2010年10月20日

◆ACLC:ニューヨーク日本総領事へ手紙 (2010-10-12)

記事タイトル(原文):Letter to the The Honorable Shinichi Nishmiya
タイトル日本語:ニシミヤ閣下への手紙
出典URL:http://stopjapanabductions.org/wp-content/uploads/2010/10/Letter_Consul-General.pdf
発表機関(英語):Stop Japan Abduction
発表機関(日本語):ストップ!日本の拉致
記事の日付:2010年10月13日
日本語訳: Yoshi

3回続いて、同じトピックが続きますが、12日に行われたニューヨーク総領事館前での記者会見・抗議行動の後、総領事・大使宛の手紙が、総領事館に届けられました。しかし、総領事直接には、渡せなかったようです。(SBSの番組内で、韓国の婦人達が、何回も韓国総領事(or 大使)に面会に行っても、『いない』と言われる・・・とぼやいてましたが・・・)

文中にあるように、アメリカ議会への働きかけも行われているようで、期待したいところです。


ここから、日本語訳開始
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American Clergy Leadership Conference
3224 16th Street, NW 􀂙
Washington, DC 20010 􀂙
Tel: (202) 319-3200 􀂙
Fax: (202) 483-4700

“Rebuild the Family, Restore the Community and Renew the Nation and the World”

October 12, 2010
The Honorable Shinichi Nishmiya
Ambassador and Consul General
Japanese Consulate in New York
299 Park Ave # 19
New York, NY 10171-0025

Dear Mr. Ambassador

The American Clergy Leadership Council represents 22,000 clergy men and women of various faiths in the US. We are deeply committed to interfaith mutual respect and tolerance. For example, on September 10 of this year we held a press conference in Washington DC denouncing the plan of a misguided Christian pastor to burn the Qur’an. We are glad to say that this public protest helped to put a stop to such an act of intolerance.

アメリカ聖職者指導者会議(ACLC)は、アメリカにおいて、2万2千名もの様々な宗派の聖職者を代表しています。私たちは、宗派間の相互の尊敬と寛容に全力を傾けています。たとえば、今年の9月10日には、ワシントンDCにおいて、記者会見を行い、コーランを燃やそうとした、誤ったキリスト教の牧師を非難いたしました。わたしたちの公での反対運動が、そのような不寛容な行為をやめさせる事に寄与したことを嬉しく思っています。


Mr. Ambassador, regrettably, today we need to draw your attention to another act of intolerance going on in your own country. Although Japan has a commendable record on human rights and religious freedom generally, a recent documentary aired by the Korean SBS broadcasting network has made it clear that Japanese police and prosecutors are failing to enforce your country’s constitutional guarantee (Article 20) of religious freedom, as well as its
criminal laws against false imprisonment and coercion. The documentary reported that a number of Japanese women who had married Korean husbands in the Unification Church were abducted by family members in Japan and confined for prolong periods in order to break their faith and end their marriages.

大使殿、残念なことに、あなたの国で起きている不寛容な行為について、きょう、あなたに注目して頂きたいのです。日本は、人権や宗教の自由問題において全般的に賞賛すべき記録を持っていますが、最近韓国の放送局SBSが放送したドキュメンタリー番組で、宗教の自由を謳(うた)った憲法20条、並びに不法監禁に対する刑法を、日本の警察や検察が執行していないことを明らかにいたしました。その番組は、統一教会の結婚で、韓国人の男性と結婚した日本人の女性が、信仰を捨てさせ、結婚を破棄させる目的で、日本で家族のメンバーにより拉致され、長期にわたり監禁されたと報道いたしました。


Moreover, there are reliable reports that large numbers of Unificationists have been kidnapped in Japan (4,300 by UC estimates) with a similar intent. We have met and interviewed several of the victims who now live in the US and are convinced that there is indeed cause for concern. We are informed that the director of Japan’s National Public Safety Commission stated in the
Diet this year that when police learn of a missing person who is suspected of being abducted to de-convert him from a religious group, the police are supposed to discover his or her whereabouts and learn from the person directly if he/she is being confined. A similar statement was made in 2002 by his predecessor. However, there is documented evidence that when police are actually contacted and informed of a missing person in such cases, they either
decline to investigate or take the word of the family that person is free, without hearing directly from the reported victim.

さらに、統一教会の推定で4300名もの多くの信者が日本において、似たような状況で拉致されたとの信頼すべき報道があります。私たちは、現在アメリカに居住するそのような拉致の被害者数名に会い、インタビューを行い、私たちは、深刻に憂慮すべき問題と確信いたしました。今年、日本の国家公安委員会局長が国会において、「もし警察が、宗教団体からの改宗を目的に誘拐されたと疑いをかけられた行方不明者がいることが分れば、警察は、行方不明者の居場所を突き止め、本人から直接に、監禁されているのかどうか確認する。」と述べています。同様の陳述はその前任者により2002年になされています。しかしながら、そのような行方不明者のケースが警察に報告されたとき、調査をしないか、または家族の「その人物は自由である」という言葉を鵜呑みにし、報告された被害者から直接に聞かないかどちらかであるという証拠があがっています。


We have been meeting with the State Department’s International Office on Religious Freedom and members of congress to brief them on the issue. Many are deeply concerned that such an important friend and ally of America is allowing on ongoing injustice to continue. We are discussing with our Congressmen how we might address this issue.

