2014年08月18日

全国弁連声明文への批判(3)- 世界的に客観性のある 「国境なき人権」 レポート

全国弁連声明への批判の第三弾

「国境なき人権のレポートは、統一協会の一方的主張に基づいて作成されたもので、客観性はない。」とする全国弁連の主張に対する批判:

2014年7月、国連・自由規約人権委員会において、日本についての審査が行われ、7月24日に、最終報告書が発表され、22項目の日本政府への勧告の中に、「拉致・強制改宗」 の項目が含められた。当然のことながら、もし、最終報告に、「拉致・強制改宗」 の件が、盛り込まれなければ、全国弁連は声明など出す必要はなかった。

日本政府への勧告に、「拉致・強制改宗」 の件が含まれたのは、「国境なき人権」 の活動が大きく貢献している。このことは、全国弁連もよく分かっている。全国弁連にとっては、「国境なき人権」 のレポートの正しさが、日本で受け入れられ始めると、自らの悪事を暴かれ、全国弁連の存在自体が危うくなっていく。自分達が、知っていながら隠していること、積極的に黙認していることを、国際的に通用する報告書として発表されてしまったのだから。

全国弁連は、「国境なき人権」 のレポートに対し、声明の中で、「統一協会の一方的主張に基づいて作成されたもの。客観性のないレポート」と強調している。

きょうの記事は、上記の全国弁連の、1行にも満たないコメントに対する批判であるが、膨大な量になってしまい、読者の皆様には、時間をとらせることになってしまった。きょうの記事では、「国境なき人権のレポートは、国連の人権専門家をも納得させることのできるほどの客観性を持ったレポートである」 ということを示し、全国弁連の声明文への批判としたい。

国境なき人権の業績は、拉致・強制改宗問題に対して、第三者の立場で、国際的に通用する客観的なレポートを作成したことだ。これまでの 「国境なき人権」 の活動内容、実績、その報告書の与えた影響、本人達の言葉、全国弁連の対応、拉致監禁問題関係者の言葉 などから、国境なき人権レポートの客観性について、考えてみたいと思う。


◆国境なき人権の拉致・強制改宗に関する活動と、国連での活動の様子
アーロン・ローズ博士は、「国境なき人権」 の職員ではないが、日本の拉致・強制改宗の人権問題を扱う国際的著名な人権活動家で、「国境なき人権」 とともに、現地調査を行い、各所で、日本の拉致・強制改宗問題を取り上げている。
2010年8月5日:
アーロン・ローズ博士等、東京外国人記者クラブで、拉致監禁に関する記者会見


2011年7月7〜9日:
ス国境なき人権、スペイン・バルセロナのICSA会議に、女性調査員 ビクトリア・パーカー氏を派遣

2011年7月〜9月:
国境なき人権調査団訪日し、現地調査


2011年12月31日:
国境なき人権、拉致監禁に関する報告書発表、日本語訳版は、2012年はじめ。


2012年以降:
米国務省宗教自由報告書に、「拉致監禁は独自には確認できなかった」の記述消失


2012年7月5〜7日:
カナダ・モントリオールでのICSA(反カルト)国際会議に、フォートレ代表参加

2012年8月1日:
アーロン・ローズ博士、(米)連邦議会で講演 「同盟国での宗教迫害に対するアメリカの対応」

2012年10月31日
国連人権審査 UPR 開催中に、サイドイベントを開催

参加者:アーロン・ローズ博士、ウィリー・フォートレ氏、パトリシア・デュバル女史、後藤徹氏他

2013年4月30日:
米政府諮問機関 「国際宗教自由アメリカ委員会」 、年次報告書に 拉致・強制改宗問題


2013年7月:
国境なき人権、国連自由権規約人権委員会に報告書提出

2013年11月:
国連・人権委員会が、日本政府に対し、拉致・強制改宗問題についてコメントを要求

2014年1月:
日本政府、「拉致・強制改宗問題は知らない」と返答

2014年2月:
国境なき人権代表、ウィリー・フォートレ氏訪日、石橋正人君の件で、千葉県警を訪ねる

2014年6月:
国境なき人権、人権委員会に対し、最新情報を提供

2014年7月24日:
国連・自由権規約人権委員会が、最終報告書を発表

(これは、「国境なき人権」 の活動とは、関係ないけれど・・・)
2014年8月1日:
全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連) 声明発表
アーロン・ローズ博士が拉致・強制改宗問題で表に出てくるのが、2010年。「国境なき人権」 は2011年からということになる。


