2014年07月19日

日本政府の拉致監禁に対する無関心が露呈 - ジュネーブ国連本部

2年前のこと、2012年10月31日、国連人権理事会の国別審査で、UPR (Universal Periodic Review = 普遍的・定期的レビュー) の日本審査が行われた。この時には、強制棄教・拉致監禁問題が、国連人権高等弁務官事務所の準備した書類に記載されたが、審査国 (他の国連加盟国) から、拉致監禁問題に関して質問が出なかったので、日本国政府は、拉致監禁問題について、返答する必要はなかった。

2012年 UPR ついての参考資料:
拉致監禁問題が、国連人権理事会の国別審査(UPR)の場に。
国連で拉致監禁問題のサイド・イベントとローズ博士の一貫した姿勢

「国境なき人権 HRWF」 は、ベルギーに本拠を置く人権団体である。そして、拉致監禁問題に、多大な関心を寄せる 国際的著名な人権活動家のアーロン・ローズ博士は、ドイツ在住である。「国境なき人権」 のフォートレ代表や、アーロン・ローズ博士等は、2010年10月のUPR以後も継続して、日本の拉致監禁問題のため、特にジュネーブ国連本部を舞台に動いていた。

HRWF_chairman.jpg
国境なき人権 HRWF ウィリー・フォートレ代表

今回 (2014年7月) の日本に関する人権審査は、2年前 (2012年10月) のUPRとは、また別な審査である。現在、開催されている人権審査の正式名称は、 111th session of CCPR – International Covenant on Civil and Political Rights というものだ。日本語では、 「 国際人権 B規約 第111回審査 」 とでも呼ぶことにする。

International Covenant on Civil and Political Rights (略して CCPR) といのは、 「市民的および政治的権利に関する国際規約」 で、国際間における自由権を中心とする条約である。この自由権に関する国際規約は、「 国際人権 B規約 」とも呼ばれる。1966年12月16日に国連総会にて採択され、1976年3月23日に発効した。日本は、1978年に署名し、その翌年に批准した。(ちなみに、B規約があるなら、A規約もあり、A規約は、経済的、社会的権利に関する規約を指す。)

111th session of CCPR というのは、その国際人権規約(B規約)に関する第111回目のセッションということで、期間は、2014年7月7日〜25日の予定で、ジュネーブの国連本部で、現在開催されている。「 国際人権 B規約 」 に基づき、条約批准国のそれぞれの人権状況を審査し、改善勧告するのである。この111回セッションでは、日本、チリ、カンボジアなど、12カ国の審査が行われる。日本の審査は、7月15日午後と、16日午前の予定で行われた。

参考リンク: 国連人権高等弁務官事務所の公式サイト
United Nations Human Rights - Office of the High Commissioner for Human Rights
CCPR - International Covenant on Civil and Political Rights
111 Session (07 Jul 2014 - 25 Jul 2014)
http://tbinternet.ohchr.org/_layouts/treatybodyexternal/SessionDetails1.aspx?SessionID=626&Lang=en


以下は、その 「国際人権 B規約 審査」 に関する MSN産経ニュース の記事
ヘイトスピーチ議題に 国連人権委が対日審査 (MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140715/erp14071516360011-n1.htm
2014.7.15 16:36
国連のB規約(市民的および政治的権利)人権委員会による対日審査が15日、ジュネーブの国連欧州本部で、2日間の日程で始まる。「ヘイトスピーチ」(憎悪表現)と呼ばれる人種差別的な街宣活動や死刑制度、従軍慰安婦問題などが主な議題。対日審査は2008年以来、約6年ぶり。

法律専門家ら有識者18人の委員でつくる委員会は審査を基に、日本への具体的な人権状況の改善勧告などを盛り込んだ「最終見解」を今月末に公表する予定。審査は委員らが質問し、日本政府が答弁する形式。

国際的な人権保護ルールである国際人権規約にはAとBの二つの規約がある。B規約人権委員会は拷問・奴隷の禁止、公正な裁判を受ける権利、表現の自由など「自由権」と呼ばれる、より基本的な人権の保護状況について、通例5〜6年ごとに各批准国を審査する。(共同)

「国境なき人権」 は、2010年以来、日本の強制改宗、拉致監禁を重大な人権侵害問題として扱い、調査団を日本に送り、実地調査を行い、2011年12月には報告書にまとめ、そして、ジュネーブ国連本部などヨーロッパを中心に、拉致監禁問題を提起してきた。

「国境なき人権」 は、二年前の、2012年10月に、国連人権理事会の国別審査 (UPR) の場で、日本の拉致監禁問題を訴えた。そのUPRでは、審査国から、拉致監禁問題に関して質問が出なかったので、日本政府は何も返答する必要がなかった。その UPR 後も、 「国境なき人権」 は、国連に対して、日本の拉致監禁の人権問題を継続して訴え、今回の 「 国際人権 B規約 第111回審査 」 へと繋がった。


国際人権B規約 第111回審査 の経過:

