2012年10月31日

国連で拉致監禁問題のサイド・イベントとローズ博士の一貫した姿勢

最下段に追記:2012-11-01 夜

前回の記事「拉致監禁問題が、国連人権理事会の国別審査(UPR)の場に」より続く。

前回の記事で、国連人権理事会によるUPR(Universal Periodic Review = 普遍的・定期的レビュー)制度について説明し、2012年10月31日(水)の午後2時から、ジュネーブ国連本部にて、日本に関するUPRが開催されることを伝えた。

その直前の、12時〜2時まで、UPRと同じ会場である欧州国連本部でサイド・イベントが開催される。サイド・イベントとは、国連の正式な会議とは別に、国連本部の会議室を使って、さまざまなNGOが開催する会議やイベントを指す。

そのサイド・イベントのテーマは、「日本における宗教迫害」で、パネリストは以下の5名である。
★アーロン・ローズ (Aaron Rhodes) :世界的著名な人権活動家。

★ウィリー・フォートレ (Willy Fautre):「国境なき人権」代表

★パトリシア・デュバル (Patricia Duval) :フランス・パリ在住の弁護士

★後藤徹 (Toru Goto):全国 拉致監禁・強制改宗被害者の会 代表

★ミツコ・アントール(Mitsuko Antall):拉致監禁の被害者、現在はアメリカに在住

*ミツコ・アントールさんは、米国東部を襲ったハリケーンの影響で、すべての飛行機便がキャンセルで、残念ながら、ジュネーブに行くことが出来なかった。


アーロン・ローズ博士の拉致監禁問題へ一貫した姿勢

アーロン・ローズ博士は、私のブログでも、何回も登場してきた。私が、2010年9月に、このブログを始めた時、最初の日本語訳の作業をしたのは、アーロン・ローズ博士に関する記事だった。直近のものは、2012年8月のアメリカ議会でのイベント「同盟国での宗教迫害に対するアメリカの対応」でのスピーチだった。その時、ローズ博士は、次のように語っている。

aaron rhodes_large.jpg
Photo - Dr. Aaron Rhodes

2012年8月1日 米国議会でのイベントでのローズ博士のスピーチより
http://humanrightslink.seesaa.net/article/286224977.html
日本は、拉致され、自由を剥奪され、物理的に虐待を受けてきた弱小宗教団体の会員の人権を侵害しています。そして、これは、何十年にもわたって起きています。これまで、何千名という人が影響を受けていますが、主要な人権団体、国際機関、そしてもちろんの事、日本政府は無視してきました。

私は、独立したNGOである「国境なき人権」と共に、この問題の調査をする機会があり、そして、これらの虐待を受けた被害者と面会する場をもちました。私は、20年にわたり人権活動をしてきましたが、目撃すべきことは、すべて見てきました。

ひどい状況です 。これは、あまりにも悲劇的な状況であり、私たちは、それに対して、何かをしなければなりません。これらの虐待を受けた犠牲者は、自ら、声を上げなければならないことはないはずです。犠牲者は、市民社会や国際組織の援助を受けるべきです。なぜなら、彼ら自信が語れば、たとえ、真実を語ったとしても、誰も信じないでしょう。

それが、独立した組織の目的であり、彼ら(独立した組織)は、この問題において、個人的な利害関係はありません。市民社会が政治的には距離を置き、人権問題に対し、科学的、客観的方法で取り組むことが重要なことです。

ローズ博士は、拉致監禁をこれまで野放しにしてきた日本にひどく怒(いか)っているようだ。まるで、「私が被害者に代わって闘う」と、意思表明をしているようなスピーチだ。

実際、彼の行動は、一貫している。2010年には、ローズ博士は来日し、東京の外国人記者クラブで記者会見を行い、そしてローズ博士の働きかけで、ベルギーに本拠を置く人権団体「国境なき人権」が、客観的な調査に動き出した。その翌年、2011年8月には、「国境なき人権」のフォートレ代表等も来日し、自ら調査を行った。その年(2011年)の暮れに、「国境なき人権」の60ページにも及ぶ報告書が発表された。

