2012年09月27日

統一教会文教祖の死去:有田芳生氏のコメント

さまざまな人々が文氏の死去(2012年9月3日死去)に際し、コメントを発表している。前回の記事で取り上げた宗教学者のアイリーン・バーカー教授は、「ひとつの時代の終わり」と表現した。

では、他の人々は、文鮮明氏の死をどのようにとらえているのか?このブログで扱う拉致監禁・人権侵害には直接には関係ないかもしれないが、文氏の死去に関しコメントを発表している人々には、拉致監禁を積極的に推進している人々が多い。彼らのコメント、なるべく多くを、私のブログでひとつのカテゴリーでまとめて、記録としてとっておきたい。

今回は、現参議院議員の有田芳生氏のコメントである。

以下、有田芳生氏のコメントである。

2012/09/03 統一教会の文鮮明教祖死去にあたって
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2012/09/post_829f.html#comments
(1) 統一教会(正式名称は世界基督教統一神霊協会)の文鮮明教祖が9月3日に92歳で亡くなった。私は四半世紀を超えて統一教会と闘ってきた。拉致問題解決に 取り組むひとりとして、文鮮明氏が朝鮮戦争の動乱をきっかけに北朝鮮から韓国に移動し、そこで宗教団体を設立、反共産主義の立場から行動しつつ、生地(平 安北道定州)に郷愁を覚えていたことに、南北朝鮮に生きる人たちの歴史の重みを感じている。

(2) 1954年に韓国で設立された統一教会は「混淫教」の流れをくみ、当初からスキャンダルにまみれていた。教祖の女性問題などが社会問題となったからであ る。密入国した信者が日本で布教をはじめ教団が設立されたのは1959年。東京都の認証をえて宗教法人となったのは1964年。そのころから強引な布教と マインドコントロールで社会問題となっていく。朝日新聞が「親泣かせの原理運動」と報じたのは1965年7月7日である。

(3) 60年代は親子問題として、70年代は「全国大学連合原理研究会」(大学原研)の活動を通して早稲田大学、青山学院大学など全国の学園問題として、80年 代は悪質な霊感商法として社会問題となり、90年代にはタレントなどの合同結婚式参加をきっかけとして霊感商法、珍味売り、花売りなど「すべて」の行動の 問題点が社会に明らかとなっていった。その起動力は文鮮明教祖のカリスマ性にあった。日本の信者に大きな傷跡をつけるきっかけは1975年に文鮮明教祖か ら発せられた送金命令である。統一教会幹部の証言によると、それからの10年間に毎月20億円、合計2000億円が教祖のもとに届けられた。「先祖の因 縁」話などを利用した霊感商法など詐欺的行為による。警視庁の厳正捜査により、いまは公然と行うことはできないが、長年にわたって獲得したノウハウがあ り、いつ再開するかは予断を許さない。ちなみに被害相談額は2001年までの25年間に1100億円を超えている。

(4) 日本の政治を歪めたのも統一教会である。冷戦時代に韓国に続き日本でも国際勝共連合が結成(1968年)され、最高時には衆議院、参議院で150人を超え る「勝共推進議員」が生まれた。統一教会信者は公設、私設秘書としていまでも永田町に送り込まれている。文鮮明教祖が「竹島」に上陸しただけでなく、天皇 陛下役の幹部が文氏に拝跪する儀式があることも幹部によって暴露された。いずれ世界が韓国語で統一されるなど基本的に民族宗教といえる側面がある。北朝鮮 の平壌にある普通江ホテルの経営、合弁事業の平和自動車の経営や香港を経由しての送金など、「アジアプロジェクト」と呼ばれていた経済行為には今後も注目 する必要がある。

(5) 信者たちはいたって真面目な人たちが多い。矛盾あるこの日本社会にあって精神の拠り所に統一教会を求めたのだろう。だが日本が朝鮮半島を植民地支配したこ とへの贖罪意識や「万物復帰の教え」などを通じて霊感商法などの反社会的行為にかき立てられてきた。自己破産や自殺者も生んだ矛盾を解決しなければならな いとの思いを抱く信者も多い。生まれたときから信者として育てられた二世のなかには矛盾を抱える者もいる。「信教の自由」(憲法20条)の視点からも捉え ていかなければならない。

