2011年06月28日

脱カルト協会公開講座で、被害者、牧師に直接抗議

追加情報、本文最下段に追加:2011-06-29

7月の第二週に行われる、ICSA(国際カルト研究協会)による国際会議の事を記事にするため、情報集めをしているところだった。ちょうどいい日本脱カルト協会主催の公開講座のニュースが入ってきた。

2011年6月25日(土)京都にて、日本脱カルト協会主催による公開講座が開かれた。テーマは「カルト問題から見た大学の役割」というものだ。やや日刊カルト新聞で、すでに扱っているが、抗議行動等のビルの外のレポートしかない。

http://dailycult.blogspot.com/2011/06/jscpr.html
http://dailycult.blogspot.com/2011/06/jscpr_27.html

ビルの中では、どんなやりとりがあったのだろうか?カルト新聞が書くことのできなかった(または、書きたくなかった)、ビルの中での出来事を、参加したある人からレポートを頂いた。外の様子は写真付のカルト新聞でも読んで欲しい。中の様子は、写真撮影は不可だったらしく、写真はないが、以下のレポートを読んで欲しい。

尚、カルト新聞の上記記事を書いたお二人(藤倉主筆と、”鈴木”エイト氏)は、来週は、スペインのバルセロナのはず。ICSAは、日本脱カルト協会と反カルトという点で似ている所も多いが、違うところもある。しばらくしたら、その記事を書くので、勉強してから行って欲しい。


以下は、公開講座に参加した方より送付して頂いたレポートである
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2011年6月25日土曜日、JR京都駅、駅ビル西側ビックカメラ前、30人程が3つグループに別れ横断幕を持ちながら抗議行動を行っていた。横断幕には『本日の講師、自称脱会カウンセラー高山正治牧師は被害者に謝罪せよ!』と書かれてある。被害者と言うのは統一教会員で拉致監禁された被害者のことだ。

この日、日本脱カルト協会主催、日本学生相談会後援により『カルト問題からみた大学の役割』と題して6名のパネリストを迎えての講演会が開かれた。横断幕に書かれた高山正治牧師とは倉敷めぐみキリスト教会の牧師。この日、高山牧師は『宗教者と大学の連携』と題して講演をすることになっていた。

脱カルト協会は1995年設立され以来、一年に一度、カルト問題についての公開講座を行ってきた。今年は今までと違った緊張した公開講座となった。それというのも、今年は統一教会員約30名程のメンバーが会場に入り、口座を聴く姿勢を見せたからだ。12時30分から始まった会場のある4階の受付前には早くも列を作り、入場料1,000円を支払い、参加者名簿に記載、名前と所属団体を書き込むようになっていた。意外と学生が多く、大学名などが書かれている中、一際目立つ所属団体にCARPまたは統一教会があった。主催側の脱カルト協会にしてみれば今までカルトとして取り扱って来た教団現役信者がその場に30名程参加することは大変なプレッシャーとなるであろう。この日公演予定の高山正治牧師はそれ以上の圧力を感じていたはずだ。

会場時間の12時30分から続々と入場者が来場し、150名あまりの参加者で会場の席は埋められた。 司会者 慶応義塾大学 平野学氏がマイクをとり開講、その後マイクを握ったのがある弁護士だった。『プログラム上では鈴木文月となっておりますが、私が代わり勤めます』と、落ち着きのない少し興奮気味な態度でアナウンスを行った。『会場内では一切の撮影、録音が禁止されており、もしその規則に背く行為を行った者は退場、場合によってはすべてのデータの削除をさせて貰います。』必要以上に、ピリピリした口調で念を押すようにその臨時司会者は話す。彼は会場前の広場で、そわそわと何度も会場を出入りし、デモの様子の写真を撮影、少し落ち着きのない行動が目立っていた。

プログラムが始まった。はじめに、脱カルト協会代表理事西田公昭氏の挨拶、続いて『学生支援とカルト対策について』と題し岡山大学松岡洋一氏、『高校教育からの取り組みについて』と題し日蓮宗僧楠山泰道氏がそれぞれ公演した。