◆「国境なき人権」 が、拉致・強制改宗に関わるきっかけ

宗教ジャーナリストの室生忠氏が、詳しく説明している。

国際 NGO 「国境なき人権」 レポートの衝撃(上)(財界にっぽん 2012年5月号)
http://www7.ocn.ne.jp/~murou/scope/scope1/kookyo-naki-jinken1.html
発端は、2010年7〜8月、アーロン・ローズ氏が、日本における人権侵害の疑惑を調査する 「ヨーロッパ指導者会議及び事実調査旅行」 (主催・ユニバーサル・ピース・フェデレーション=UPF) のメンバーとして来日、後藤徹氏ら拉致監禁被害者の証言を直接取材したことだった (本誌・2010年10月号参照)。

UPFは統一教会の関連団体だが、調査団メンバーである欧州11カ国の著名な人権活動家のほとんどは統一教会に対して是々非々の立場で、しかし共通認識としては、統一教会の社会問題と拉致監禁の問題は明確に区別されるべきであり、強制棄教は即座に根絶されるべきであるとする点で完全に一致していた。当時、筆者はローズ氏にインタビューしたが、まさにその通りだった。

「国境なき人権」 は1997年に、ローズ氏が事務総長をしていた国際ヘルシンキ人権連合(当時)に加盟していた。フォートレ代表とローズ氏の信頼関係は極めて厚く (ローズ氏が報告書の 「はじめに」 を執筆したことでも理解できる)、フォートレ代表が執筆した第2章の但し書きにもデーター提供者の一人として紹介されている。

そのローズ氏の名前に続いて記されている 「(2010年7月)」 の語句は、「ヨーロッパ指導者会議及び事実調査旅行」 における拉致監禁被害者の証言調査を意味しており、ローズ氏は被害者証言の真実性を確信。旧知のフォートレ代表と協議した結果、「国境なき人権」による本格的な調査活動が開始された、という経緯なのだ。

アーロン・ローズ博士自身も、報告書 「日本 - 棄教を目的とした拉致と拘束」 の 「はじめに」 の箇所で、次のように語っている。
http://www.hrwf.org/images/reports/2012/1231%20report%20final%20jap.pdf
拉致の実態を正確に記録する作業は、当該の宗教団体、とりわけ、拉致被害者の大半が属していた統一教会によってのみ進めらていた。しかし被害者たちは、彼ら自身が被った犯罪を立証する上で、十分に信頼できて権威のある情報源と見なされたことはなかった。

この問題を分析し、人権関連の文献として世に問うために、「国境なき人権」が選ばれたのは、他の独立系の人権団体よりも信教の自由に関する分野に強く、経験が豊かであり、客観的で科学的な仕事ができるとの公正な評価を得ていたからである。

また、ローズ博士は、アメリカ議会での講演で次のように語っている。
http://humanrightslink.seesaa.net/article/286224977.html
私は、独立したNGOである 「国境なき人権」 と共に、この問題の調査をする機会があり、そして、これらの虐待を受けた被害者と面会する場をもちました。私は、20年にわたり人権活動をしてきましたが、目撃すべきことは、すべて見てきました。

ひどい状況です 。これは、あまりにも悲劇的な状況であり、私たちは、それに対して、何かをしなければなりません。これらの虐待を受けた犠牲者は、自ら、声を上げなければならないことはないはずです。犠牲者は、市民社会* や国際組織の援助を受けるべきです。なぜなら、彼ら自信が語れば、たとえ、真実を語ったとしても、誰も信じないでしょう。

それが、独立した組織の目的であり、彼ら (独立した組織) は、この問題において、個人的な利害関係はありません。市民社会* が政治的には距離を置き、人権問題に対し、科学的、客観的方法で取り組むことが重要なことです。


