2012年06月06日

心の腐った 「やや日刊カルト新聞」 主筆

2012年4月10日(火)自由報道協会で、で 「精神医療被害の実態報告とその改善のため」 の記者会見が行われた。記者会見の内容は、3月27日に厚生労働省に提出した「精神医療改善のための要望書」を契機として、精神医療の問題点を訴える記者会見だった。

それに対して、今度は、やや日刊カルト新聞 (以下、カルト新聞) が、自由報道協会にて、2012年5月22日(火) 「自由報道協会主催(4月10日)の記者会見でサイエントロジーの関連団体が会見した問題を報告し、自由報道協会の問題を指摘する」 記者会見を開催した。

本日の記事は、両者の会見、カルト新聞の記事をもとに、「カルト新聞」 の記者会見の目的・趣旨の妥当性について考えてみたいと思う。


「精神医療被害」 の記者会見の概要

まず、2012年4月10日の 「精神医療被害の実態報告とその改善のため」 についての記者会見の内容をみていきたい。4名が会見している。その4名の会見を簡単にまとめてみた。カルト新聞が問題視している米田氏の会見の部分は、より詳しく掲載した。

http://www.youtube.com/watch?v=s5-4bZecZqM
内海聡氏 (精神薬の薬害を考える会 幹事) 0:06:20 -0:09:27

まず、冒頭で,内科医でもある内海氏が 「精神医療被害の実態報告とその改善のため」 の記者会見の目的について述べた。内海氏は 「精神医療・精神医学においてどのような事が行われており、どのような被害があり、どのような結果になっているか、ジャーナリストの皆様にご理解頂き、真実について報道して頂くことをお願いしたい。」 と語った。

中川聡氏 (精神医療被害連絡会) 0:09:30 – 0:30:45

中川氏は、「向精神薬(精神科の治療による安易な大量投与)が、自殺に関わっているという疑いについて、自殺・自死・中毒死になったその過程を調査して欲しい」 という厚生労働省への 「精神医療改善のための要望書(3/27提出)」 の内容を説明した。(中川氏は、奥様を、精神薬の中毒死で亡くした遺族である。)

田中幸子氏 (全国自死遺族連絡会) 0:30:50 – 0:37:10

田中氏は、自らのの体験・活動を紹介しながら、「精神科医療の問題の解決なくしては、絶対に自死対策はあり得ない」 ということを切実に、説得力をもって訴えた。(田中氏は、34才の警察官だった息子さんを、自死でなくした遺族である。息子さんは精神科医より出された薬を服用していた。)

米田倫康氏 (市民の人権擁護の会) 0:37:15 – 0:46:30

米田氏は、市民の人権擁護の会のこれまでの活動等について説明した。

1999年に日本で新しいタイプの抗うつ薬が販売され、「うつは心の風邪」というキャッチ・フレーズが広まった。1999年発売当初から、人権擁護の会は「抗うつ薬に関しては、自殺を引き起こす危険性がある。暴力、殺人とかを引き起こす衝動行為を高める危険性がある」 ことを、繰り返し厚生労働省に訴えてきたが、すべて封殺された。

6年後の、2006年2月、「抗うつ薬に自殺の恐れあり」 と、やっと明記された。2009年5月、厚生労働省は、「うつの薬によって、衝動性が高まり、その結果として、殺人とか凶悪犯罪につながる危険性がある。」 と発表した。

睡眠キャンペーン「お父さん、眠れてますか?眠れてなかったら病院に行きましょう」 というキャンペーンは、効果がない。そのモデルを取り入れた静岡県富士市では、自殺者は増えている。この実体を無視して、「効果あり」 と言ったのが、厚生労働省。その「効果あり」 と言った精神科医は、製薬会社から多額の講演料等を受け取っている精神科医だ。その精神科医が今の日本の自殺対策のトップにいる。内閣府の自殺対策推進会議議長、国立精神神経医療研究センター総長の「樋口 輝彦氏」だ。これは製薬会社とのつながりで、海外ではありえない話だ。



カルト新聞側の見解

この 「精神医療被害の実態報告とその改善のため」 の記者会見に対して、カルト新聞藤倉主筆は、カルト新聞で、こう主張している。

http://dailycult.blogspot.com.au/2012/04/1.html
この会見で、サイエントロジーの関連団体「市民の人権擁護の会(CCHR)」 日本支部世話役である米田氏は、「精神科医は心の専門家である。これは多くの人が抱いている誤った幻想です」 と、精神医療を完全否定してみせました。