(6) 「教祖は一代かぎり」とはカルト理論の基本である。ポスト文鮮明をめぐっては数年前から親子、兄弟間(3男VS4男、7男)の激しい対立が表面化してい る。教祖の逝去をきっかけに跡目争いはさらに激化していくだろう。なかでも教団の重要な資金源となってきた日本の教会でも対立はさらに深化していくだろ う。カリスマ教祖の逝去というこの機会に純粋な宗教団体として生まれ変わることを心から期待したい。そうではなく霊感商法などを再開し、日本社会にさらな る被害をもたらすなら、統一教会に反対する弁護士、ジャーナリスト、父母などの関係者は宗教法人格の剥奪をめざし行動していくだろう。私も国会議員として 引き続き統一教会を監視、批判していく。


ここからは、私のコメントである。

小出浩久氏の著作「人さらいからの脱出(光言社)」の中に、有田芳生氏が出てくる。

その場面は次の通りである。小出浩久氏は、一心病院(統一教会系病院)で働く内科医で、(現在もその当時も)統一教会員だ。1992年6月13日、母親に呼び出され、埼玉の実家に帰った。家族・親戚などにより力ずくで拉致され、東京のマンションの監禁された。その後、新潟に移送された。監禁されて、1年数ヵ月後、偽装脱会中の山荘の小出氏に二人の人が訪ねてきた。一人は、文春の記者、もう一人は、有田芳生氏である。

そして、有田氏は小出氏に、「一年間も閉じ込められていて、よく耐えていられましたね。」と言った。(人さらいからの脱出122ページ)

その発言に関して、世界日報の片山記者が次のように有田氏に質問をしている。
http://www.worldtimes.co.jp/special2/ratikankin/100531.html
小出浩久著『人さらいからの脱出』によると、1993年、有田氏と文春の記者が新潟の山荘に小出氏を取材で訪ねた際、有田氏が小出氏に「一年間も閉じこめ られていて、よく耐えていられましたね」と言ったとあります。先の一年間、小出氏が強制棄教にあって、マンションなどの一室に閉じこめられていたことを承 知の上での発言だと思いますが、いかがですか。

それに対し、有田氏の返答は次のとおりである。
http://www.worldtimes.co.jp/special2/ratikankin/100622.html
なお小出さんの著作ですが、そんなことを言うはずがありません。あのとき小出さんはとても明るく対応してくださいました。お父さんと別荘のようなところ(だったと記憶しています)にいたことに何の違和感も感じませんでした。

有田氏の「一年間も閉じ込められていて、よく耐えていられましたね。」という小出氏の記憶に対して、有田氏は、そんな発言をしていないと言っている。こうなると、どちらかが嘘をついていることになる。
以下、どちらが嘘をついているのか、私の考察である。

嘘をつく理由のない小出氏:

小出氏は、拉致監禁中にこの方法しか自由になる道はないと思い、また、とことん拉致監禁側の悪事を暴いてやろうという動機で、統一教会を偽装脱会した。しかし、時が来て、自由の立場になれば、「脱会」は、「嘘だった」と明らかにした。不自由な立場でついた嘘を、自由の立場になったとき、明らかにした。小出氏は、嘘だったことを正直に告白できる人である。そんな小出氏に嘘をつく理由はない。

後藤裁判に提出された小出氏の陳述の正しさ:

小出氏は、後藤裁判に提出した陳述書で、松永牧師の講義ビデオについて言及した。これに対し、二人の被告側陳述者は、「そんなものはなかった」と陳述した。しかし、そのビデオの存在が確認された。小出氏は、嘘をついていなかった。嘘をついたのは、小出氏の陳述に異を唱えた側だった。
この段落の参考URL:
「真摯に包み隠さず作成した陳述書」が嘘の塊だった
http://humanrightslink.seesaa.net/article/291192313.html

