2012年09月15日

アイリーン・バーカー博士:文氏の死は、一つの時代の終わり

9月3日の未明、統一教会の文鮮明教祖が、肺炎の合併症で亡くなった。92歳だった。本日(2012年9月15日)、韓国で、文氏の葬儀(統一教会の言葉で、「聖和式」)が行われた。

アイリーン・バーカー博士が、文氏の死去に際して、宗教社会学者の立場から、CNNの宗教ブログに特別寄稿している。バーカー博士は、このブログでも、何回か出てきたが、宗教社会学を専門としている。バーカー博士は、毎年開かれる ICSA(反カルトの国際会議)にも、新宗教に関する国際会議 CESNUR の両方に参加している。

このバーカー氏の寄稿は、統一教会本部のウェブサイトにより、要約が紹介されていたが、ここでは全文を掲載したい。バーカー博士の特別寄稿では、拉致監禁(ディプログラミング)問題にも、ほんのわずかであるが触れている。


記事タイトル(原文): My Take: Moon’s death marks end of an era
タイトル日本語: 私の見方:ムーン氏の死は一つの時代の終わり
出典URL: http://religion.blogs.cnn.com/2012/09/03/my-take-moons-death-marks-end-of-an-era/?iref=allsearch
記事の日付: 2012年9月3日
日本語訳: Yoshi、 箇所により統一教会公式ウェブサイトの訳を参考(注: は、私による。Rev. は師、敬称がない時には、氏、女史とした。)
Editor’s note: Eileen Barker is professor emeritus of sociology of religion at the London School of Economics.
CNN宗教ブログ編集者の注釈:アイリーン・バーカー女史は、ロンドン経済大学の宗教社会学の名誉教授


By Eileen Barker, Special to CNN
アイリーン・バーカー女史CNNに特別寄稿


With the death of the Rev. Sun Myung Moon at 92, we see the end of an era.

文鮮明師(92)の死去により、私たちは、一つの時代の終わりを目撃した。

Moon was the last surviving charismatic leader of the wave of movements that spread throughout California and the rest of the West in the 1970s and ’80s – other examples included L. Ron Hubbard’s Scientology, David Berg’s Children of God and Prabhupada’s Hare Krishna movement.

文氏は、1970〜80年代の米国カリフォルニアから米西部全域へと広まった運動の波を巻き起こしたカリスマ的指導者の最後の生存者であった。その他のカリスマ的指導者の運動の例としては、ロン・ハバードのサイエントロジー、デイヴィッド・バーグの「神の子たち」、それにプラブフパダのハレクリシュナ運動などがある。(注 by Yoshi: この段落は、統一教会公式サイトを参考にした)

In the case of Moon’s Unification Church, hordes of young, well-educated hippies left college and their comfortable middle-class homes to work up to 18 hours a day on the streets, selling flowers or candy and urging others to follow a Korean who declared that he was the messiah.

ムーン氏の統一教会の場合、多くの、高等教育を受けたヒッピー達が、大学をやめ、居心地のよりミドルクラスの家族を離れ、一日18時間も、路上で花売りやキャンディ売りをして、メシアであると宣言した韓国人の教えを人々に伝える伝道活動に従事した。

After they had spent perhaps years in mobile fund-raising teams and had drawn a sufficient number of “spiritual children” into the fold, these young converts would be "matched" with a partner whom they were unlikely to know (and who might not even speak their language) and then blessed in a mass wedding ceremony with thousands of other couples.

ファンド・レイジング(資金集め)移動部隊で何年も過ごし、組織に十分な「霊の子」を残したなら、これらの若い転向者は、お互い知る由もない(同じ言葉を話さないかもしれない)パートナーと「マッチング」を受け、そして、他のカップルと一緒に合同結婚式で祝福されることになる。

Perhaps it was not surprising that many of their parents, who had other plans for their (adult) children’s futures, objected strongly when their sons or daughters started referring to Moon and his wife, Hak Ja Han, as their “True Parents,” in some cases cutting themselves off from their families.

大人になった子供たちのために、他の計画を持っていた両親の多くが、彼らの息子、娘が、ムーン氏と、彼の妻ハクジャ・ハン女史を、「真の父母」と呼び始めたとき、強く反対の声を上げたことは、多分、驚くべきことではない。ある場合には、家族との連絡を絶ってしまった場合もある。

A number of so-called “anti-cult movements” sprang up throughout the United States with the aim of exposing and combating the perceived evils of such “cults.” Large sections of the media joined in the fight, agreeing with the anti-cultists that the only possible explanation for the young people’s behavior was that they had been brainwashed.

そのような、悪と受け止められた「カルト」を暴き、戦う目的で、アメリカ全土において、多くの、いわゆる「反カルト運動」が発生した。メディアの大部分はその戦いに加わり、反カルト信者(anti-cultists)に同意し、若者の行動を説明できる唯一の可能な方法は、彼らが洗脳されていることだと主張した。

This theory led to the arrival of “deprogrammers,” who would kidnap converts, holding them against their will until they either renounced their faith or managed to escape back to their movement.

この理論は、「ディプログラマー(強制脱会説得者)」の出現へと繋がっていく。強制脱会者は、改宗者*を誘拐し、彼らが信仰を放棄するか、自力脱出するまで、彼らの意思に反して、監禁した。
(注 by Yoshi: 改宗者 = 統一教会に他の宗教から改宗した若者たちのこと。)

In the meantime, Moon’s notoriety in North America was spreading far beyond the concerns of individual families.