「市民の人権擁護の会」 は、「精神医学による人権侵害を調査・摘発 し、精神の分野を正常化するために、サイエントロジー教会により設立」 (公式サイトより) されたものです。もともとサイエントロジー自体が、精神医学、特に精神安定剤等の薬の使用を否定しています。

「市民の人権擁護の会」 はサイエントロジーの教えを実践するフロント組織と言える上、記者会見で米田氏が極端 な精神医療否定をして見せたことと合わせて考えれば、自由報道協会はまんまとサイエントロジーの布教活動に利用されたとも言えるのではないでしょうか。


カルト新聞主筆藤倉善郎氏は、2012年5月22日のカルト新聞の記者会見冒頭で、次のように述べた。

http://www.youtube.com/watch?v=g4vabJMcQXI&feature=relmfu
0:19:40
今回、記者会見を開いた一番の理由なんですが、4月に自由報道協会で主催された記者会見でサイエントロジーという団体の関連団体の人がスピーカーの中に一人おりまして、その方がしゃべっていた。その会見のテーマというのが、厚生労働省に要望書を出したという精神医療の問題を指摘する各団体の報告という記者会見だったようなのですが、要望書をみると、サイエントロジーの関連団体の市民人権擁護の会の名前が入ってなかった。なんでいるのかよく分らなかった。精神医療を否定するような発言をしている。

0:21:00
内容的にサイエントロジーがそもそも精神医療を否定すると言われていて、同じような趣旨の事を掲げている団体が出てきて、同じように精神医療を全否定するような発言をするというのは、要望書の提出とニュースと関係ないところで、そういう持論の展開が行われる。変ではないか?

0:21:30
サイエントロジーというのは、日本ではあまり知られていないかも知れませんが、海外ではいろいろ批判を浴びてたり、詐欺罪で有罪判決が出たりとか、日本での弁護士のところに、被害相談が多数寄せられている団体なんですね。そういう団体のいわば教義の延長線上にあるようなことが、無批判に垂れ流される記者会見とはどうなんだろうか?と、その問題を提起したいと思いまして、本日の記者会見をさせて頂くことにしました。



質疑応答:米田氏 v 藤倉氏 & 紀藤氏

カルト新聞記者会見の質疑応答で、米田氏は次のように質問した。以下は、その内容である。紀藤弁護士も発言している。

米田氏 0:48:01
藤倉さんのホームページを見たんですけど、「カルトの教義を布教した。布教活動に使われた」 と書いてありました。何をもって布教活動とするのか知りたいと思って、きょうは来ました。

藤倉氏  0:48:44
布教活動とみなしたのは何故かという趣旨の質問だと思うのですが、サイエントロジーの考え方に沿ったものをサイエントロジーの関連団体が公の場で述べるのであれば、布教活動以外なにものでもない、自明の話であって、なにも文句のしようのないかなと。

紀藤氏 0:49:10
今みたいな発言をされること自体が、もう少し正確に言って欲しいんですけど、トーマス・サズというのはサイエントジストなんですか、そうじゃ、ないんですか?

米田氏
違います。

紀藤氏 0:49:23
サイトロジストじゃないというこということですか?それでは、そういうことを前提にお話しいたします。この本 「サイエントロジーとは何ですか?」 という本の中には、第八部に社会改善活動という章があって、こういうふうにあるんですね。

長年宗教的指導者達は、人間の精神的幸福は、世俗的な関心事から、完全に切り離すことができないものであると見なしてきました。が、サイエントロジー教会ほど、徹底して社会改善の活動に献身してきた教会はあまりありません。その献身者と粘り強さによって、多くの人々がサイエントロジー教会は、不正が見受けられるところで活躍する人権擁護の第一人者であるとだると認めています。

0:50:12
と、いうことで、時間がかかるのであれなんですけど、社会改善活動といのは、サイエントロジー教会活動の一貫として行われているんですね。それから、先ほど言いましたように、この団体ですけど、市民の人権擁護の会は、本の中にもはっきり書いてありますけど、1969年に教会によって設立された市民の人権擁護の会という形で書いてある訳だから、基本的にね、教会によって設立されたという団体であって、社会改善活動の一環として行われている団体なんだから、その事をなぜ明示することが、だめなのか。むしろ、明示すべきじゃないかと私は思うんです。宗教活動そのものだと思います。何故、できないんですか?