◆「国境なき人権」 の調査方法と、分析方法

これも、宗教ジャーナリスト室生忠氏の 財界にっぽん の記事より引用させて頂く。第一段落目は、後藤徹氏の 「国境なき人権」 フォートレ代表からの面接調査から受けた感想である。
http://www7.ocn.ne.jp/~murou/scope/scope1/kookyo-naki-jinken1.html
「挨拶までと取材が終わってからは、人当たりよくてニコニコとフレンドリーな雰囲気でしたが、いざ取材となると、何というか…淡々とというか、事務的というか、表情にも感情を一切表さない、非常に具体的な質問が約2時間続きました。フォートレ氏はあらかじめ、私の監禁体験についての資料を十分に読み込んでいて、全体を聞くというよりも資料に欠けている部分、疑問を感じる部分を集中的に確認しているという印象でした。柔らかく丁寧な話し方でしたが、曖昧さを許さない厳しさを強く感じました」(後藤氏)

「親子関係」 や 「自殺」 についての質問は、監禁が本人や家族に及ぼした精神的被害。「報酬」 の話は拉致監禁の営利性。「父親の葬儀」 「監視」 は本当に12年以上も逃げるチャンスがなかったか否か。「髪カット」 「食事の準備」 は虐待の有無。瑣末な質問ばかりのように見えて、フォートレ氏は後藤氏の反応や返答から、人物評価、証言の信憑性、証言から導きだされるテーマの分析などを素早く判断していたのである。まさにプロの調査員の手法で、これはフォートレ氏の調査に応じた全ての監禁被害者の面談に適用された。

Goto Fautre in tokyo 2011.gif
「国境なき人権」 の調査を受ける後藤徹氏。右は、「国境なき人権」 フォートレ代表
Photo from: http://www7.ocn.ne.jp/~murou/scope/scope1/kookyo-naki-jinken1.html


分析方法についても、室生忠氏の記事より引用させて頂く。
http://www7.ocn.ne.jp/~murou/scope/scope1/kookyo-naki-jinken2.html
日本の「棄教を目的とした拉致と拘束」 の実在を認定したのは、レポートの本論ともいえる第2章 「現地調査の報告」 であり、フォートレ代表が自らの面接調査をはじめ、アーロン・ローズ氏、ビクトリア・パーカー氏、人権調査員のハンス・ノート氏らの調査データーを総合して、拉致監禁の実態解明と分析を行っている。

フォートレ氏の分析は、膨大な被害証言から抽出した要素を組み合わせて、日本の強制棄教に含まれる問題点を捕捉することに務めている。言葉を替えれば、被害証言の共通項を抽出分析する作業である。

例えば、「拉致・拘束と監視下での棄教説得」 の節は、次のような詳細な項目によって余すところなく論述されている。フォートレ氏はまず、信者の親を不安の極致に陥れる 〃カルト勉強会〃 に着目して、「(1) 親のごく当たり前の心配が、拉致実行を決意させるまで」 と題して、「第三者によって(拉致監禁の)心理的な準備がなされ」 る様子を被害証言の分析によって描写する。準備の次は拉致計画だ。フォートレ氏は「(2) 拉致の計画」 で、実行者たちは 「刑法で3カ月から7年の懲役刑に相当する犯罪であることを認識しなければならない」 と明確に指摘する。

準備、計画が整うと遂に不法な拉致が実行されて、被害信者は監禁下における容赦ない脱会説得、棄教強要にさらされる。スタンガン、鉄パイプなどで武装した親族らの一団によって、身体ごと持ち上げられて統一教会鳥取教会から拉致された富澤裕子さんの証言を中心にした 「(3) 拉致の実行」。民事裁判における統一教会側弁護士と牧師たちの尋問内容を主たる原資料にした 「(4) 隔離されている時の状態」。「(被害者の) 居場所を突き止めるのは、不可能でなかったとしても非常に困難である」 とした「(5) 行方不明」の分析と続くのである。
共通項を探すというのは、重要な作業だと思う。共通項が、ほとんどなければ、突発的に起きた事件ということになるだろうが、共通項があれば、背後には、組織的なつながりがあると言える。


