改造コンサルテーション)は、まったく違ったアプローチを意味し、その違いや歴史を、これからも説明をしていきたいと思う。

Deprogramming was controversial because it involved forcing a group member to listen to people relate information not available in the cults. Some state legislatures passed conservatorship legislation to legalize the process, one of which was vetoed by the governor. Later the opposition to deprogramming and the recognition of the effectiveness of less restrictive alternatives grew.

ディプログラミングは問題があった。なぜなら、グループのメンバーに、そのカルトでは入手できない情報を無理やり聞かせようとしたことを伴ったからである。ある州では、「後見管理」法*を立法化しようとしたが、知事の拒否権により否決された。後に、ディプログラミングへの反対と、他のより規制の少ない有効な替わりの手段が現れてきた。

(訳者注:conservatorship legislation – もっとまともな日本語訳があるとは思うが、調べる時間がない。問題あるカルトに入信した人物を、法律に基づき、カルトから救出し、隔離することを許す法律で、ディプログラミングを合法化しようした法律。いくつかの州で、議会は通ったが、知事が拒否権を使った。ニューヨーク州もその一つである。)

In deprogramming, group members were sometimes abducted from the street; although more commonly they were simply prevented from leaving their homes or a vacation cabin or motel. Deprogramming often succeeded in extricating the family member from the cult; nevertheless it failed more often than many realized and sometimes lawsuits were filed against parents and deprogrammers. In a few cases arrests and prosecution resulted.

より一般的には、彼ら(カルトメンバー)は、ただ単に、家や、別荘、モーテルから出られないようにされていただけだが、ディプログラミングでは、時として、メンバーは路上で誘拐された。ディプログラミングは、家族のメンバーを救出するのに成功した。にも関わらず、多くが思っていた以上に失敗し、時に、両親やディプログラマーは、裁判に訴えられた。いくつかのケースでは、逮捕され、有罪判決が下りた。

The actual process of a deprogramming, as we see it, differs a great deal from voluntary exit counseling. Some of the ideas about cults and brainwashing prevalent at the time contributed to that process. It was believed that the hold of the brainwashing over the cognitive processes of a cult member needed to be broken -- or "snapped" as some termed it -- by means that would shock or frighten the cultist into thinking again. For that reason in some cases cult leader's pictures were burned or there were highly confrontational interactions between deprogrammers and cultist. What was often sought was an emotional response to the information, the shock, the fear, and the confrontation. There are horror stories -- promoted most vehemently by the cults themselves -- about restraint, beatings, and even rape. And we have to admit that we have met former members who have related to us their deprogramming experience -- several of handcuffs, weapons wielded and sexual abuse. But thankfully, these are in the minority -- and in our minds, never justified. Nevertheless, deprogramming helped to free many individuals held captive to destructive cults at a time when other alternatives did not seem viable.

実際のディプログラミングの一連の行為は、自発的な「退会カウンセリング」とは、大いに異なっている。その当時広く行き渡っていたカルトと洗脳理論の考えの一部が、そのディプログラミングの一連の行為に寄与した。カルトメンバーに衝撃、動揺、恐怖を与え、再び思考させる方法により、彼らの認知過程においての洗脳の影響力が壊されなければならない、別の言い方をすれば、ある人たちが使った言葉だが、「ポキッと折れ」なければならいと、信じられていた。そのような理由で、あるケースでは、カルトリーダーの写真が燃やされたり、またカルトメンバーとディプログラマーとの間で、激しい対立的な交流もあった。たいていの場合、模索されたのは、情報、衝撃、恐怖、対立に対する情緒的な反応だった。束縛、殴打、レイプに関して - 多くはカルトメンバーにより熱烈に宣伝されているものだが – 恐るべき話もある。私たちは、元カルトメンバーと面会した事を認めざるを得ない。彼ら(元カルトメンバー)は、ディプログラミングでの体験 - 手錠の使用、武器の行使、性的暴行 - を私たちに語ってくれた。しかし、これらの事例が少数であることには感謝するが、私たちの考えの中では決して正当化できない事例である。しかしながら、ディプログラミングは、他の替わるべき実行可能な方法がなかった当時、破壊的カルトに囚われた多くの個人の救出に寄与した。
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(ICSAのディプログラミングに関する見解の紹介おわり)


反カルト団体の、ディプログラミングに対するコメントだけに、被害者の目からみたら、少々生ぬるい表現もあるが、それでも、ICSAは、「本人の望んでいない強制力を伴ったディプログラミングは、問題のある方法であり、決して正当化できないものである。」と言っている。

さて、この見解から見たら、後藤徹氏の12年5ヶ月の拉致監禁は、許されざる、決して正当化できない行為である。ICSA会議で、後藤氏と共に証言するルーク樋口氏にしても、まったく正常な人間を精神病院に入れ薬漬けにしようとしている。どちらのケースにしても、ICSAの観点からみて、正当化できないケースである。