米田氏 0:51:10
議論になってしまうので、市民の人権擁護の会というのは、パンフレットとかでもサイエントロジーによって設立されてやってます。ただし、活動と致しましては、別物として、たとえば我々が、布教活動をしたりとか、あるいは信者を獲得するということはおかしなことだと思っています。

で、今回に関しては、そもそも日本で、精神科医に問題があって、それに対して活動している。それに対して賛同している方々と一緒に記者会見を開いています。我々が今回問題と思っているのは、その背景とか、我々の事を批判するのであれば、何故取材をされなかったのか?一番始めに私が 「初めまして」 と言ったのは、今、始めて、藤倉さんとかとお会いしまして、じゃ、記者会見の背景とか精神医療の問題とか、あるいは日本で精神科医がかなり問題になっている、メディアでも取りあげられていることに関して、そのことに関してご理解はないのかな?という事でございます。

藤倉氏 0:52:23
ちょっと混乱があって、自由報道協会の制約もあったのですけれども、本日の私たちの記者会見というのは、サイエントロジー記者会見に関する記者会見として依頼したものです。僕の記事もですね、批判対象はサイエントロジーではなく、サイエントロジーの記者会見を主催してしまった自由報道協会、それを批判する記事を僕は書いたんですね。

僕らからすれば、そういう趣旨の記事で、サイエントロジーの何がどうあるのか実証することに延々と時間を割くことはありませんので、自由報道協会に対して取材をして、自由報道協会のコメントを使って、記事を書きました。

今回、ちょっと告知ですね、サイエントロジーに関する記者会見というふうに変わってしまったので、市民の人権擁護の会の方からすれば、そういう趣旨の会見だと思って来られたのかもしれませんが、実際は違います。



テーマのもとに一貫している「精神医療被害」の記者会見

内海氏、中川氏、田中氏、米田氏の4名の会見は、「精神医療・精神医学の問題点を指摘し、真実を広く知って欲しい」という点において、首尾一貫している。会見者全員が、「日本の精神医療は問題である」 ということを、各会見者がそれぞれの立場で説明している。

米田氏の会見は、その目的に沿ったものである。米田氏の発言は、藤倉氏が主張する「(サイエントロジー教会の)教義の延長上にあるもの」ではなく、内科医である内海氏、中川氏や田中氏のような精神医療による被害者に 「共通する考え」 である。米田氏の発言は、そういう 「共通する考え」 の範囲内での発言であり、サイエントロジー教会の布教活動につながるような発言は一切ない。

藤倉氏は、厚生労働省に提出した 「精神医療改善のための要望書」 の提出団体に、「市民の人権擁護の会」 が入っていないことを批判しているが、「精神医療問題」 提起の記者会見の趣旨からみれば、見当はずれな批判である。


社会活動は布教活動か?

布教活動というのは、他人に自らの信じる宗教の教えを広めることだ。紀藤氏は 「サイエントロジーの社会改善活動も宗教活動そのもの」 と発言しているが、その社会活動の趣旨は、宗教の教えではなく 「精神医療の問題点を明らかにする」 ということだ。

この趣旨は、サイエントジストであろうが、なかろうが、会見した他の3名を含め、同じ運動に携わる人々の共通した認識である。その社会改善活動は社会活動であって、宗教活動でもなければ、その布教活動でもない。

(少々、変わった例を出すので、この部分、枠で囲んである。)

宗教であれば布教活動となるが、ビジネスであれば勧誘活動である。ある弁護士が、会ったこともない人に、こんな手紙を書いたとする。

「あなたの娘さんが○○教会に入信しました。○○教会は、恐ろしい団体です。マインド・コントールを受け入信すると、奴隷のように使われ、一生自らの力では抜け出ることが出来ません。放っておくと取り返しのつかない大変な事になります、あなたの娘さんを救出するできるのは、ご両親しかいません。娘さんには、この手紙の事は必ず秘密にして、当局にご相談下さい。」

