2012年10月29日

拉致監禁問題が、国連人権理事会の国別審査(UPR)の場に。

国連(国際連合 United Nations)総会の補助機関として、2006年に創設された国連人権理事会 (United Nations Human Rights Council) という機関がある。加盟国の人権状況を把握し、見直し、改善するため、そして、深刻かつ組織的な人権侵害に対処する常設機関である。スイスのジュネーブが本拠地である。

国連人権理事会の事務局機能を担っているのが、国連人権高等弁務官事務所 (Office of the United Nations High Commissioner for Human Rights, 略して OHCHR ) である。

国連人権理事会の目的遂行のため Universal Periodic Review (UPR) と呼ばれる制度がある。日本の外務省のウェブサイトでは、「普遍的・定期的レビュー)」と訳されている。Review (レビュー) は、審査のことである。

UPRの審査は、2008年から実施されている。192の国連加盟国を4つのグループに分けて、それぞれの国の人権状況をを4年に一度、審査しようとする制度である。前回のUPRでの、日本に関する審査は、2008年だったので、今年がそのUPRの年に当たることになる。今回の日本に関するUPRは、2012年10月31日(水)午後2時〜午後6時に実施される。

本日の記事は、UPR (普遍的・定期的レビュー)での拉致監禁問題の取り扱いについてである。


日本の外務省のウェブサイトにて、UPR設立の経緯、概要、審査の基礎となる文書等、うまくまとめているので、そこから引用させて頂く。

UPR(普遍的・定期的レビュー)の概要 、 日本の外務省のウェブサイトより引用
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken_r/upr_gai.html
1.UPR設立の経緯
 国連では、人権分野への対処能力強化を目的として、2006年3月に採択された総会決議に基づき、同年6月までの人権委員会に替えて人権理事会が創設された。

 その後、人権理事会は制度構築を1年かけて行い、2007年6月に制度構築の合意テキストが採択され、「UPR(普遍的・定期的レビュー)」制度が具体化された。2008年4月より審査を実施。

2.UPRの概要→国連ホームページ
 UPRは、人権理事会の創設に伴い、国連加盟国(193ヶ国)全ての国の人権状況を普遍的に審査する枠組みとして盛り込まれた制度。

(1)国連加盟国各国は4年半で全ての国が審査される。審査基準は、国連憲章、世界人権宣言、当該国が締結している人権条約、自発的誓約、適用されうる人権法。

(2)審査は、1年間に3回、人権理事会の定期会合以外に開催される作業部会の形で行われる。作業部会における審査においては国連加盟国全てが議論 に参加し、人権理事会理事国3ヶ国(くじ引きにより決定。「トロイカ」と呼称される。)が1チームとして被審査国の報告者国となる。NGOも作業部会を傍 聴することが可能。

(3)各国の審査に要する作業時間は、作業部会における審査に3時間半、作業部会における報告の採択に30分、人権理事会本会合における審査結果の検討に1時間が当てられる。

(4)審査結果としての結果文書は人権理事会本会合で採択される。結果文書は、勧告及び(または)結論と被審査国の自発的誓約から構成される。被審 査国及び人権理事会メンバー国、及びオブザーバー国(その他の国連加盟国)は、人権理事会本会議が結果文書を採択する前に右文書についての見解を表明する 機会が与えられる。その他NGO等関連のある関係者も、同様の機会に一般コメントを述べる機会が与えられる。

3.UPR審査において基礎となる文書
 審査は、下記3つの文書に基づいて行われ、当該文書は審査の6週間前までに用意されなければならない。

(1)被審査国は、20ページ以内の報告書を「ガイドライン」(→国連作成の被審査国のためのガイドライン )に基づき作成し、人権高等弁務官事務所に提出する。

(2)人権高等弁務官事務所は、被審査国に関する国際条約機関及び特別手続による報告並びに関連する国連公用文書を編集した文書(10ページ以内)を準備する。

(3)人権高等弁務官事務所は、NGO等UPR関係者が同事務所に提出した信憑性と信頼性のある情報を要約した文書(10ページ以内)を準備する。→国連作成のNGOのためのUPRインフォメーション


上記3. の通り、UPR審査では基礎となる3つの文書が提出される。もう一度、列挙すると次の通りだ。

1. 審査される国(この場合、日本の政府)が準備する報告書

2. 人権高等弁務官事務所が、日本に関してまとめた文書

3. NGOや、UPR 関係者が人権高等弁務官事務所に提出した情報の中で、信憑性と信頼性のある情報を要約した文書。(人権高等弁務官事務所が準備する。)


これらの3つの文書は、すでに、人権高等弁務官事務所に提出され、国連のウェブサイトにアップされている。拉致監禁問題について言及があるのは、3. の文書内である。

1. 日本政府の報告書
http://www.ohchr.org/EN/HRBodies/UPR/Pages/JPSession14.aspx にアクセス。(ここまでは、以下の2 や 3 の文書も同じ)
National Report の行の E をクリックすると英語文書を読むことができる。(E = English) 国連のウェブサイトでは日本語での文書はない。