国連人権委員会が、日本国政府にコメントを要請
国連ウェブサイトにおいて、関連文書が公開されている。国連人権委員会により、2013年11月14日付けで、問題点リスト (List of issues in relation to the sixth periodic report of Japan)が発表された。このリストは、日本国政府に対して、さまざまな人権問題について、日本政府に説明を求めたものである。問題点は、全部で28項目あるが、その中の16番目の項目に次のような箇所がある。

http://tbinternet.ohchr.org/_layouts/treatybodyexternal/SessionDetails1.aspx?SessionID=626&Lang=en
(Japan の List of issues の左端の [-] シンボルをクリックすると、その下に数行が拡張される。その拡張された部分の右端の View Document をクリックすると、問題点リストの全文が見れます。 )
16. Please comment on reports of cases of abduction, forced conversion and forced de-conversion, which were not investigated and prosecuted by the State party.

16. 国家によって調査・起訴されていない拉致・強制改宗・強制棄教の案件についての報告*についてコメントを求めます。

注 by Yoshi:拉致・強制改宗・強制棄教の案件についての報告* 
あらかじめ、「国境なき人権」 と 「全国 拉致監禁・強制改宗被害者の会」 より、拉致監禁に関する報告書が、国連人権委員会に提出されていた。


日本国政府の返答
これに対する、日本国政府の返答は以下のようなものだった。返答の日付は、2014年3月6日である。大切なことは、その時点で、強制改宗・拉致監禁問題に関して、後藤徹裁判の一審判決が、2014年1月28日に出ているということだ。

http://tbinternet.ohchr.org/_layouts/treatybodyexternal/SessionDetails1.aspx?SessionID=626&Lang=en
(上記と同じページで、Japan の Reply to List of issues の右端の [-] をクリックすると、その下に行が拡張される。一番上の View Document をクリックすると原文にたどり着けます。)
Question 16

184. We do not know of any cases as those described.

184.  私たちは、述べられたようないかなる案件も承知していません。

185. Generally, when any act violating the criminal laws and regulations is discovered, the investigative authorities deal with the case appropriately based on evidence and the laws covering such cases.

185. 一般的に、刑事法や規則に違反する行為が発見された時は、調査機関は、証拠とそのような事案に関連する法に基づき、適切に対処いたします。

186. The Human Rights Organs of the Ministry of Justice conduct all necessary investigations following claims of human rights infringements, including discrimination on the grounds of religion or creed, based on the Human Rights Volunteers Act and the Regulations on Investigation and Resolution of Human Rights Infringement Cases, and to take appropriate measures depending on the cases.

186. 法務省人権擁護機関は、人権侵害救済法に基づき、宗教や信条による差別を含めて、人権侵害の申し立てがあれば、すべての必要な調査を行い、各問題に応じて、適切な処置をいたします。


「国境なき人権」 の反応
これが、日本国政府の強制改宗・拉致監禁問題に対する解答である。このような返答に 「国境なき人権」 が黙っているはずはない。「国境なき人権 HRWF」 は、国連人権委員会に対し、2件の報告書を提出している。今日は、その報告書のタイトルだけを紹介しておきたい。
1. 日本国政府の返答前に提出した報告書:(33ページ)
★Abductions and confinement for the purpose of religious de-conversion
(Violations of Articles 7, 9, 12, 18, 23 and 26 of the ICCPR)
★改宗目的のための拉致監禁(国際人権B規約 7条、9条、12条、18条、23条、26条に違反)

2. 日本国政府の返答後に提出した反論報告書:(14ページ)
★Japan: Update on abductions and confinement for the purpose of religious de-conversion
★日本:改宗目的のための拉致監禁 最新情報

今後、この2件の報告書を日本語で紹介していきたいが、最初のものは33ページ、2番目のものは、14ページで、読むほうも大変かと思うが、お付き合い願いたい。多分、2番目 (日本国政府の返答後のもの) を先に紹介したいと思う。

何しろ、その冒頭、目次部分で、「国連人権委員会の問題点リストに対する日本の返答は信用できない。 JAPAN’S RESPONSE TO THE UN HUMAN RIGHTS COMMITTEE’S LIST OF ISSUES IS NOT CREDIBLE」 と、「国境なき人権」 は穏やかではない。

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posted by 管理人:Yoshi at 19:18| Comment(1) | TrackBack(0) | 国連自由権規約人権委員会 2014 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
yoshiさん、国境なき人権が国連に提出した報告書を翻訳してくださってありがとうございます。欧米から見たらマイノリティーに対する完全な犯罪行為であるにもかかわらず、なぜ日本ではそれが「家族の問題」となるのか理解できません。警察当局が見て見ぬふりをする姿はムラ根性丸出しの、正義は二の次「まずは世論よ」といった未熟な精神がもろに表れ醜態きわまりないです。法務省の人権擁護局もしかりです。世論崇拝の亡者たちが公務員として、国家のために働いているのではなく、自分のために働いているのはこっけいです。保身も度が過ぎると見苦しいです。
Posted by kiy at 2014年07月23日 21:51
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