この手紙の趣旨は、明らかに勧誘活動であり、この手紙の内容を知って、両親に配達した人がいるとするなら、その配達人は積極的な勧誘活動者である。

もし、この手紙の内容が 「勧誘」 ではなく、そして、上記米田氏の会見の内容が 「布教」 であるというなら、是非、ご教示頂きたい。

(この手紙は、反統一教会弁護士である渡辺博氏が実際に書いた手紙であり、その手紙を、日刊カルト新聞の副代表エイト氏は信者の両親に配達した。エイト氏は、その手紙は勧誘の手紙ではないと言っている。)
参考資料: http://humanrightslink.seesaa.net/article/266473373.html


もし、米田氏が、記者会見の場で、あるいはその記者会見の告知で、「市民の人権擁護の会」 を名乗らず、自分で創設した会の代表として(要するに、「市民の人権擁護の会」であることを隠して) 記者会見に臨んだとしたら、倫理的な問題があるだろう。

しかし、米田氏は、「市民の人権擁護の会」 と堂々と名乗っている。グーグルで検索すれば、「市民の人権擁護の会」 のホームページ にたどり着くまで10秒もかからず、そのトップページ2段落目には、「サイエントロジー教会により設立されました」 と書かれてある。紀藤氏は、「何故、名乗らないのか?」 と、迫っているけれども、これも見当はずれである。

公明党のホームページを見たが、ホームページには、創価学会との関係は記載されていない。紀藤氏の主張から言えば、公明党の国会議員がテレビで対談する時には、創価学会との関係を述べなければならないことになる。

現時点(2012年6月)で、アメリカの大統領選挙、共和党の次期大統領候補はロムニー氏に決定している。もし、ロムニー氏が大統領に当選すれば、カルト新聞はそれをどう表現するのだろうか? 彼が何かの政策、たとえば、同性愛問題、アルコール・麻薬問題について語れば、それは、モルモン教の布教活動をしたことになるのか? あるいは、スピーチする度毎に、「私は、生まれながらのモルモン教信者です」 と言わなければならないのか?


「心の腐った」主筆

藤倉氏は、サイエントロジーが世界的に批判されていることや、被害が弁護士に寄せられていることをもって、「そういう団体のいわば教義の延長線上にあるようなことが、無批判に垂れ流される記者会見とはどうなんだろうか?」 と、問題提起している。

新聞と名の付いたメディアの主筆であるならば、その事を発信した団体が批判を浴びているとか、弁護士に被害が寄せられているとか、そういうことを追求していくことも大切かもしれない。しかし、外面的な事に囚われず、その会見の内容を検証し、真実かどうかを追求していくことも大切な事ではないか?

その会見の内容は、精神医療の問題点についてであった。藤倉主筆は、こう言っている。「この会見で、サイエントロジーの関連団体 「市民の人権擁護の会(CCHR)」 日本支部世話役である米田氏は、『精神科医は心の専門家である。これは多くの人が抱いている誤った幻想です』 と、精神医療を完全否定してみせました。」

米田氏の会見内容は、4人のうち、米田氏だけが思っていることではない。遺族である中川氏も、田中氏も思っていることである。中川氏、田中氏は、精神医療問題で家族を亡くされた遺族である。藤倉氏は、ただサイエントロジーを批判したいがために言ったことだろう。しかし、検証もせず、根拠もなく、そのようなコメントを記(しる)すことは、家族を亡くされ、切実な問題として真摯に訴えているこのお二人に対して、甚だ失礼千万、「新聞」 と名の付いたメディアの主筆としては失格である。

藤倉主筆は、精神医療問題で苦しんでいる人々がいる(可能性がある)という会見の内容には興味を示さず、一人のスピーカーがサイエントロジーの関連団体であることを取り上げている。目の前で苦しんでいる人々には関心を示さず、彼の主張したい原則的な話に固執する。藤倉主筆は「心が腐っている」としか言いようがない。


「反カルト」 という思想にこり固まった集団

「藤倉氏は主筆としては失格であり、その心は腐っている」 と書いた。しかし、本人は、そのようなことは、微塵(みじん)にも思ってはいないだろう。彼は、「自らの信条にのっとり、正しいことを行っている」 と思っているはずだ。

では、彼の信条とは何か? 「反カルト」 という思想であり、そして、そのための行動は自己正当化してしまう。彼らは、カルト信者は「マインドコントール」 されているというが、藤倉主筆こそ、「反カルト」 という思想に呪縛され、 心の自由がなくなっている。サイエントロジーの関連団体の世話人の会見の評価は、会見内容で評価されるべきである。