2012年8月には、ローズ博士は、アメリカ議会で「同盟国における宗教迫害」というイベントで、上記のスピーチを行った。そして、その3ヶ月後の今回(10月31日)は、日本に関する UPR (普遍的・定期的レビュー審査)にあわせて行うジュネーブの国連本部においての「日本における宗教迫害」をテーマにしたサイド・イベントである。


「日本における宗教迫害」サイド・イベントの特色

後藤さんは、国連本部でのサイド・イベントは初めてではない。、2010年の6月にも、国連(ジュネーブ)でのサイド・イベントで日本の拉致監禁の体験を語っている。その時には、拉致監禁被害者の富澤裕子さんや寺田こずえさんも参加している。

前回(2010年6月)のサイド・イベントと、違っている事は、日本の UPR に時間を合わせて、その直前に行うこと、そして、ローズ博士、「国境なき人権」のフォートレ氏、フランスの弁護士であり、人権や女性問題に詳しいデュバル弁護士など、拉致監禁被害者や統一教会とは、個人的に利害関係のない人々が参加しているところである。「国境なき人権」の拉致監禁に関する詳細な英文レポートの存在も、2年前のものとは違うところだ。

この数年の間に、拉致監禁問題に対する海外(日本から見ての海外)の動きが顕著になってきている証拠だろう。ローズ博士の一貫した姿勢がなければ、このような特色は出なかったと思う。

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追記:2012-11-01 夜

人権理事会、日本に関する UPR についての Yomiuri Online の記事
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20121101-OYT1T00462.htm?from=ylist
【ジュネーブ=石黒穣】国連加盟国の人権状況を審査する国連人権理事会の「普遍的定期的審査」で31日、日本を対象とした作業部会が開かれた。

約80か国が発言し、欧州諸国を中心に「死刑制度廃止に向けた死刑執行停止」を求める意見が相次いだ。国際結婚が破綻した際の子どもの扱いを定めるハーグ条約の早期批准を求める国も多かった。

また、いわゆる従軍慰安婦問題について、韓国、北朝鮮、オランダなどが日本の対応を批判した。中国も「日本は謝罪していない」と厳しい口調で批判した。中国が人権理事会でこの問題を取り上げるのは異例で、尖閣諸島をめぐる日中関係悪化を背景とした対決姿勢をうかがわせた。

オーストリアは、東京電力福島第一原発の周辺住民を放射能による健康被害から保護することを勧告した。
(2012年11月1日14時14分 読売新聞)

国連人権高等弁務官は、拉致監禁問題について、自らの報告書に挿入(前回の記事を参照)したが、残念ながら、国連加盟国からの質問はなかったようだ。国家間の利害関係もあるのかもしれない。日本に関する UPR は、4年後の2016年となる。それまでに、拉致監禁問題に、どんな進展があるか注目したいと思う。

さて、読者の皆様方に、見て頂きたい映像がある。今回のサイド・イベントでパネリストとして予定されていた Mitusko Antal (ミツコ・アントール)さんは、アメリカ東部を襲ったハリケーンの影響で、ジュネーブに飛ぶことが出来なかった。そこで、緊急にビデオ撮りし、ジュネーブに転送した。次のリンクは、映像に収めたミツコさんの訴えである。

http://vimeo.com/52526170

Mitsukoさんは、英語で語っているが、字幕(英語)も出ているし、PTSDを今も患いながらの訴えに心を傾けて欲しい。

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posted by 管理人:Yoshi at 11:27| Comment(1) | TrackBack(0) | 人権活動 国連/ヨーロッパ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アンテナ 

仁進問題で統一教会そのものの問題性に衆目が向かう中、重大な人権問題である拉致監禁問題の核心的な最新情報をアップしていただき、ありがとうございます。

統一教会がうんぬんと言っている場合じゃないな、と気付かされました。

Yoshiさんの感度は鋭いですね。そして、世界に向かってアンテナを立てておられて、すごいですね。

<2012-10-29 (月)、宗教ジャーナリスト室生忠さんが、ブログを再開されました>

この情報も、感謝です。


Posted by みんな at 2012年11月01日 08:34
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