◆国際人権団体としての 「国境なき人権」

「国境なき人権」 は、人権問題の中でも、宗教の自由問題を専門としている。今年になってからの、報告書をみても、次のようなものがある。(日本に関するレポートだけリンクを付けた)

- 24カ国における、宗教の自由と、冒とく罪による投獄者リスト
- 北朝鮮による日本人拉致事件
- ヒンズー教過激運動と、少数宗教者への影響
- 宗教、LGBT と人権 (L=Lesbian 女性同性愛者, G=Gay 男性同性愛者, B=Bisexual 両性愛者, T=Transexual 性転換者 )
- 25カ国における、宗教・信条の自由関連の投獄者リスト(2013年)
- 2013年度版、宗教自由の世界レポート

報告書以外にも、毎週のように、ニュースレターを発信している。最近では、中国、シリア、イラク、イラン問題などを扱っている。ウィキペディアで、人権団体リスト を見ると、国際的団体として100個ほど上がっているが、「国境なき人権 (Human Rights Without Frontier International)」 も含まれている。

全国弁連と非常に近い関係のエイト君も、「国境なき人権」 に対しては、ある一定の評価を行っている。

米統一協会の“重鎮”、ICSAカンファレンスで本紙記者に“敵対的協力”を要請 (日刊カルト新聞)
http://dailycult.blogspot.com.au/2012/07/icsa.html
件の“報告書”について、山口貴士弁護士に 「偏っていない情報によってリサーチした」 と話したフォートレ氏だが、どう見ても “情報が偏っている” 報告書が 『Japan Abduction and Deprivation of Freedom for the Purpose of Religious De-conversion』 である。

今までに様々な国に於ける人権侵害のレポートを出し、一定の評価を受けている Human Rights without Frontiers だが、こと日本については、取り上げるべき問題を誤ったようである。

レポートを評価しているのは、そのお膳立てをしたと思われる統一協会に関係する者のみであるという現実がそれを物語っている。

エイト君のコメントに対し、私の反論を簡単に書いておく。国境なき人権は、常に同じ視点で、人権問題を捉えている。だからこそ、エイト君が言うように、一定の評価を受けているのである。

読む人々によって、特に、拉致監禁に直接・間接に関係している人々 (拉致監禁に誘う手紙を配達したりとか、拉致監禁は存在しないとか発言する人々) には、「偏っている」 と、感じるのだろう。偏っていない視点で読むべきである。

国境なき人権は、人権団体の中で、日本の拉致・強制改宗問題に対して、本格的な調査を行った組織で、人権団体として誰も触れようとしなかった問題の調査をするという、正しい選択をした。その報告書は、アメリカ国務省、アメリカ政府の諮問委員会など、多大な影響を与えている。


◆調査の結果:

国境なき人権レポート(2011年12月31日)の冒頭 (論点の整理の冒頭)
http://www.hrwf.org/images/reports/2012/1231%20report%20final%20jap.pdf
この報告書は、独立系の非政府機関である 「国境なき人権(HRWF)」 が、日本人を対象にした棄教目的の拉致・監禁の実態を記録したものである。また日本の警察と司法当局が、そのような形の家庭内暴力について、加害者の捜査も起訴もしていない状況も説明した。拉致行為の被害者が法の下の平等な保護を受けられず、加害者が法的責任を問われない実状は、日本国民が憲法で保障された権利の侵害であり、日本が国家として国際的義務として負っている人権規準への重大な侵害でもある。

アーロン・ローズ博士は、こう結論付けた。前述の、アメリカ議会での講演より
http://humanrightslink.seesaa.net/article/286224977.html
日本は、拉致され、自由を剥奪され、物理的に虐待を受けてきた弱小宗教団体の会員の人権を侵害しています。そして、これは、何十年にもわたって起きています。これまで、何千名という人が影響を受けていますが、主要な人権団体、国際機関、そしてもちろんの事、日本政府は無視してきました。

私は、独立した NGO である 「国境なき人権」 と共に、この問題の調査をする機会があり、そして、これらの虐待を受けた被害者と面会する場をもちました。私は、20年にわたり人権活動をしてきましたが、目撃すべきことは、すべて見てきました。ひどい状況です 。これは、あまりにも悲劇的な状況であり、私たちは、それに対して、何かをしなければなりません。


★「国境なき人権」 の報告書 「棄教を目的とした拉致と拘束」 の効果

では、報告書は、国際的にどんな効果をもたらしたのか?