ルーク樋口氏の体験談
http://ratikan2010.blog134.fc2.com/blog-entry-90.html


今回のICSA会議Deprogramming in Japan分科会では、アイリーン・バーカー博士のスピーチの後、フェフェーマン氏が、トップバッターで、「真実か、フィクション(でっち上げ)か?」というテーマで、プレゼンテーションを行う。このテーマは、日本の拉致監禁派(この会議に出席)の「拉致監禁はなかった。後藤氏の引きこもりだった。」とするディプログラマー側への先制攻撃かもしれない。それに対して、今回参加する、紀藤弁護士、山口弁護士は、真実か、嘘かと聞かれているのだから、「それは、作り話である。」と言うことを、正々堂々と、反論して頂きたいと思う。ジャッジするのは、反カルトのICSA会議に参加している人々である。


さて、ICSA会議に参加する拉致監禁推進・容認派の人々も紹介したい。
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2011年7月8日(金)
11:00 – 12:30 403号室  「PhD(博士)」グループのプレゼンテーション


Towards a Critical Psychology of Cults and Sects – Empowerment and Recovery through Action Research
Rod Dubrow-Marshall, PhD

Dissociation and Depression in Treatment-Seeking Former Members of Contemplative Cults
Donna Adams-Weiss, Ph.D., LPC

An examination of the validity of Group Health Scale by administrating to former members of Japanese cultic groups
日本の元メンバーへ施行する集団健康尺度の有効性についての調査

(訳者注:このテーマの日本語訳は自信がありません。)
Kimiaki Nishida, Ph.D.; Fuzuki Kuroda, Ph.D.
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この分科会は、PhD(博士)達の発表の分科会のようである。Nishida博士、Kuroda博士は、3番目に登場する(持ち時間30分)が、題名からだけでは、発表の内容がよく分らない。尚、同じ時間に、隣の部屋(404号室)では、Deprogramming in Japan の分科会が行われていて、最後の魚谷氏がプレゼンを行う時間とぶつかると思う。


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2011年7月8日(金)
2:30 – 4:00 404号室 「弁護士」グループのプレゼンテーション

How Japanese Government, Lawyers, Citizens and Victims Confront Controversial Groups, Especially the Unification Church
日本政府、弁護士、市民、被害者が問題のあるグループ、特に統一教会といかに取り組むか

Masaki Kito, Esq., Takashi Yamaguch, Esq., Yukari Yamamoto, Eito Suzuki
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この分科会には、いつもおなじみの二人の弁護士(紀藤正樹弁護士と、山口貴史弁護士)に、山本ゆかり氏(Sハッサン著 マインドコントールからの救出 愛する人を取り戻すために 共訳者)、そして、日刊カルト新聞の記者であり、反カルト活動家の「鈴木」エイト氏( = 田中清史氏 )だ。4名全員が語るのかどうかは、プログラムからだけでは分らない。

紀藤氏は、最近のtwitterでこのような発言がある。
> @masaki_kito 弁護士 紀藤正樹 Masaki kito
> あなた自身が統一教会の論理に毒されています。そもそも実態が
> ないのに国際問題になりようがありません。デマの類です。
> @20110327tokyo 国際的な人権問題の一つになりつつある今、
> 一度公聴会の場に反対派も賛成派も顔を出して議論すべき
> ではないでしょうか


さらに紀藤氏の発言としては、米本和広著「我らの不快な隣人」の374ページには、ディプログラミングにより統一教会を脱会した女性との興味深いやりとりが載っている。

山口貴史弁護士は、昨年のイタリア・トリノでのCESNURでの国際会議で、突然に大声を張り上げ、参加者に衝撃を与えた方である。衝撃を与えるにはいい方法だったかもしれないが、ひんしゅくをかってしまい、後藤氏側に打撃を与えるつもりが、逆に、後藤氏側に注目を浴びさせる事になってしまった。

同じ日の午前中の部では、同じ部屋(404号室)で、「Deprogramming in Japan」のプレゼンが行われる。その午前中の分科会では「拉致監禁は、真実か嘘か?」とのテーマでフェファーマン氏が語るのだから、その反論を、正々堂々と訴えて欲しい。昨年の会議では、ほとんどの時間を霊感商法に費やしたらしいが、(それもいいけれども、時間の少しは)ICSAも他の国の参加者も興味を持っている拉致監禁について、一歩も二歩も三歩も踏み込んで発言して欲しい。拉致監禁に対して、沈黙することはないと思うが、弁護士の沈黙は彼らの敗北を意味する。

鈴木エイト氏は、お名前をいくつも使い分けれておられるようだ。昨年の会議では、フェファーマン氏に「もし、あなたが、高い道徳的立場を主張したいなら、拉致監禁に対して、強烈に反対しなければならない。」とのコメントを受けたはずなので、今年はエイト氏の反撃を聞きたいと思う。

