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2012年のICSA国際会議は、カナダのモントリオールで、7月5日〜7日に開催される。プログラムは次の通り発表されている。拉致監禁推進派(あるいは、拉致監禁否定派)の人々と、そして、国際人権団体、統一教会関連で拉致監禁問題に触れる可能性の高いプレゼンテーションを紹介したい。
ICSA Annual International Conference ICSA年次国際会議
Manipulation and Victimization 操作と虐待
Montreal, Canada モントリオール、カナダ
July 5 - 7, 2012 2012年7月5日〜7日
以下、プログラム中、拉致監禁問題に関連ありそうなものを抜粋
http://infosect.freeshell.org/infocult/AgendaPublicJuly12.pdf
7月5日(木)17:00 - 17:30 Dan Fefferman ダン・フェファーマン
Are ICSA, Info-Cult, and the Unification movement ready for mutual dialogue?
ICSA, Info-Cultと統一運動は、相互対話に向かえるか?
7月6日(金)14:30 - 15:15 紀藤正樹、山口貴史
Informed consent, undue influence, and cults: Japanese perspectives
インフォームド・コンセント、過度の影響とカルト - 日本の視点
7月6日(金)15:15 - 16:00 紀藤正樹、山口貴史、鈴木エイト
How the governement, lawyers, citizens and victims confront controversial groups, especially the Unification Church in Japan
政府、弁護士、市民そして犠牲者たちが、問題多きグループ、特に日本の統一教会に対し、いかに、取り組んでいくか
7月7日(土)11:45 - 12:30 Willy Fautre ウィリー・フォートレー
Cults and religious freedom around the world
世界におけるカルトと宗教の自由
7月7日(土)14:30 - 16:00 Legal issues: discussion 討論 - 法的問題
司会者:Carolle Tremblay
参加者:Robert Asquini, Francois Ballanger, Linda Demaine, Willy Fautre, 紀藤正樹、Alan Scheflin, 山口貴史
それぞれのプレゼンテーションの要約が発表されているので、それを紹介したい。
7月5日(木)17:00 - 17:30 Dan Fefferman ダン・フェファーマン
Are ICSA, Info-Cult, and the Unification movement ready for mutual dialogue?
ICSA, Info-Cult と 統一運動は、相互対話に向かえるか?
過去20年間、ICSA, Info-Cult と統一運動は重要な変革を行ってきた。しかし、それによって、お互いの対話に進んでいけるものだろうか?ある面ではイエス、ある面ではノーである。
ICSAは、以前にはAmerican Family Foundation (AFF = アメリカ家庭財団)と呼ばれ、統一教会のようなカルトの破壊的 "カルト" の影響から家族を守る断固とした "反カルト" グループであったが、その焦点をかなり拡大してきた。
今日では、ICSA、Info-Cult は "カルトとの闘い" よりも、"カルト" によって、損害、危害を受けた人々の救済という面を強調している。
彼らは、ある人々からは "カルト擁護者" と思われている学者を招き、分科会の議長になってもらい、AFFがもともと否定していた団体のリーダーを、パネリストにして発言してもらった。
ハリ・クリシュナの例はよく知られているし、法輪功のメンバーにも発言の機会を与えてきた。昨年のバルセロナでの会議では、統一教会のメンバーが、初めて日本の統一教会側からのプレゼンテーションを行った。
統一教会も、ある意味、幅が広がってきた。独身のメンバーがセンターに寝泊りし、経済や伝道チームを作って渡り歩く時代ではない。今では、多くのメンバーは、核家族として教会外に住み、日曜日に教会に通い、10分の1献金をし、一般の仕事を持っている。教会内部での討論や、ムーン家の派閥問題は、教会がより一枚岩ではなく、より開かれた行動様式を持ってきたことを示すことに貢献してきた。一方で、統一教会は、救世主運動としての基本的な特徴は維持し、文鮮明師の教えに従っている。
「このような変革のもと、ICSA, Info-Cult と 統一運動は、相互対話に向かえるか?」という疑問がある。プレゼンターは、「相互対話に進める」という例とその考えを示し、同時に、「まだ、対話には準備ができていない」ということも示す。彼は、どのように対話が進められるかある提案もするが、同時に、もし両者がそれぞれの組織的保全を求めるようであれば、協力が限定的にならざるを得ない点にも言及する。
7月6日(金)14:30 - 15:15 紀藤正樹、山口貴史
Informed consent, undue influence, and cults: Japanese perspectives
インフォームド・コンセント、過度の影響とカルト - 日本の視点
弁護士と裁判所は、日本でのカルト運動対策に重要な役割を果たしてきた。日本の弁護士たちは、西洋の理論であるインフォームド・コンセントと過度の影響を用い、民事裁判において、さらに発展させ、カルト活動の不法性を評価する法律的論理的根拠を示し、裁判所が認知するよう努力してきた。
ひとつの裁判では、裁判所が "マインド・コントロール" の不法性を率直に認めるまでになった。
このセッションでは、その裁判の内容と、裁判によって示された判決の背後の論理を紹介したい。私たちのプレゼンテーションが、学術的な面からも、そして法律的実践の見地から、アメリカ、ヨーロッパの仲間に有益なものあると思う。同時に、私たちが扱った裁判をもとに、カルトと言論の自由について、特に、カルトが言論抑圧手段として使う人気のある "道具" 著作権侵害、名誉毀損に関連して問題を提起するつもりである。
7月6日(金)15:15 - 16:00 紀藤正樹、山口貴史、鈴木エイト
How the governement, lawyers, citizens and victims confront controversial groups, especially the Unification Church in Japan
<このセッションは、この3名で行ういつものセッションなので、昨年の記事を参考してほしい。>
http://humanrightslink.seesaa.net/article/229535164.html
7月7日(土)11:45 - 12:30 Willy Fautre ウィリー・フォートレー
Cults and religious freedom around the world
世界におけるカルトと宗教の自由
ブリュッセルに本部を持つ「国境なき人権」の代表であるウィリー・フォートレー氏が、さまざまな国で明らかになっているカルト現象の人権的側面を扱う。
7月7日(土)14:30 - 16:00 討論:法律問題
司会者:Carolle Tremblay,
参加者:Robert Asquini, Francois Ballanger, Linda Demaine, Willy Fautre,
紀藤正樹、Alan Scheflin, 山口貴史
Tremblay (トレンブレイ女史)が討論の司会を務め、法律問題についてこの会議に参加しているプレゼンターが、それぞれの考えを示し、この会議で発表されたさまざなな分野においてお互いに質問をする。一般からの質問も受け付ける。
ここからは、私のコメントである。
一番、興味あるセッションは、「国境なき人権」の代表であるウィリー・フォートレー氏の45分にわたるもので、「世界におけるカルトと宗教の自由」というテーマでプレゼンテーションを行う。世界中の問題を扱うかと思うが、日本の「宗教の自由」問題も含まれると思う。「国境なき人権」は、2011年12月末に、60ページに及ぶ、日本の「強制改宗(脱会)目的のための拉致監禁」のレポートを発表している。
http://yonemoto.blog63.fc2.com/blog-entry-317.html
あと、ウィリー・フォートレー氏と、紀藤正樹氏、山口貴史氏が同席して、法律問題についての討論が行われる。紀藤・山口両弁護士は、昨年(2011年)「国境なき人権」の「拉致監禁」に関するインタビューを無視した経緯があり、どのようなやり取りが行われるのか、興味あるところである。
http://humanrightslink.seesaa.net/article/276483965.html
昨年参加した、日本の学者グループ(反カルトの立場)、やや日刊カルト新聞主筆の藤倉善郎氏、拉致監禁の被害者の後藤徹氏等はプレゼンはしないもようだ。
昨年(2011年)は、エイト君も、藤倉氏も、会議の内容については記事を発表しなかったので、私のほうで、エイト君への提案も含めて、記事にさせて頂いた。
http://humanrightslink.seesaa.net/article/231202625.html
鈴木エイト氏は、今年も、参加されるようである。私に記事を書かれる前に、せっかく現地にいるのだから、ちゃんと会議の中身のレポートをして欲しい。
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次回は参加しない、と言っていた紀藤正樹が参加するんですね。
記事のアップ(翻訳)、楽しみにしています。
日の当たるところがよほど好きなんですねえ。ほとほと感心します。
会場から「鈴木衛人君の名前は本名なのか」という質問があがることを期待しています。
それにしても、前は「カルト新聞」で、泊まるホテルとか出された料理の話とか、まるで修学旅行記みたいなことを書いていたけど、今度は露出なし。
きっと、yoshiさんから、からかわれることを意識したんのでしょうね。
子どもだから、心理がわかりやすい。
それと、最新情報ですが、紀藤正樹弁護士は、多忙のため、今年のICSA会議は欠席されているようです。と、いうことは、拉致監禁派の参加者、山口貴史弁護士と、鈴木エイト君のみということです。
どのカテゴリーが適当なのか分からないため、此処でお知らせします。
このほど「国境なき人権」報告書が、反宗教的マイノリティ色が強いICSAのウェブサイトのライブラリーにアップされました。
http://infosect.freeshell.org/infocult/ic-selacq.html#rep
上記のURLを開くと、RAPPORTS/REPORTS のセクションがアルファベット順に並んでおり、
「Human Rights Without Frontiers Int’l Japan Abduction and Deprivation of Freedom for the Purpose of Religious De-conversion December 2011 」
のタイトルで掲載されています。
「財界にっぽん」(2012・10月号)で小生既書の通り、ウィリー・フォートレ「国境なき人権」代表はICSA2012でプレゼンしましたが、ICSA側は「国境なき人権」レポートそのものについて語ることを許しませんでした。
しかし、宗教学術団体への脱皮を目指すICSAが、画期的な宗教リポートを無視することに専門家の間で強い批判があり、それを背景にフォートレ氏とマイケル・ランゴーニ・ICSAリーダーの交渉の結果掲載保存が決定されたようです。
拉致監禁虚構説派が唯一の頼みとするホームのウェブに、「国境なき人権」レポートそのものが掲載保存されたことは、この問題に対する国際専門家世論の動向を決定づけることなるでしょう。
なおこの文章は米本和広氏のブログ「火の粉を払え」にも同文で投稿しておきました。
国境なき人権の報告書がアップされたのは、ICSAのウェブサイトではなく、正確にはInfosectのウェブサイトです。
この二つは双子組織のようなもので、これら組織のトップ二人が一緒にICSAの国際会議をしきって運営しています。
情報ありがとうございます。時をみて、ひとつの記事にまとめたいと思います。