1. (米)国務省宗教自由報告書
国務省は、「拉致監禁問題に対して、独自には確認できなかった」との、文言を入れていたが、国境なき人権の報告書の発表以後(2012年発表以降)は、その文言はなくなった。国境なき人権が、拉致監禁が存在し、著しい人権侵害であるというレポートの客観性を、アメリカ国務省が受け入れたということだ。
http://humanrightslink.seesaa.net/article/378522008.html

2. アメリカ政府諮問機関の宗教自由に関する報告書
(米)政府の諮問委員会の報告書 United States Commission on International Religious Freedom (USCIRF 国際宗教自由に関するアメリカ委員会) が、2013年4月30日に、その年次報告書で、拉致監禁、強制改宗問題を取り上げた。この報告書には、国境なき人権という言葉は入っていないが、「・・・この問題に付いて調査を行っている人権団体により確認されている」 との記述がある。
http://humanrightslink.seesaa.net/article/358169951.html

3. ジュネーブ国連本部・人権委員会
アーロン・ローズ博士や国境なき人権は、特に、ジュネーブ国連本部での活動を行い、自由権規約人権委員会に2013月7月に、33ページに及ぶレポートを提出し、2014年6月には、追加して、17ページに及ぶレポートを提出した。2014年7月の、日本に対する自由権規約審査の最終報告書に、拉致監禁、強制改宗問題が、日本政府に対する勧告に盛り込まれた。
http://humanrightslink.seesaa.net/article/402448735.html


★「国境なき人権」 からの連絡を無視した全国弁連

「国境なき人権」 報告書の、第四章: 結語と勧告 の脚注54に次のような記述がある。
http://www.hrwf.org/images/reports/2012/1231%20report%20final%20jap.pdf
54 「国境なき人権」 は反カルト運動の見方を知るため、英語の分かる責任者に連絡を取ろうとしたが、複数回の通知にもかかわらず回答を得られなかった

これに関し、宗教ジャーリストの室生忠氏は、前述 「財界にっぽん」 にて、次の事を暴露している。
http://www7.ocn.ne.jp/~murou/scope/scope1/kookyo-naki-jinken2.html
「国境なき人権」 は調査協力を依頼するために、何度も連絡を試みたが何の反応もなかった。無視されたというのである。国際的な人権NGOの調査協力の依頼連絡を無視した、「反カルト運動の英語の分かる責任者たち」(注・原文は「leaders of anti-cult movements」)とは誰なのか。筆者は、「ICSA2011」 でプレゼンを行った西田公昭・立正大学教授、紀藤正樹、山口貴士・両弁護士に以下のような内容の取材を試みた。

〈(貴殿は)2011年夏に日本国内で調査活動を行ったウィリー・フォートレ「国境なき人権」代表より、調査協力の依頼連絡を受けられましたか〉

〈もし調査協力の依頼を受けられていた場合は、「国境なき人権」に返事をされなかった理由をお聞かせください〉

西田氏からはメールで次のような回答があった。

〈たぶん、そういう取材依頼がありました。それで私も都合を調整し、いくつか提案したのですが、結局、双方のスケジュールが合わず、御対応できなかった、ということであったと記憶しています。ですので返信しなかったというのではないのです〉

一方、紀藤、山口両弁護士は、配達証明封書で取材拒否を通告してきたのみだった。


「国境なき人権」 の協力要請を完全に無視した一部 「反カルト運動の英語の分かる責任者たち」 の無礼で非常識な対応は、〃運動リーダー〃 としての人格品性を強く問われるだろう。それにしても、彼らはなぜ醜態をさらしてまで調査協力の依頼を無視したのか(醜態を晒すという自覚があればの話だが…)。品性の質の問題はさておくとして、先のウォッチャーの解説だ。

「いかにも姑息ですね。プロの国際的人権NGOの本格的調査にかかれば、日本で起きている拉致監禁の実在はたちまち認定されてしまう。虚構説派はそれが分かっているだけに、調査協力をしたくてもできなかったというのが本音でしょう。自ら協力して実在を認定されたら墓穴を掘って一巻の終わりだし、といって明確に拒否すれば納得できる理由を示さなければならな。『拉致監禁の実在を認定されるだろうから』 とは言えないし、『国境なき人権』の権威に 『信用できない調査だから』 とも言えない。残る選択肢は 〃無視〃 しかなかったということでしょう。

しかし、強制棄教の実在を認定されてしまった以上、虚構説派は国際世論を敵に回してでも 『国境なき人権』 と戦わざるを得なくなりましたね。しかも協力依頼を無視して自らの主張を反映させる努力を放棄したからには、『人権』 の調査や分析報告が統一教会寄りだと難癖をつけることもできない。完全に追い詰められました」

虚構説派は、自分たちが協力しなければ、「国境なき人権」 の調査に瑕疵 (注 by Yoshi: かし = 欠点、欠陥) が生じたり、認定結果が変わるとでも期待したのだろうか。それはナンセンスである。「国境なき人権」 はたとえ虚構派の協力が得られくても、自ら培ってきた人権調査における世界的権威のプライドに賭けて、国連人権理事会にも提出できる正確な結論に達したろう。


★結論:レポートは、客観性あり

2011年7月、全国弁連の弁護士は、「国境なき人権」 からの連絡を無視した。全国弁連が、公式に、「国境なき人権」 に触れるのは、今回の声明 (2014年8月1日) が最初である。その声明の中で、全国弁連は、「統一協会の一方的主張に基づいて作成されたもの。客観性のないレポート」と主張した。

全国弁連のこの、たった一行にも満たない主張に対する反論がずいぶんと長くなってしまった。「国境なき人権」 は、拉致監禁、強制改宗問題との関わりは、純粋であり、該当団体とは利害関係はなく、調査・分析方法において専門的であり、2011年12月に発表された報告書は、アメリカ国務省も含め、世界の宗教の自由・人権運動に多大な影響を与えてきた。

2011年2月に発表した60ページ以上の報告書を引き継ぎ、2013年7月と、2014年6月に国連・自由権規約人権委員会に提出したレポート (それぞれ、33ページ、17ページ) が、国連人権委員会を動かし、拉致・強制改宗問題が、日本政府への勧告の一つとなった。

全国弁連の 「国境なき人権のレポートは、統一協会の一方的主張に基づいて作成されたもので、客観性はない。」という主張は、自らの行ってきた行為を覆い隠すための、そんなに多くない選択肢の中の一つである。「国境なき人権」 のレポートが、日本国内で、たとえば、後藤民事裁判に影響を与え始めたら、全国弁連は、いったいどうするのだろうか?


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PS - 「初歩的ミス」 を、全国弁連がこっそり修正
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前回の批判・第二弾 「初歩的ミスの欠陥声明文」 を書いて、その翌日、相談コーナーの受付フォームから、全国弁連宛に次の連絡を入れた。その内容を、私の記事のコメント欄に、自分で投稿しておいた。
http://humanrightslink.seesaa.net/article/403140270.html#comment
はじめまして、

オーストラリアで人権活動をしている Yoshi Fujiwara と申します。特に、統一教会信者に対する「拉致、強制改宗」の人権問題を扱っています。

貴連絡会の発表された、「2014.08.01 声明 国連自由権規制委員会の報告について」の声明に対し、私のブログで批判を始めております。昨夜、その第二段で、「初歩的ミスの欠陥声明文」 という記事をアップいたしました。

★全国弁連声明文への批判(1)- 中心メンバーの素顔

http://humanrightslink.seesaa.net/article/403089192.html#comment

★全国弁連声明文への批判(2)- 初歩的ミスの欠陥声明文
http://humanrightslink.seesaa.net/article/403140270.html#more