質疑応答で、米田氏から 「精神医療問題に対してはどう思っているのか?」 という、問いに対して、藤倉氏は答弁せず、「この記者会見の批判対象は、自由報道協会なので・・・」 と言って逃げてしまった。藤倉主筆は、こう付け加えるべきだった。「反カルトという立場でこの問題を取り上げただけで、精神医療問題については、一切、関心ありません。」

やや日刊カルト新聞は、一応、新聞という名前は付けているが、「反カルト」 思想に凝り固まり、その思想に従い行動する人々の集団である。これについては、この連載で、様々な面から紹介していきたい。


カルト新聞読者からも見放される

匿名さんが、カルト新聞へのコメントで、こう言っている。文面からして、カルト新聞の読者のように見受けられるが、その読者からも 「問題としていた回の記者会見の趣旨は 『サイエントロジー』 そのものでないから、原則論的な話はもともと成り立たない」 と、言われてしまった。

http://dailycult.blogspot.com.au/2012/05/blog-post_26.html

2012年5月26日 20:28
匿名 さんは書きました...

非常に残念な会見でした。サイエントロジーと自由報道協会の実態を知るにはいい機会になりましたが。上杉氏は編集権を主張して公共性のなさ を自ら証明しました。

やや日は、記者会見前の折衝と、問題提起の動機についての説明が、舌足らずで的外れだったような。自らの協会批判の会見の場を提供してくれただけで、儲けもんではないか。会見を見る人が、主催側の倫理意識への問題提起が、なぜなされたか、はっきりと理解できるように、説明すべき。

会見趣旨の改謬の説明に関しても無理がありました。問題としていた回の記者会見の趣旨は「サイエントロジー」そのものでないから、原則論的な話はもともと成り立たない。社会通念で説明できないものは、倫理的問題提起しかできない前提でいくより仕方がない。日本で、カルト自体の問題意識はまだまだ定着途上で不完全だし。


(次回に続く)

関連資料:カルト新聞とその主筆について:
東洋医の素人的処方箋 (上記会見者の一人、内海氏のブログ)
やや日刊カルト新聞という最凶カルト

以下、米本和広氏のブログ 「火の粉を払え」 内、
カテゴリー 「カルト新聞と主筆様を評す」 の10本の記事

カルト新聞と主筆様を評す(1)−秘密会合

カルト新聞と主筆様を評す(2)−レッテル

カルト新聞と主筆様を評す(3)−隠し事 

カルト新聞と主筆様を評す(4)−義侠心

カルト新聞と主筆様を評す(5)−激変

カルト新聞と主筆様を評す(番外編)−シャム双生児


カルト新聞と主筆様を評す(7)−幼児性と謀略性


カルト新聞と主筆を評す(8)−幼児性と謀略性(続)

カルト新聞と主筆様を評す(9)−裸の王様

カルト新聞と主筆様を評す(補足編)−意図ある誤訳



この記事へのコメント
Yoshiさん、切れ味鋭くかつわかりやすい記事、ありがとうございました。

 記事に啓発され、いろいろ考えさせられました。(以下、かなりの長文です)

 ある人や団体が何かを訴えたり表現したりする場合、働きかけられた人はまず、その訴え・表現の良し悪し、真偽のほど考えます。内容を抜きに、訴えている人や団体の属性のみを注目する人はほとんどいないでしょう。

 以下は私の体験です。

 創価学会青年部は「世界の少年少女絵画展」を定期的に開いています。学会員に誘われて参加したことがあるのですが、会場となった浦和文化会館には「絵画展」の看板はあったものの、「創価学会」の名前はありませんでした。

 しかし、私はそのことを問題にする前に、まず子どもたちの絵画を見て回りました。どれもこれも素晴らしく、またその国の文化が色濃く反映されたもので、世界を見ているような気分になりました。

 あとでネットで検索をかけると、創価学会が主催していることが明記されていました。(以下は当時と違うけど、表現は違えど当時も同趣旨)
http://www.sokanet.jp/hbk/kyoiku.html

 心の腐った主筆とか副主筆なら、子どもたちの絵を見ることなく、「どうして創価学会の名前が看板に掲げていないのか」と問題にするでしょうね。


 3・11で、宗教団体に限らず、様々な団体が被災地を訪問し、復旧の手助けをしました。

 宗教団体でも、全国的規模の団体ならおそらくすべてといっていいほど、支援したはずです。むろん、統一教会もそのうちの一つ。

 やはり、心の腐ったと、いうよりも心がさもしい反統一の元女性信者は、
「統一教会が正体を隠してどんな支援(支援金のごまかし、密かな勧誘)をしているのか、1週間、現地調査に行ってくる。戻ってきたら報告する」
 と、ブログに燐とした調子で書いていました。