いよいよ高山正治氏の順番がやってきた、緊張したおもむきで壇上に立った高山牧師はゆっくりとした口調でパワーポイントに合わせて手元の台本を読み始めた。プログラムに書かれてあるテーマ『宗教者と大学の連携』という題名が、講演内容に適したのもではないかも知れないと前置きした。統一教会のメンバーが参加している為、終始言葉を選び慎重な口調で話し、事前に視聴者に配られた講演内容には、事例報告として、その下には *愛知大学の例:トップダウン方策、早期発見、カウンセラーと協力体制で10人程度が脱会 と書かれ、その下には*岡山大学の例、*大阪大学の例 *島根大学の例と書かれてある。

高山牧師は『その事例報告は本日は統一教会の方々が多く参加されておられるのでこの場での話は遠慮させて頂きたい』と説明した。彼が脱会カウンセラーとして関わってきた強制改宗の実例を並べて、以下にどれだけ自分が脱会させたかを自慢するつもりだったのだあろう。その会場のほとんどはカルトから脱会した者、そしてその家族が参加していたはずである。その実績を誇り賞賛して貰える視聴者だけを前提に作られた台本だったはずである。そこに統一教会のメンバーの参加により、動揺が隠し切れず、緊張のあまり話が飛び飛びになり、急遽公演内容も削除する部分が多かったのか、予定時間より早く終了した。

そして続く3名の講義が終了。質疑応答はあらかじめ準備された質問用紙に記入のうえ提出し、主催者側が選んだ数件の質問のみとなった。こうして緊張感に包まれた公開講座のプログラムが終了した。

プログラム終了後、もうひとつのドラマがあった。

統一教会信者であり拉致監禁被害者M氏は、彼の親族によって、鍵の掛かったマンションの一室に拉致監禁された。高山正治牧師(本日の講演者)は、その背後で細かい指示をし、保護説得の名の下に、その一室に現れては、M氏に対して、一方的に統一教会教理の矛盾、教祖の文鮮明師に対する中傷罵倒を繰り返した。

M氏は、その脱会説得・拉致監禁の体験の詳細と抗議文を書いた手紙を準備した。講演会が終わり視聴者が立ち上がり始めると、M氏は緊張しながらも、高山牧師の真実の素顔を他のパネリストに知ってもらう為、一人ひとり丁寧に挨拶をし、封筒を手渡した。パネリストは丁寧に包まれた封筒と内容を承諾した上、受け取ってくれた。

同じく、その公開講座に参加したA氏がいる。A氏も拉致監禁の被害者である。

公開講座で瓜生氏は、キャンパスで行われる学校当局が行う、カルト信者に対する強引な訊問、強制的な私物調査などのやり過ぎた行為によるカルト取締りを寸劇を交えて訴え、カルト信者側に立って思いやりと、愛する気持ちをもって説得すべきであり、学生が相談することができる担当者にならなければならないと訴えた。

そんな姿勢である瓜生氏に対してA氏が『瓜生先生は拉致監禁による強制改宗をどう思われますか』と尋ねると、『それに関してはノーコメントですね。』答えた上、改めて強調して言った一言は『‘‘‘でも私はそのようなことはやってませんから・・・』と自分を保護し、いかにも他の反カルトの立場に立ち脱会カウンセラーが行っている暴力的な違法な拉致監禁による強制改宗には自分は関わってないと言うような言い方であった。

最後に会場が閉まる時間になり、慌てて乗ったエレベーターに主催者代表理事西田氏と同乗し、降りたタイミングで抗議文を手渡した。彼はM氏の誠実な態度に反応し、快く受け取ってくれた。