一方で、ムーン氏の悪名の高さは、各家庭の心配のレベルにとどまらず、北アメリカ全体へと、広まっていった。

He and his church were investigated for connections with the South Korean CIA by the U.S. House of Representatives Subcommittee on International Organizations. At the time of the Watergate affair, Moon came out strongly in support of President Richard Nixon. And in 1984 he was sentenced to prison for tax fraud.

ムーン氏と彼の教会は、米国下院国際組織に関する小委員会により、韓国CIAとの関係を尋問された。ウォーターゲート事件のさなか、ムーン氏は、リチャード・ニクソン大統領を強力に支持した。そして、1984年、彼は脱税により懲役刑を科せられた。

Moon also accumulated impressive wealth through his teams of volunteer members and through a number of businesses in both America and elsewhere, particularly in Japan and South Korea. His businesses included armament factories, boat building and fishing, ginseng products and a number of media outlets, including The Washington Times.

ムーン氏は、アメリカと世界中で、特に、日本と韓国で、彼のボランティアメンバーと、多くの企業活動により、大きな財を築くようになった。彼の企業群は、兵器工場、造船、漁業、ジンセン(人参)製品、ワシンントン・タイムズを含めた出版機関などがある。

Although Moon is likely to be remembered for all these things – mass weddings, accusations of brainwashing, political intrigue and enormous wealth – he should also be remembered as creating what was arguably one of the most comprehensive and innovative theologies embraced by a new religion of the period.

文師は合同結婚式や非難告発されてきた洗脳(マインドコントロール)、政治的陰謀 及び巨万の富といった全てのことで記憶されているようだが、しかし一方で彼は当代の新宗教が奉じた中でも間違いなく最も包括的かつ革新的な神学を創り出した人物としても記憶されるべきである。
(注 by Yoshi: この段落は、統一教会公式サイトを参考にした)

The basic beliefs are to be found in the “Divine Principle,” which describes how the Fall took place when, in the Garden of Eden, the Archangel Lucifer – who had been asked to look after Adam and Eve until they were mature enough to marry – had seduced Eve into a spiritual, sexual relationship.

(この段落以降、次の注までは、統一教会公式ウェブサイトより借用)

その基本的な信仰について記載されている「原理講論」の中には、人類の堕落がエデンの園の中でいつ、どのように起きたのか、アダムとエバが結婚適齢期になるまで世話する役割を任せられていた天使長ルーシェルがエバを霊的及び性的関係へと誘惑したことが記述されている。

According to Moon, Eve later had a sexual relationship with Adam. As a result of this Lucifer-centered (rather than God-centered) union, their children were tainted with “Fallen Nature,” the Unification equivalent of original sin.

文氏によると、エバはその後でアダムと性的関係を持ち、この(神中心ではなく)ルーシェルを中心とした結縁の結果、彼らの子女たちは「堕落性」、統一原理で言う原罪に染まってしまったという。

According to the “Divine Principle,” the whole of history is interpreted as God’s attempt to restore the Kingdom of Heaven on Earth. Jesus was meant to get married but was killed before that was possible. Moon, with his marriage to his second (or third) wife in 1960, is said to have laid the necessary foundation for restoring the Kingdom of Heaven on Earth, with the mass blessings playing a role in purifying the blood lineage of the participants.

「原理講論」では、人類歴史全体が地上天国を復帰する為の神の試みとして解釈されて いる。イエスは本来は結婚すべきであったが、それが可能になる前に殺害されてしまった。文氏は1960年に彼の2番目(または3番目)の妻と結婚することによって地上天国復帰の為の必要な基台を築いたのであり、合同結婚式はその参加者の血統を浄化する役割を果たしているのである。

Moon’s movement has undergone considerable changes since its founding in 1954.

文氏の運動はそれが1954年に創設されてから相当な変化を遂げてきた。

Most members no longer live in communities but live and work independently, possibly tithing 10% of their income to the movement. There is now a burgeoning second generation which, to a large extent, is involved in running the movement.

今ではもはや大部分のメンバーが共同生活をしなくなり、各自が独立的に働き生活しながら、可能であれば自分の収入の10%を十一条として統一運動に捧げている。今や二世たちが急成長を遂げており、二世たちがかなりの範囲で運動の運営に関与している。(注 by Yoshi: 統一教会公式ページからの日本語訳の借用、終わり。)

Moon’s children have taken up leadership positions, with the youngest son, Hyung Jin Nim, being the heir apparent. But a split has emerged within the “True Family,” with siblings fighting among themselves for the assets and control of the movement.

ムーン氏の子息たちは、指導的地位を引き継ぎ、一番下の息子、ヒュングジン・ニムは明らかな後継者として顕在している。しかし、「真の家庭」の中で分裂も起きている。子息たちが財産と、運動の支配権を求めて争っている。

It is unlikely that Unificationism will continue as a single entity. But also unlikely that Moon’s legacy will fade away within the foreseeable future.

統一運動が、今後、一つの運動体として存在することは、多分ないであろう。しかし、同時に、ムーン氏の遺産・業績が、近い未来のうちに消えてなくなることもないだろう。

The opinions expressed in this commentary are solely those of Eileen Barker.
このコメントで表された意見は、エイリーン・バーカー女史個人の意見です。


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posted by 管理人:Yoshi at 21:43| Comment(1) | TrackBack(0) | 統一教会:教祖の死と今後 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アイ���リン バーカー

凄い

凄すぎる


あまりに 偉大な社会 宗教学者
Posted by 野良の三毛猫 at 2015年03月07日 08:05
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