いずれにしても、国際会議の場で、逃げたり隠れたりはできない。質問を受けたら、正々堂々と、日頃思っていることを、思いきって反論して欲しい。先ほどの京都での、日本脱カルト協会の公開講座での質疑応答は、あらかじめ文書で質問事項を書き、選ばれた人しか質問できなかったようだが、国際会議では、そんな、不自由な拘束はないはずである。


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2011年7月8日
4:30 – 6:00  404号室 「日刊カルト新聞」グループ他

Twenty-Eight Years Experience Dealing with Sectarian Problems in Europe
Friedrich Griess

The Unique Attempt of the Online Specialty Journal “Yaya Nikkan Cult Shinbun” (Almost Daily Cult Newspaper)
オンライン専門ジャーナル「やや日刊カルト新聞」のユニークな試み

Yoshiro Fujikura and Eito Suzuki

The Alpha Course and the New Apostolic Reformation with New Age Controversies and Cultic Concerns
David Clark
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この分科会では3組がプレゼンを行う。2番目に出てくるのが、やや日刊カルト新聞の主筆藤倉善郎氏と、記者の鈴木エイト氏である。持ち時間は、30分のはずである。鈴木エイト氏は、大活躍で、この日、2回目の登壇となる。

日刊カルト新聞は、2011年3月26日付けの「統一協会“反拉致監禁キャンペーン”後藤事件で第1回弁論」という記事の中で、「我らの不快な隣人」の著者である米本和広氏を、「米国務省からも『統一教会から独立した情報源』とは認められなかった人物である。」と記した。それに対し、私(Yoshi)が、「意図ある意訳は誤訳である」とのレポートを書いたが、カルト新聞主筆は、まともな反論ができず、私と、そのレポートに対し汚物攻撃をしてきた。

会議まで、もう1週間もない。双方、いろんな作戦を練りながら、準備していることだと思う。国際会議は、同じ土俵で拉致監禁推進派と拉致監禁反対派が対決することの出来る、数少ない場所の一つである。逃げたり、隠れたりすることのできない所である。反カルト主催の会議とはいえ、ICSAは、ディプログラミングには反対なので、拉致監禁に関しては、ほぼ中立の場所と言っていいかもしれない。

カルト新聞から二人も行くのだから、どんなやりとりがあったか、報道して欲しい。私も、会議の様子が入ってきたら、記事にする予定であるが、一般の読者にとっては、情報源は、一つよりも多い方がいいはずである。賢明な読者は、どの報道が正しいか、判断すれば良いだけのことである。


追加記事/情報
2011-07-08朝:
ICSA国際会議関連情報を英語ブログにアップ。内容は、この日本語記事の縮小版。

2011-07-08夜:
本記事内でも取り上げている「やや日刊カルト新聞」ですが、そのコメント欄に下記の投稿を行いましたが、アップされないようです。時間をあけて2回トライしましたが、無理のようでした。もしかしたら、あとで、アップされるのかもしれませんが、記録を残すため、ここに追加させて頂きます。

<私の、カルト新聞への2回目の投稿 2011-07-08>
一度、投稿したはずだったのですが、あとで見たら、アップされていないことが分りました。もし、二重投稿になっていたらごめんなさい。

ICSA国際会議のレポート楽しみにしています。

この前の京都での、日本脱カルト協会の公開講座の記事のようなビルの外での出来事もあってもいいですが、会議の中でどんなやりとりがあったか、レポートして下されば嬉しく思います。

カルト新聞の記者でもあるぶるうの氏は、ご自身のブログの中で、京都での出来事について次の通り触れておられます。
http://sayonara1929.txt-nifty.com/blog/2011/07/post-69d1.html
先日あるところでカルト問題についての公開講座をしたのですが、統一協会の人たちが「信教の自由」を求めて炎天下に横断幕をもってシュプレヒコール とチラシまきを行い、講座の会場にも何十人と入り込み、抗議文を講演した人一人ひとりに渡していました。私も受け取りましたが、実に堂々としたものでした。

受付にも全員名前を書いて「統一協会」「CARP」と隠さず書いていました。私は統一協会という団体を支持するつもりもやっていることを認めるつも りも全くありませんが、何か今回の彼らの態度には少しだけ感心しました。議論を挑んでも最後の最後まであきらめずに食い下がってきます。私がかつて親鸞会 批判者に対してやっていたように。


この記事は、ぶるうの氏が、引きこもる親鸞会との対比で書かれたものと思います。短い文章の中に、公開講座の中の様子がぶるうの氏の言葉で描写されています。

カルト新聞のお二人には、是非、(お二人にはそれぞれのやり方があるかと思いますが)その国際会議の中でのやりとりが様子がわかるレポートを書いて下されば嬉しく思います。ご健闘お祈り致します。

しかし、その後、2つのコメントが同時にアップされたため、2回目の投稿は、日刊カルトのコメント欄より削除しました。


xxx
posted by 管理人:Yoshi at 23:51| Comment(2) | TrackBack(0) | 宗教/カルトに関する会議等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする