2011年05月16日

意図ある意訳は誤訳である:「やや日刊カルト新聞」を評す

2011-06-03 追記追加:この記事一番下、本文に続いて



アメリカ国務省は毎年、世界各国についての宗教の自由についての報告書(International Religious Freedom Report =世界の宗教の自由報告書)を作成している。

世界の宗教の自由報告書は、アメリカで1998年に制定された「世界の宗教の自由促進ための法律(IRFA)」に従い、(米)国務省により毎年作成され、(米 )議会に提出される。この法律は、クリントン大統領が署名した法律で、アメリカの外交政策として、宗教の自由を促進する目的で作られたものである。http://www.state.gov/g/drl/rls/irf/index.htm

やや日刊カルト新聞(以下カルト新聞)の2011年3月26日付「統一協会“反拉致監禁キャンペーン”後藤事件で第1回弁論」という記事で、藤倉氏が、(米)国務省の宗教の自由報告書を用い、ある結論へ導く。(藤倉氏が使用した記事が記載されているのは、国際人権報告書ではなく、宗教の自由報告書の方である。)

本日の記事は、上記「カルト新聞」内で展開されている、国務省報告書の日本語訳について書いてみたいと思う。ワードで11ページに及ぶ記事になってしまった。立場を越えて(拉致監禁推進派、反対派を問わず)最後まで読んで頂ければ、幸いである。


●カルト新聞の主張と問題点

カルト新聞 http://dailycult.blogspot.com/2011/03/blog-post_24.html#links より引用。引用部分はカラー アンダーライン、太字は管理人による

(1) 国務省レポートの原文 (下線、太字は私による)
However the Unification Church reported five members were abducted during the reporting period. These reports could not be independently confirmed, and some nongovernmental organizations (NGOs) have accused the Unification Church of exaggerating or fabricating these reports.

(2) 藤倉氏の日本語訳(下線、太字は私による
統一協会は、当報告書の対象期間中に5人の信者が拉致されたと報告している。しかしながら、これらの報告については 統一協会から独立した根拠により 確認することは出来ず、幾つかのNGO団体は、これらの報告は、統一協会が誇張し、あるいは、ねつ造したものであると非難している。

(3) 藤倉氏の日本語訳から導き出された結論
米本氏は「反統一教会陣営による信者の拉致・監禁」を告発した『我らの不快な隣人』の著者だか、その偏った取材姿勢など様々な問題点が度々指摘されており、拉致監禁問題を「国別人権報告書」で取り上げた米国務省からも「統一教会から独立した情報源」とは認められなかった人物である


二つの問題がある。

1. 藤倉氏の日本語訳の問題
  These reports could not be independently confirmed の部分

2. その訳を用いて、最終結論(米本氏を評価する結論)に至る理論展開

まず、はじめに、訳の問題について、書きたい。問題となるのは、次の部分である。

原文    These reports could not be independently confirmed, 
大使館訳  こうした報告を独自に確認することはできなかった
藤倉氏訳  これらの報告については統一協会から独立した根拠により確認することは出来ず

大使館訳では、「独自に確認することはできなかった」と、しているところを、藤倉訳では、「独自に」が、「統一協会から独立した根拠により」と、増幅されている。大使館訳は http://japanese.japan.usembassy.gov/j/p/tpj-20101117-77.html で読むことができる。


●could not be independently confirmedの使われ方

問題となる箇所はcould not be independently confirmed の部分である。

藤倉訳を考察するため、could not be independently confirmed という表現が使われている実際の場面をいくつか紹介したい。国際情勢等のニュースでは、案外頻繁に使用される表現である。少々長くなるかもしれないが、三つほど、サンプルを紹介したい。

最初のサンプルは、ビンラディン後のアルカイダについての記事。(2011-05-06)
二番目は、リビア情勢を報じたもの。(2011-05-10)
三番目は、アメリカ国務省の北朝鮮についての宗教の自由報告書 (2010-11-17)

★アルカイダ関連の記事
http://answers.yahoo.com/question/index?qid=20110506062214AA1q7AM

以下カラー部分が引用とその日本語訳
(下線、太字は、管理人による)
Al Qaeda Confirms Bin Laden's Death on Islamist Websites
Published May 06, 2011 | Associated Press

CAIRO -- Al Qaeda on Friday confirmed the killing of Usama bin Laden and warned of retaliation, saying Americans' "happiness will turn to sadness."
The confirmation came in an Internet statement posted on militant websites, signed by "the general leadership" of Al Qaeda. The announcement opens the way for the group to name a successor to bin Laden. His deputy Ayman al-Zawahri is now the most prominent figure in the group and is a very likely contender to take his place.

The statement, dated May 3, was the first by the terror network since bin Laden was killed Monday by U.S. commandos in a raid on his hideout in Abbottabad, Pakistan. The statement's authenticity could not be independently confirmed, but it was posted on websites where the group traditionally puts out its messages.


(日本語訳=管理人による)
2011年5月6日 AP
アルカイダ指導者の署名付のインターネット文書が、武装勢力のウェブサイトで公開された。その文書は「グループの将来のため、ビンラディンの後継者を指名する道を開くものである。ビンラディン副官ザワヒリが、今や、グループ内では最も影響力のある人物であり、ビンラディンの後を継ぐ、最も優位な後継者候補である。」と発表した。

5月3日付けのその声明は、ビンラディンの殺害後、そのテロ組織による最初の声明だった。その声明の真正性は独自に確認出来なかったが、そのグループが、通常、メッセージを載せるそのウェブサイトにアップされた。


ここで取り上げたいのは、上記下線部分である。 
The statement's authenticity could not be independently confirmed
(その声明の真正性は独自に確認出来なかった)

The statement とはアルカイダの指導者が、「副官ズワヒリが、有力後継者候補」と報じた声明のこと、Authenticity は 真偽とか正しさという意味。そして、その声明の真正性は、「独自に確認できなかった」のである。

アルカイダのリーダー達がどこかで記者会見を開いて、「その内容は真実です。」と、いくら発言しても、確証にはならない。ズワヒリ自身が「私が次期リーダー」と映像を振りまいても、疑う余地は十分にある。なぜなら、当事者本人が、そう言っているだけのことだから。

その確認のためには、アルカイダとは、関係のない第三者的機関(アルカイダから独立した機関からの根拠)、たとえば、アメリカやイギリスの諜報機関が、ズワヒリ氏から各機関に指示が出ている等の証拠が必要である。パキスタン政府からの情報でも、アフガニスタン政府からの根拠でもいい。少なくとも、ウェブで情報を発した当事者を除いた組織、人々から出された根拠が必要となる。

もし、その記事を書いた人が、そのような確証がまだないと判断すれば、たとえ、95%間違いない事だと思ったとしても、「独自には確認できなかった」という、一節を挿入しておくのだろう。

だからと言って、次の英語を、こう訳したらどうだろうか?
The statement's authenticity could not be independently confirmed 
その声明の真正性は、アルカイダから独立した根拠により確認出来なかった

原文にない余計な言葉が多すぎである。

independently が「アルカイダから独立した根拠により」となっている。声明の真正性は、アルカイダ自体によっては確認は取れないのは分ってる。「わざわざ、そんな事を言ってもらわなくてもいいよ、しかも原文にはない事を。」っていう感じである。余計なお世話的な日本語訳である。余計なお世話だけなら、誰も、迷惑を被ることはない。

しかし、もし、その訳が、次の結論につながる重要な要件であったり、人や人の文書を非難するために使われるなら話は別だ。このような場合、訳は、厳密に、原文以上でもなく、原文以下でもなく、原文に忠実に行われるべきである。その声明の真正性は独自に確認はできなかったと、シンプルに訳せば、事は足りる事である。厳密に見れば、上記訳で  独自に を アルカイダから独立した根拠により としたならば、原文に対して忠実ではない。

★リビヤ関連の記事
http://www.realclearworld.com/news/reuters/international/2011/May/10/libyan_government_bombards_residential_area__rebels.html

次の例は、Libya情勢のニュースからである。引用部分と日本語訳はカラー。下線、太字は管理人による。
May 10, 2011
South of Misrata, fresh battles erupted in Souk al Arab and at al-Ghiran near the city's airport, a rebel spokesman said.
"The revolutionaries (rebels) entered the area of Souk al Arab ... Fighting is taking place there now," said rebel spokesman Belkacem from Misrata. His comments could not be independently confirmed.

