その「週刊実話」2015年2月26日号(2月12日発売)が、後藤徹氏へのインタビュー記事を4ページにわたって掲載した。本ブログの3月20日の記事、「週刊実話」後藤徹氏 直撃インタビュー(1):激やせ写真の一般的素朴な疑問 に続いて、今回はその後半を紹介したい。
その週刊実話の記事の後半、『やや日刊カルト新聞』を主宰するフリーライターの藤倉善郎氏が登場し、以下の通り、コメントが語られている。
<週刊実話より引用>
拉致・監禁について統一教会を鋭く批判している『やや日刊カルト新聞』を主宰するフリーライターの藤倉善郎氏はこう言う。
脱会を阻止するため信者の居場所を教えず、偽名まで使う統一教会が相手ですから、親が子どもをまもるための緊急避難策として 『拉致・監禁』 が一つの手段となることは仕方がない。ただ、説得に失敗した場合、家族関係は完全に修復不可能になりかねません。家族同士で争っている今回の裁判もその一例でしょう。一般論として、カウンセラーや牧師が、その責任をどこまで自覚しているのか疑問に思えるケースもあります。一方で、いまだに統一教会は信教の自由を叫びながら正体を隠して伝道している。
その点をもっとマスコミは指摘するべきです。また、今回の裁判でも統一教会再度は声高に人権を主張していますが、人権を侵害、蹂躙しているのは、信者を借金漬けにしたり違法行為に従事させるなどし、生活や家族関係を破綻させている統一教会の方ですよ
週刊実話には、藤倉氏のコメントに対するコメントはない。なので、私が以下の通り、コメントしておきたいと思う。
1. 拉致監禁を正当化する藤倉氏
まず、藤倉氏は、いくつかの理由を述べて 「緊急避難策として『拉致・監禁』が一つの手段となることは仕方がない」 と、拉致監禁を正当化している。しかし、後藤裁判では、被告も、被告の弁護士等も、「拉致監禁の正当性」など主張していない。何しろ、被告等は、監禁虚構説をとり、「拉致監禁などなかった」と主張したのだから。その点からみたら、藤倉氏の主張は斬新に見えるかもしれないが・・・
2. 時代遅れ「緊急避難策」のとりこ 藤倉氏
藤倉氏は、「緊急避難策」に傾倒しておられるようだ。しかし、「緊急避難」は、"過去" の正当化理論だということで、現在では、すくなくとも藤倉善郎さん以外は、誰も使っていない。もし、今どき、「拉致監禁も緊急避難の場合は、やむ得ないと思う。」とか発言する人間がいたとしたら、その時点で、個人の自由・人権を蹂躙していることを認めたことになり、どういう場合が緊急避難なのか、きっちり説明しないといけないし、賢い人なら、決して使わない言葉である。
当ブログ、以下の記事で、「緊急避難」について、触れているので、ご参考に。
★悪の選択理論 – 犯罪者が自らを守ろうとする防衛理論 (2011年4月6日付)
http://humanrightslink.seesaa.net/article/194602114.html
★崩れゆく 勝利の方程式 「監禁虚構説」(2014年5月25日付)
http://humanrightslink.seesaa.net/article/390188520.html
3. 説得に成功しても家族関係は破壊される
藤倉氏は、「説得に失敗した場合、家族関係は完全に修復不可能になりかねません」 と、発言しているが、説得に成功しようが、失敗しようが、本人に対する精神的打撃はとてつもなく大きく、親子関係は、いずれの結果にしても、大きなダメージを受ける。
関連情報は以下の通り。
★夜 桜 餡
http://www5.plala.or.jp/hamahn-k/index.html
★宿谷麻子さんの一周忌に
http://humanrightslink.seesaa.net/article/377500775.html#more
4. 当ブログ、藤倉善郎氏についての関連記事
「やや日刊カルト新聞」 藤倉善郎氏については、当ブログでも、何回か扱ってきた。
★意図ある意訳は誤訳である:「やや日刊カルト新聞」を評す(2011年5月16日付)
http://humanrightslink.seesaa.net/article/201554068.html
★心の腐った 「やや日刊カルト新聞」 主筆 (2012年6月6日付)
http://humanrightslink.seesaa.net/article/273546778.html
★「所詮、カルトはカルト」- やや日刊カルト新聞の危険な思想 (2012年6月14日付)
http://humanrightslink.seesaa.net/article/275057038.html
週刊実話の記事の、「緊急避難」 発言で、ひとつの記事になってしまった。週刊実話には、弁護士の先生方も登場しているので、これは次回に。
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後藤裁判の被告等も使わない理論を使って
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統一教会員に行なわれている監禁は法律的にも過去の裁判からも認められていませんから。
刑法37条で、緊急避難が認められるのは「自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する「現在の危難」を避けるため、やむを得ずにした行為−と限定されているからです。
今からもう30年以上も前に、京大の原研生が監禁された裁判で、札幌の郷路弁護士が「緊急避難」の法理をもとに、監禁の違法性を阻却する訴えを行いました。しかしながら、原研生は他人に対して危難を加えておらず、札幌地裁では相手にされなかった。
そのため、郷路弁護士が監禁の正当性を「緊急避難」の法理に求めたことは失敗だったと、彼のサイトで反省の弁を述べています。
藤倉氏は勉強不足もいいとこです。
そのあと、統一教会員ではないのですが、エホバの証人に対する監禁の正当性を「自力救済論」に求めました。しかし、裁判所は相手にしなかった。あたりまえです。監禁しなければ脱会は100%不可能ということは立証できないし、実際、自主脱会、自主的に退会している例は枚挙に厭わないのですから。
そのあと登場したのが、監禁を認めてしまうと敗訴してしまうので、Yoshi Fujiwaraさんが指摘された通り、監禁虚構説を主張するようになります。「監禁虚構説」とは弁護士が法廷で嘘をつくことと同義です。
これも後藤裁判では相手にされませんでした。
藤倉氏は記者ですが、あまりにも勉強不足、事実に対して謙虚ではありません。こんなレベルだと記者として通用しません。
「刑法における緊急避難」「京大生の監禁事件」「郷路弁護士の主張と札幌地裁の棄却」「エホバの証人の例」等々、貴重なコメントありがとうございます。
"まるで亡霊を見たような・・・" 実に、ぴったしの言葉です。