私たちは、アメリカ国務省の宗教の自由についての国際事務局、並びに米国議会議員とミーティングを持ち、この問題についてブリーフィングを行ってきました。多くは、アメリカの重要な友人であり同盟国において、不正義が継続されていることに、深く憂慮しています。私たちは、米国議員と、どのようにしてこの問題が取り上げられるか話し合いをしています。


A particularly egregious case is that of Mr. Toru Goto, who was held against his will for 12.5 years, starting at age 31. Subjected to an intensive attempt to break his faith, he was not even allowed to go outside to exercise and had lost half his body weight when he was finally released. However, criminal charges against the perpetrators of this crime where dropped for“lack of evidence” in December of last year.

甚だしい例として、後藤徹氏の例があります。彼は、彼の意志に反して、31才の時から、12年半監禁されました。信仰を破棄するように集中的な試みを受ける中、外に出て運動することも許されず、彼が釈放されたときには、体重の半分を失っていました。しかしながら、この犯罪の加害者は、証拠不十分ということで、起訴されませんでした。昨年の12月の事です。


Mr. Ambassador, these cases remind those of us who were involved in the Civil Rights Movement in the US of the situation in which the US Attorney General had a good policy, but local and state authorities turned a blind eye to the persecution of African-Americans in the South. However, in Japan, your justice system is more unified, and there is no excuse for not enforcing the law. All that is lacking is the will of national authorities to make it clear to local
police and prosecutors that the laws must be enforced.

大使殿、これらのケースは、私たちの市民権運動が盛んだった頃のことを思い出させます。アメリカ法務長官は、いい政策を持っていたのに、南部の地方や州政府がアフリカ系アメリカ人への迫害に対し見て見ぬふりをしたのです。しかし、日本では法体系は完備しており、その法律を執行しない理由にはなりません。地方の警察、検察に法律を執行させるという、中央の明快な意志がないのです。


Efforts have been underway for several years to bring this matter to the authorities’attention, but to no avail. Now, the international human rights community is beginning to speak out. Mr. Ambassador, we have no desire to bring shame to you great nation, which in most ways is a shining example of democracy and commitment to human rights. However, we need to be assured that steps are being taken to remedy the situation.

ここ数年間、この問題を、国の機関に訴える努力をしてきましたが、まだ、実現していません。今や、国際的な人権団体が声を上げ始めました。大使殿、私たちは、多くの面において民主主義と人権の輝かしい模範であるあなたの偉大な国に恥をかかせるつもりはありません。しかしながら、この状況を改善するため、何らかの対処がなされなければなりません。


Toward that end, we propose a meeting as the earliest possible convenience between yourselves and us, together with several of the Japanese victims currently living in the US. We are certain that once your hear their stories as we have, you will agree that something must be done. We will hand deliver this letter today to underscore the seriousness of our request.

そして、最後になりましたが、私たちは、できるだけ早い時期に、現在、アメリカに在住している拉致監禁の被害者数名と、あなた方、そして私たちでの会合を提案致します。もし、あなた方が、私たちがそうしたように、日本の被害者の訴えを聞くならば、あなた方は、何かがされなければならないときっと確信するでしょう。本日、私たちの訴えの誠実さを強く示すため、この手紙を携えてやって参りました。

Very sincerely yours.  
敬具

Rev. Michael Jenkins マイケル・ジェンキンス牧師
Chairman 議長
ACLC

Dr. Luonne Rouse ルオン・ロウズ博士
United Methodist メソジスト教会
ACLC

Bishop Jesse Edwards ジェシー・エドワーズ司祭
Co – President    共同会長
ACLC
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日本語訳終了


追記:
今回のニューヨークでの抗議行動、記者会見を中心的に主催したのは、ACLC (American Clergy Leadership Conference アメリカ聖職者指導者会議)です。ACLCは、2000年5月に、統一教会の関連団体として、宗派を超え人種を越え、アメリカのキリスト教をまとめる目的で設立されました。本部は、ワシントンDCです。今回の抗議行動で語った二人の牧師は、統一教会ではない一般の教会牧師です。ACLCのウェブサイトによれば、最近の大きなイベントは、コーランを燃やそうとしたキリスト教会牧師を非難するワシントンDCでの抗議行動でした。
ACLC ウェブサイト http://www.aclc.info/


更新記録:
2010-10-20 夜:最後の3段落のみ終了
2010-10-21 夜:残りの訳 完了。それに伴い前文修正
2010-10-22 夜:追記の追加

posted by 管理人:Yoshi at 20:57| Comment(4) | TrackBack(0) | 抗議行動/デモ/会見 USA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アメリカで、このような働きかけが行われていることは、心強いというか、感激です。
後藤さんの訴えを不起訴にした検察審査会の議決文を読んで、改めて、日本はまだまだ封建社会だな、基本的人権のレベルが低いな、という思いを強くしました。
欧米諸国からの働きかけに拠らなければ、この国は変わらない(変われない)と思います。
海外のニュースをこのように翻訳して紹介してくださるYoshiさんには本当に感謝です。
Posted by みんな at 2010年10月22日 08:24
yoshiさん
情報ありがとうございました。
教えてもらいたいことがあります。
アメリカ聖職者指導者会議(ACLC)は、どんな団体なのでしょうか。
1970年代に、全米キリスト協議会が「ディプログラミングに対する反対決議」を行っています。
その団体との関連で、どんな団体か、と。
Posted by 米本 at 2010年10月22日 08:41
みんなさん、
いつもありがとね。文字ばかりのブログですが、時々、読みに来て下さい。
Posted by Yoshi at 2010年10月22日 20:47
米本さん、
インターネットで調べて、記事中最後の方、追記に追加しました。アメリカの統一教会、またはその関連団体(このブログの元の英文記事は、その両者からのものが多いけれど)が、活発に動いていると思います。私は、彼らのアメリカ議会への働きかけに注目しています。
Posted by Yoshi at 2010年10月22日 21:12
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