 視野狭窄もここまでいくと、病気です。

 被災地に様々な団体が入りましたが、団体名を記した幟を立てながら、支援活動をする団体は一つもなかったはず。
 もしそうした団体があったのなら、食料や水に困っている被災者、行方不明の家族がいる被災者から、売名行為か遊びに来たのかと殴られたでしょう。
 それぐらいのことは、被災地に行かなくとも、テレビの映像を見ているだけでもわかること。

 案の定、元女性信者のブログには調査報告はもとより、被災地を訪問した感想も載っていませんでした。つまり、沈黙。
 現地に行って呆然としたのでしょう。(実際、テレビで見てわかっていたつもりでいた私も、現地に行って、自分のレベルの低い想像力を呪いました。テレビには臭いと埃がない!)


 このブログ記事を通して精神医療を告発するサイトのいくつかを読みましたが、悲惨な話ばかりで、心が痛みました。

 主筆、副主筆とて、少しぐらいは覗いたでしょう。どうして、心が傷まないのか不思議でなりません。

 反カルトがカルト化すると、視野が極端に狭くなり、感受する力もなくなるのでしょう。

 その典型例はオウムです。オウムのサリン事件に直接関わった人は、サリンを撒けばどんな悲劇が生まれるか、それがわからなかった。感受する力、想像力が欠落してしまっていたからだと思います。

 個人的な話になりますが、私も精神薬のことでは悔いてならない体験をしています。

 私の叔母があるとき精神的にとても不安定になり、東京女子医大から抗鬱剤を処方されました。そのときに叔母は緑内障を患っていました。

 叔母が私にしょっちゅう、ときには1日に10回も訴えるようになりました。「だんだん目が見えなくなっていく」
 しかし、私はその訴えは、不安定な精神のせいだと思い、薬を飲みたくないという叔母に、処方された薬はきちんと飲まないと、と諭しました。

 他の病気の薬なら、そんなことは言いませんが、精神薬は特別なもの、個人が勝手に飲む・飲まないを決めていいものではないと思い込んでいました。(ステロイド剤のことも頭にあった)

 叔母の左の目の視野がほとんどなくなりつつあるようになってから、ようやく抗鬱剤の大半は緑内障を進行させる副作用があることを知りました。

 しかし、時すでに遅し。薬を変更してもらったときには、左目はまったく見えない状態になっていました。
 痛恨の極みです。
 叔母には何度も謝ったけど、それで視野が回復するわけではなし。

 天下の東京女子医大は、むろん告知したから、叔母が緑内障を患っていることは知っていました。それにもかかわらず、処方する。それがために、女子医はろくな病院ではないと判断しました。(それ以外にもいくつかミスを犯したから)

 しかし、今回、米田さんたちの報告を読むと、女子医に限らず、薬物療法に依存する精神科医(精神科医の主流)のほとんどがデタラメであることがわかりました。

 ショックでした。

 叔母の事件があったにもかかわらず、薬物精神医療&薬品メーカーによるキャンペーン「鬱病は大人の風邪」を信じ込み、抑鬱状態の知人に、「抗鬱剤は風邪薬なんだから、相性のいい薬を見つけたほうがいい」と積極的に勧めていましたから。

 いろんなことが蘇ります。
 
 これまで、自殺した人のことは取材の過程でたくさん聞いています。
 とりわけ多いのはヤマギシ会でした。
 在野の宗教学者でかつてヤマギシ会に参加したこともある島田裕巳さんも、どこかでそのことを書いていたはずです。
 あまりにも自殺者が多いので、「死臭漂う村」といった表現をしたことがあったと思います。

 エホバの証人にも自殺者は多い。宗教法人格をもつ団体としてはもっとも多いのではないかという印象を受けています。(あたりまえだが統計がない)

 親しくしていた元エホバの証人の2世も自殺しました。『カルトの子』に登場してもらった女性です。彼女が亡くなったときは、通夜から火葬まで付き添いました。
 まだ温かい骨壺を手に、タクシーで彼女が住んでいたアパートに戻ったことがあります。今でも、骨壺を通して伝わってくる生温かさが蘇ってきます。