外務省のウェブサイトでは、日本語で発表している。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken_r/upr_gai.html
ページ下のほうのUPR第2回政府報告(仮訳)(PDF)をクリック


2. 人権高等弁務官事務所が、日本に関してまとめた文書
http://www.ohchr.org/EN/HRBodies/UPR/Pages/JPSession14.aspx にアクセス。
Compilation of UN information の行の E をクリック


3. NGO等UPR関係者が人権高等弁務官事務所に提出した情報の中で、信憑性と信頼性のある情報を要約した文書。(人権高等弁務官事務所が準備する。)
http://www.ohchr.org/EN/HRBodies/UPR/Pages/JPSession14.aspx にアクセス。
Summary of stakeholder's information の行の E をクリック (stakeholder は、利害関係者という意味)

この報告書では、人権問題に関して、全部で90の問題点がまとめられている。その54番目に出てくるのが、拉致監禁に関しての事である。以下の通り、英文と日本語訳 (by Yoshi) を紹介する。

54. Human Rights Without Frontiers (HRWF) had documented the abduction and confinement of citizens for the purpose of religious de-conversion, and the failure of police and judicial authorities to investigate and prosecute those cases. It added that in 2011, at least four adult converts to the Unification church were abducted by their parents to attempt to force they to change their religion, while in 2010 and 2009, there were nine and three known cases, respectively. VAARKFC and Universal Peace Federation (UPF) expressed similar concerns.

54. 国境なき人権(HRFW)は棄教を目的とした市民に対する拉致監禁、およびこれらの事件について警察および司法当局が捜査および起訴を行っていないことを文書で示した。さらに、2011年に少なくとも4名の成人した統一教会信者が宗教を 強制的に変えさせる目的で両親によって拉致され、2010年と2009年にはそれぞれ9件と3件の事件が知られていると述べた。全国拉致監禁強制改宗被害者の会 (VAARKFC) と天宙平和連合 (Universal Peace Federation)が同様の懸念を表明した。



さて、ここまで書くのにずいぶんと時間がかかってしまった。今回のUPRに関して、書きたかい事は、まだ続く。日本に関するUPRも数日後に迫っているので、とりあえず、ここまででアップして、残りは、火曜日の夜か、UPR当日の水曜日の朝までに書きたい。

ちょっとだけ書くと、日本審査のUPRは、2012年10月31日(水)の午後2時から始まるのだが、その直前に、あるイベントが12時〜2時まで、UPRと同じ会場内の欧州国連本部で開かれる。次の記事は、そのイベントについてである。

他の関連・参照URL:
UPRタイムテーブル等 - 日本のUPR審査は、第14th セッション
http://www.ohchr.org/EN/HRBodies/UPR/Pages/UPRMain.aspx



ジュネーブまで
あなたの声援を!

↓ ↓ ↓ ↓
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 統一教会へ
にほんブログ村

###
posted by 管理人:Yoshi at 11:32| Comment(1) | TrackBack(0) | 人権活動 国連/ヨーロッパ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
東京新聞が、今回の日本に関する UPR について、記事にしているので、ここにも転載させていただきます。私の上の記事を読んだあとなら、ちょっと奇妙な言葉「普遍的審査」も、難なく理解できると思います。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012102801001308.html

(引用はじめ)
【ジュネーブ共同】国連人権理事会は31日、全ての国連加盟国を対象に人権に関する政策や状況を審査する「普遍的審査」制度に基づく対日作業部会を開く。各国は日本に対し、死刑制度に対する見解を求めているほか、旧日本軍の従軍慰安婦問題についても、韓国などから提起されるとみられる。
 
韓国の李明博大統領が島根県・竹島に上陸し日韓対立が深まった背景には慰安婦問題もある。人権理では韓国、北朝鮮が繰り返し問題視しているが、対立解消の糸口を探る中で日本側の回答が注目される。
 
人権理の普遍的審査は既に全加盟国を対象にした1巡目が終わり、日本を対象にした作業部会は2008年に続き2回目となる。
(引用終わり)

(この新聞記事は、ブログ「火の粉を払え」に投稿された米本さんのコメントで知りました。)
Posted by Yoshi Fujiwara at 2012年10月29日 18:43
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック