きょうは、そのフェフェーマン氏のレポートを紹介したいと思います。「アメリカのディプログラミングの盛衰」というタイトルで、2010年7月21日にICRFのウェブサイトに掲載されたものです。このレポートは、アメリカにおけるディプログラミングの始まりから、消滅していくまでの過程を、裁判例を通して紹介し、日本での強制改宗消滅に向けて、なんらかの手助けとなればという目的で書かれたものです。
何しろ、16ページにも及ぶレポートですので、私も少しづつの作業となります。この記事で一つのカテゴリ「(米)ディプログラミングの盛衰」を登録しました。左側メニューのカテゴリを利用すると便利かと思います。
出典URL:http://www.religiousfreedom.com/index.php/index.php?option=com_content&view=article&id=483:the-rise-and-fall-of-deprogramming-in-the-united-states&catid=47:deprogramming-issues
原文と日本語訳
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The Rise and Fall of “Deprogramming” In the United States By Dan Fefferman
アメリカにおけるディプログラミングの盛衰 by ダン・フェフェーマン
21 July 2003
based in part on ICRF’s “White Paper Report and Call To Action To Uphold The Right of Thought and Conscience by Ending Forcible Deprogramming” (2003) by Lee J. Boothby, Esq.
このレポートは、2003年リー・ブースビー氏による「強制改宗を終焉による、思想・良心の自由擁護活動促進のための白書」に部分的に基づいている。
Although the crime of secret confinement and forced exit from religious minority groups has been brought to a virtual end in the United States, this human rights felony still continues with impunity in contemporary Japan. The purpose of this paper is to outline the history of “deprogramming” in the U.S., in order to develop insights that may be useful for eradicating this human rights abuse in Japan and elsewhere if necessary. This approach focuses mainly on the legal arena, touching only briefly on public relations and other related aspects.
アメリカでは、宗教少数派に対する拉致監禁・強制改宗の犯罪は実質的に消滅したが、この人権に対する重罪は今もなお日本において、犯罪者が罰せられることなく行われている。このレポートの目的は、アメリカにおける「ディプログラミング」の歴史を概略を述べることであり、この事により、日本や、必要であれば他の国でも、人権蹂躙を終焉させるのに有効であるかもしれない見識を明らかにすることにある。この提案は、主に法律的な領域に焦点をあて、対外的なことや他の関連事項にも触れている。
At the outset, we should be aware that the US experience does not exactly parallel that of Japan. For example:
最初に、アメリカで経験した事は、日本で起きている事と全く同じではないという事だ。たとえば:
•The US legal system involves a more complex relationship between local, state, and federal courts than exists in Japan.
•The tactics of early faith-breakers in the US was recognized quite quickly as being illegal, thanks in part to the shameless attitude of criminal actors such as Ted Patrick, who was convicted no less than four times on criminal charges.
•In the U.S., “deprogrammers” often did the “dirty work” of kidnapping and confinement, making it relatively easy to bring charges against them. In Japan, especially in the last two decades, these faith-breakers have acted mainly as “consultants” who advised families to kidnap believers and then sought to “persuade” victims only after they had been confined.
•The presence of many diverse religious groups who were victimized in the US made it relatively easy to form coalitions that transcended denominations. This has not been the case in Japan.
•The tradition of civil liberties groups like the American Civil Liberties Union (ACLU), a left-liberal group that prides itself on standing up for the rights of those with whom it disagrees, is also not strong yet in Japan.
•The role of Christian ministers, and especially of mainline churches, was much more negative in Japan than in the US, where the National of Council of Churches proved to be one of the most outspoken opponents of faith-breaking.
★アメリカの法体系は、日本のそれよりも、地方政府、州政府、連邦政府の裁判制度が複雑に関連しあっている。
★アメリカでの初期の強制改宗の方法は、刑事罰を4回以上受けたテッド・パトリックのような恥知らずな犯罪者の行動により、案外はやく法律違反と認定された。
★アメリカでは、ディプログラマーは、拉致・誘拐・監禁の「汚い仕事」をたびたび行い、彼らを告発することが意外と容易であった。日本では、とりわけ過去20年間は、ディプログラマーたちはコンサルタントとして働き、家族に対し信者を拉致・誘拐するよう提案し、信者が監禁された後、被害者を説得してきた。
★アメリカにおいては、被害を受けた多様な宗教グループの存在が、抗議を行うため提携することが比較的容易であった。日本では、このケースは当てはまらない。
★アメリカ自由人権協会(American Civil Liberties Union=ACLC)は左翼的自由人権団体であるが、かれらが同意していない人々の人権のために立ち上がることもよしとしてきた。そのような伝統は、日本では育っていない。
★キリスト教牧師、とりわけ主流派教会は、アメリカと比較して、日本ではさらに否定的である。アメリカでは、全米キリスト教協議会が強制改宗に対し積極的に反対している
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原文と訳終了 To be continued
ここから、訳者のコメント:
きょうの翻訳部分では、まだ本論には入っていません。きょうの部分は、ディプログラミング(強制改宗)といっても、アメリカと日本では微妙に違っているところを述べているだけです。あと、一つ、加えるとすれば、日本では統一教会の霊感商法等の反社会的行動がマスコミによって報道されてきたが、アメリカではそのような事はなかったはずです。
このあと、本論が始まります。
A. アメリカにおけるディプログラミングの始まり
B. 宗教の自由運動、市民権運動の役割
C. 強制改宗に対する刑事・民事訴訟
特に、最後の(C)の、訴訟の部分は、特に長い。
この翻訳記事、時々増えていくと思います。読みに来て下さい。
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ところで、以下の記述は間違いではないかと思います。
<日本では統一教会の霊感商法等の反社会的行動がマスコミによって報道されてきたが、アメリカではそのような事はなかったはずです>
アメリカでも統一教会に限らず、様々な宗教団体−「神の子どもたち」「人民寺院」「ハレ・クリシュナ運動」「サイエントロジー」「エスト」などがメディアで批判されていたはずです。むしろ、カルト批判は日本よりもアメリカのほうがはるかに激しく行なわれていたと記憶しています。統一教会も、日本と同じように正体隠しの伝道、多額の献金(といっても日本とは比較にならないぐらい少額)が批判されていたはず。
参考文献はランゴーニの『カルトからの回復』やシンガーの本など。日本の本(『宗教とナショナリズム』)でも、アメリカのカルト対反カルト事情が報告されています。
この記事をアップした後、出張でブリスベンに行っておりまして、今、戻ってきました。出張といっても、実質は、親会社での、クリスマスパーティーで、ビーチで寝転がって、かなり日焼けして、おいしい物を食べさせてもらって、たまに仕事の話をしたりでした。拉致監禁の事は、特に、今でも監禁されている人の事を思うと心が痛むのですが、この期間は英気を養おうと思って、あえて自分のブログにはアクセスしませんでした。失礼致しました。
でも、私の、いつも文字ばかりのブログを読んで頂き、感謝です。次回、3日以上、抜けるときには、ブログに書いておきますね。
<日本では統一教会の霊感商法等の反社会的行動がマスコミによって報道されてきたが、アメリカではそのような事はなかったはずです>
ご指摘、ありがとうございます。言いたかったのは、<アメリカの各マイナーグループもかなりメディアから批判を受けてきたが、霊感商法はしておらず、霊感商法は日本統一教会特有のもの> ということです。(ただ、これも正しくないということもあり得ますが・・・)
参考文献、あげて頂き、ありがとうございます。英気を養ってきたので、今年の残りと、その後も、マイペースでがんばります。
私の場合、事情とか、歴史とかを学びながらの活動で、間違ったことを書いてたら、是非、教えて下さい。これからも、どうぞよろしくお願いします。