そして、1回のロビー、M氏が振り向いた瞬間、その目の前を次のエレベーターで、高山牧師が降りて来た。A氏が『高山先生』と声をかけて駆け寄ると、長髪で細い目でヒョロっとした青年が前に立ちはだかり、高山牧師のボディーガードのような態度をとった。駆け寄ったA氏とM氏が暴力でも振るうかのような過剰な対応だ。丁寧に挨拶し高山牧師に近づき、M氏が高山氏に自己紹介すると、高山氏はしばらく記憶の奥に思いを廻らす様子、M氏が広島でお世話になったと言った瞬間思い出したかのように、『ああ・・・あの時の・・・お父さん亡くなったんだよね。』とM氏に言った。M氏が続けて『先生は今もあの様なことをされてるのですか?』高山氏『いや、もう私はあの様な過激なやり方はやっていないよ。』返答、『僕も心を痛めたよ。』と続けた・・・。

M氏は抗議文の最初に『高山牧師の顔を見ただけで、監禁された当時の恐怖がよみがえり、フラッシュバックを起こすかもしれないという不安を抱えながらも、私は貴協会の公開講座に参加した』と綴っている。
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以上、レポート終了


1. 勇気ある被害者M氏の行動に敬意を表する。しかも、フラッシュバックや、過去の恐怖がよみがえるかもしれないという恐怖の中での行動である。被害者が、しかも、反カルト陣営(= 拉致監禁推進・容認派)の集まりの中で行動を起こした事は、価値のあることである。これまで、表に出てくることのなかった拉致監禁牧師にとっては、恐ろしい時代がやって来るのかもしれない。

2. 高山牧師は、「もう、あのような過激な方法はやっていないよ。」と答えている。では、今は、どんな方法でやっているのだろうか?それも、言えないほどの、方法なのだろうか?高山牧師は、犠牲者に謝罪すべきである。

3. 高山牧師は、講座の内容を変更・削除されたらしいが、正しい事をしているんだったら、もっと正々堂々と発表されたらどうか?

4. ICSA(国際カルト研究協会=反カルト協会)は、今年の会議では、拉致監禁問題でDeprogramming in Japanという分科会で、合計1時間半にわたって、日本の拉致監禁の様子を話すことになっている(この件に関しては、次回の記事で詳報する)。日本脱カルト協会も、みならったらどうか?


追加情報 2011-06-29:

高山牧師と会話した被害者のM氏とは、松本拓也氏(41)です。
http://www.ucjp.org/?p=8586

松本拓也氏の陳述書は、次のサイトで読むことが出来ます。(パネリスト達に手渡した抗議文ではありません)
http://ratikan2010.blog134.fc2.com/blog-entry-28.html


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posted by 管理人:Yoshi at 08:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 宗教/カルトに関する会議等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
レポート、ありがとうございました。
私のブログで参照させていただきました。
http://true-love-family.at.webry.info/201106/article_28.html
Posted by 平和を愛する天国人 at 2011年06月28日 12:19
公安だけじゃなかったのか

「カルト問題から見た大学の役割」だって!?

一部の大学が脱会に手を貸しているという話は、チラッと聞いたことがありました。ただ、それは、全国弁連の弁護士から「親が困っている。○○くんの居場所を教えなさい」と圧力を掛けられて、大学の事務室が居場所などの個人情報をこっそり提供しているんだろうな、という程度の認識しかありませんでした。

ところが、どうでしょう。複数の大学が積極的に関わっているではないですか!
<愛知大学:トップダウン方策、早期発見、カウンセラーと協力体制で10人程度が脱会>、他に<*岡山大学、大阪大学、島根大学>

警察や公安が拉致監禁を黙認していることだけでも、恐ろしい国だと思っていましたが、なんと、最高学府の大学で、授業を受けにやってくる学生たちを、拉致監禁グループに引き渡す手助けをしているとは…。

開いた口がふさがらない。ここまで狂っているのか、この国は。これじゃあ、共産主義国家と同じじゃないか。
この国の知識層には、信仰の自由や学問の自由の意味が分かるヤツはいないのか。

こんな、とんでもない公開講座があることを事前に察知し、この時に合わせて抗議の声を挙げてくださった方々、フラッシュバックの恐怖を冒して抗議文を配布されたMさん、そして、この情報をアップしてくださったYoshiさんに、心から敬意と感謝を表します。


Posted by みんな at 2011年06月28日 19:03
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