「初歩的ミスの欠陥声明文」の中で、詳しく、その理由を説明しております。ご参考にしていただければ、幸いです。
Posted by Yoshi at 2014年08月08日 11:30
いつ、訂正するのかと、最初の数日は、毎日のように、全国弁連の声明をチェックしていたが、訂正はなかった。先ほど(私の記事から10日後)、チェックしたら、「規制」 が 「規約」 に訂正されていた。「お礼の一言くらい、あっていいんじゃない?」って思ったりもしたけれど・・・


★全国弁連の声明 関連記事リンク
★声明 国連自由権規約委員会の報告について (全国霊感商法対策弁護士連絡会
http://www.stopreikan.com/shiryou/seimei_20140801.htm

★国連自由権規約人権委員会の“トンでも”勧告に、全国霊感商法対策弁連が声明
やや日刊カルト新聞
http://dailycult.blogspot.jp/2014/08/blog-post.html
(これは、全国弁連のお友達、エイト君の記事です)

★笑止! 全国霊感商法弁護士連絡会 声明 (秀のブログ
http://hydenoshikou.kakuren-bo.com/Entry/57/

★夫婦まるごと監禁!主犯は女買いが好きな高澤エセ牧師(完成版) (火の粉を払え
http://yonemoto.blog63.fc2.com/blog-entry-499.html
(記事末尾の 「全国弁連の見解が真っ赤な嘘であることの動かぬ証拠」)

★全国弁連声明文への批判(1)- 中心メンバーの素顔 (当ブログ
http://humanrightslink.seesaa.net/article/403089192.html

★全国弁連声明文への批判(2)- 初歩的ミスの欠陥声明文 (当ブログ
http://humanrightslink.seesaa.net/article/403140270.html


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posted by 管理人:Yoshi at 22:46| Comment(4) | TrackBack(0) | 人権派弁護士 / 全国弁連 の行く末 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
全国弁連の声明に対する批判記事を、国連関連のカテゴリーから、次のカテゴリーに変更しました。

カテゴリー:「人権派弁護士 / 全国弁連 の行く末」
http://humanrightslink.seesaa.net/category/22636976-1.html

国連関連の記事も、声明批判の記事も、今後も続く予定なので、国連関連の記事だけをまとめておきたいことと、それ以上に、全国弁連の支離滅裂さをみるにつけ、彼等の「行く末」 にも、関係し始めたように思ったからです。
Posted by Yoshi at 2014年08月19日 12:07
PS - 「初歩的ミス」 を、全国弁連がこっそり修正
----------------------------------------------

この初歩的ミスを発見し、最初に発表したのは、「秀のブログ」の「秀」さんです。私は、それを見て、「初歩的ミスの欠陥声明」というタイトルが思いついた次第です。

笑止! 全国霊感商法弁護士連絡会 声明 (2014-08-06 付)
http://hydenoshikou.kakuren-bo.com/Entry/57/

秀さん、ありがとうございました。

Posted by Yoshi at 2014年08月19日 12:49
<プロの国際的人権NGOの本格的調査にかかれば、日本で起きている拉致監禁の実在はたちまち認定されてしまう。虚構説派はそれが分かっているだけに、調査協力をしたくてもできなかったというのが本音でしょう>

調査には協力しないで、自分たちの主張をする機会を自分たちで拒否しておきながら、「客観性のないレポート」だとは、笑えますね。言語道断です。


記者会見もしないし、国連に意見書とかを提示するわけでもなし、憐れとしか言いようがない。
崖っぷちに追い詰められた全国弁連。
卑怯なヤツラの往生際、ますます目が離せませんね。
Posted by みんな at 2014年08月19日 17:59
本日、2014年8月21日、東京高等裁判所にて、後藤徹裁判の控訴審の2回目の口頭弁論がひらかれ、結審したもようです。

判決日は、2014年11月13日(木)午後2時半

http://www.ucjp.org/?p=17844
Posted by Yoshi at 2014年08月21日 19:20
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