嘘をつく理由のある有田氏:
私の以前の記事で、裁判に勝つために平気で嘘をつく弁護士のことを書いた。拉致監禁諸氏は、反統一教会のためなら、裁判に勝つためには、拉致監禁がなかったということを示すためなら、平気で嘘をつき、また、人々に嘘をつかせる。
この段落 参考URL:紀藤正樹弁護士の仮面を剥ぐ1 & 2
http://humanrightslink.seesaa.net/article/276483965.html
http://humanrightslink.seesaa.net/article/284096513.html

有田氏は、これら弁護士とは、反統一教会、拉致監禁推進・黙認ということにおいて完全に一致している。有田氏の仲間の弁護士が都合言いように嘘をつく癖は、有田氏にもあるのではないか?

どちらが、嘘をついているか?

録音テープはない。しかし、どちらかが、嘘をついている。上記のとおり、私は、その一方の側が嘘をついていると言ったが、読者の皆様はどう思うか?

さて、話題を、有田氏の上記コメントに戻したい。彼は最後にこう言っている。
カリスマ教祖の逝去というこの機会に純粋な宗教団体として生まれ変わることを心から期待したい。そうではなく霊感商法などを再開し、日本社会にさらな る被害をもたらすなら、統一教会に反対する弁護士、ジャーナリスト、父母などの関係者は宗教法人格の剥奪をめざし行動していくだろう。私も国会議員として 引き続き統一教会を監視、批判していく。

有田氏が、反統一教会グループと一線を画していると言いたいかのようなところは気になるが、有田氏の発言だからといって、私は無視する必要もないし、反対する必要もない。統一教会が自ら改革できないならば滅びるしかない。


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posted by 管理人:Yoshi at 00:31| Comment(4) | TrackBack(0) | 統一教会:教祖の死と今後 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
卑怯者

有田のコメントはアイリーン・バーカー博士の特別寄稿とは全然違いますね。有田は客観的な分析ではなく、悪意を持って書いてますからね。

<悪と受け止められた「カルト」を暴き、戦う目的で、アメリカ全土において、多くの、いわゆる「反カルト運動」が発生した。メディアの大部分はその戦いに加わり、反カルト信者(anti-cultists)に同意し、若者の行動を説明できる唯一の可能な方法は、彼らが洗脳されていることだと主張した。この理論は、「ディプログラマー(強制脱会説得者)」の出現へと繋がっていく。強制脱会者は、改宗者*を誘拐し、彼らが信仰を放棄するか、自力脱出するまで、彼らの意思に反して、監禁した>(アイリーン・バーカー博士の特別寄稿より)

有田はこのことを書かない。嘘つきであり、卑怯者です。

<国境なき人権(HRFW)は棄教を目的とした市民の拉致と監禁、およびこれらの事件について警察および司法当局が捜査および起訴を行っていないことを文書で示した>

国連人権高等弁務官事務所は、独自に調査しないんですね。人権専門機関なのに、この無責任さは、ちょっと残念です。
Posted by みんな at 2012年09月28日 08:53
いつも参考になります。ありがとうございます。
Posted by 東洋医 at 2012年10月01日 15:39
みんなさん、

遅くなりましたが、国連人権理事会の件、やっと一つの記事にいたしました。

http://humanrightslink.seesaa.net/article/299467667.html
Posted by Yoshi Fujiwara at 2012年10月29日 18:09
東洋医さん、

コメント、ありがとうございます。

今から考えても不思議なことですが、日刊カルト新聞が、自由報道協会で、記者会見を行ってなければ、この出会いは無かったと思います。どうぞ、これからもよろしくお願いします。

http://humanrightslink.seesaa.net/article/272666391.html
(この連載は、まだ終了していなくて、まだ続きます。)
Posted by Yoshi Fujiwara at 2012年10月29日 18:18
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