 このときには、「鬱が良くなるときが一番危ない。それは自死する元気が出てくるからだ」と、彼女の夫をはじめとする元2世たちと話し合っていました。

 もし、抗鬱剤の副作用に自殺があるのだとすれば、これまでの私の認識はすべて変えなければなりません。

 ヤマギシ会のせいで、エホバの証人のせいで、鬱を発症したとしても、自殺したのはそうした団体のせいではないのかもしれない・・・。つまり、鬱=自殺ではなく、鬱と自殺との間には抗鬱剤という存在があったかもしれなん。


 話をYoshiさんの記事に戻します。

 米田さんがサイエントロジーのメンバーだろうが、問題の本質は米田さんたちが訴えている内容そのものにあります。

 創価学会が主催しようが、サイエントロジーのメンバーが訴えようが、そんなことは関係ない。

 サイエントロジーの教えの一つに、現在の精神医療は人びとを廃人に(ときに自殺)するというものがあろうが、問題はそれが正しいかどうかにある。

 その検証なくして、教えを広めたからそれが布教(勧誘)というのは、論理のウルトラ飛躍、ふつうの言葉でいえば難癖にすぎません。

 統一教会は「信仰を棄てさせる強制説得はいかん」と言っている。是は是、非は非。この主張が正しいかどうかにあります。私に限らず拉致監禁の実態を知れば、国民の多くは統一教会が言っていることは正しいと思うでしょう。

 藤倉君は、私が付き合っている頃とは大きく変質(カルト化)しています。このままカルト化していけば、歯止めがきかなくなります。弁護士の紀藤氏がその歯止め役にならなければならないのに、記者会見大好き弁護士だから、まるで期待できません。

「反カルトのカルト」舟に乗った善郎&清史丸が漂着するところはどこなのか。
 あまり知りたくはありませんが。

 長文の投稿を総括します。

 藤倉君の記事を読んでわかったことは、米田さんはサイエントロジーのメンバーであること。ただ、それだけのことです。

 米田さんのブログなどを読んでわかったことは、現在の薬物に依存した精神医療はきわめて危険であること。私の過去を反省するきっかけをいただき、また今後起きるだろうことに注意を促していただき、とても感謝しています。

 そして、こうしたことを認識できた機会を与えてくれたYoshiさんに深く感謝いたします。
Posted by 米本 at 2012年06月08日 19:56
あの記者会見映像を見て、「反カルトがカルト化している」という言葉の意味を本当の意味で理解できたのは私だけではないと思います。

やや日刊カルト新聞の藤倉氏の最近の記事を見ても、いいがかりレベルを超えない話題ばかりです。この記者会見はその極みであると思います。

米田氏やその活動について個人的に知っていますが、彼らの活動は凄まじくかつ素晴らしいものです。あれだけ真剣に活動し、多くの命を救っている姿を本当に見たら、決してあのような記者会見など開けないでしょう。

詐欺師は根本的に他人を信じることができません。自分が人を騙すように、他の人も同じであると考えるからです。そういう人は、他人の心からの親切や慈善行為を「裏がある」「売名行為」としか受け取れないのです。

他人に騙されたが故に人を信じられない人もいれば、自分が騙すが故に人を信じられない人もいるということです。あの記者会見を見ることで、人間性というものがわかってきますね。
Posted by Kono at 2012年06月09日 15:45
米本さん、
長い長いコメント本当にありがとうございます。創価学会の「世界の少年少女絵画展」、3.11支援活動などの、日本での身近な例、とても嬉しいです。

Konoさん、
連載、まだ続きます。質疑応答がヒートアップするにつれ、カルト新聞、本音がぽつり、ぽつりと。
Posted by Yoshi at 2012年06月11日 23:21
本文内の「精神医療被害」の記者会見のリンクが切れています。
下記のサイトで、見ることができます。
(突然に広告が入ったりしますが・・・)
http://www.ustream.tv/recorded/22769377

映像の時間が本文内の時間とは合わなくなっています。
Posted by Yoshi at 2012年06月13日 18:27
昨日放送されたクローズアップ現代を見ると、いかに精神科医療というものが子どもにとって危機的状況にあるかよくわかりました。

いかに主筆様が言い掛かりであるかよくわかります。
Posted by たかし at 2012年06月14日 20:18
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