(日本語訳=管理人)  
2011年5月10日
反政府勢力のスポークスマンのベルカセム氏はミスラタから「ミスラタの南部、空港近くのSouk al Arabと、at al-Ghiranで、衝突が起きた。反政府勢力は、Souk al Arab地区に進入していった。」と伝えた。彼のコメントは、独自に確認出来なかった



戦争状態の地域に、記者が入っていくことができなかったのだろう。反政府勢力のスポークスマンの言った事を伝えている報道である。その記事を書いた記者が、断定できる十分な証拠を持ち合わせていないため、「独自に確認出来なかった」と記事に加えた。

もし、誰かが、「彼のコメントは、反政府勢力から独立した根拠により確認できなかった」と、日本語に訳したとする。

もし、原文に、His comments could not be confirmed by the independent sources outside of the rebels. とでもあれば、そう訳せるだろうが、残念ながら、原文にはない。原文にないものを付け加えたものは、残念ながら、正確な訳ではない。もし、何かを付け加えたいなら、いったん、訳をして、その後に、意味の解釈を付けるべきである。

★アメリカ国務省の北朝鮮レポート
http://www.state.gov/g/drl/rls/irf/2010/148874.htm

最後の例は、アメリカの国務省の、2010年版宗教の自由報告書の北朝鮮についての部分からである。

Democratic People's Republic of Korea
November 17, 2010
In June 2009 South Korean activists reported that Ri Hyon Ok was publicly executed for distributing Bibles in the city of Ryongchon near the Chinese border. She allegedly was accused of spying and organizing dissidents. These claims could not be independently verified.

(日本語訳=管理人)
2010年11月17日
2009年6月、韓国の活動家は、Ri Hyon Okが中国国境沿いのRyongchon市で、聖書を配布したことにより、公開処刑されたと報告した。彼女はスパイと反政府活動家を組織した容疑だと伝えられている。これらの主張は、独自に検証できなかった


confirmed の替わりに verified となっているが、ほぼ似たような使い方である。この文書は、アメリカ国務省の作成である。何しろ、北朝鮮内部での出来事であり、担当官が調査しようにも、現地に入ることが出来ない。原文通り、「独自に検証出来なかった。」と訳せば、最も原文に忠実であり、シンプル、中立的、公平、そして正確である。わざわざ、「これらの主張は、韓国の活動家から独立した根拠により検証出来なかった。」などと、いう必要は全くない。


●カルト新聞内でのcould not be independently confirmedの扱い方

さて、今度は、この記事のメイントピックであるカルト新聞から、もう一度、引用する。

(1) 国務省レポートの原文 (下線、太字は私による)
However the Unification Church reported five members were abducted during the reporting period. These reports could not be independently confirmed, and some nongovernmental organizations (NGOs) have accused the Unification Church of exaggerating or fabricating these reports.

(2) 藤倉氏の日本語訳(下線、太字は私による
統一協会は、当報告書の対象期間中に5人の信者が拉致されたと報告している。しかしながら、これらの報告については 統一協会から独立した根拠により 確認することは出来ず、幾つかのNGO団体は、これらの報告は、統一協会が誇張し、あるいは、ねつ造したものであると非難している。

(3) 藤倉氏の日本語訳から導き出された結論
米本氏は「反統一教会陣営による信者の拉致・監禁」を告発した『我らの不快な隣人』の著者だか、その偏った取材姿勢など様々な問題点が度々指摘されており、拉致監禁問題を「国別人権報告書」で取り上げた米国務省からも「統一教会から独立した情報源」とは認められなかった人物である


藤倉氏は、「could not be independently confirmed」 を 「統一協会から独立した根拠により確認することは出来ず」 と訳した。「Independently」 が 「統一協会から独立した根拠」となってしまっている。

「統一協会が〜と報告した」のだから、その事実関係を確認するためには、「統一協会から独立した根拠」によって確認されないといけない。当たり前のことである。当たり前のことを、そして、わざわざ原文にない言葉を使って説明している。余計なお世話である。


●カルト新聞は、なぜ、そう訳すのか?

では、なぜカルト新聞では、原文で使われていない言葉を使って訳した(意訳した)のか?なぜ、大使館訳を使わず、「統一協会から独立した根拠により」という一節を加えて、余計なお世話的な訳をしたのだろうか?

それは、その藤倉訳を使い、次の結論に行くためである。藤倉氏の「米本氏は、国務省からも、統一協会から独立した情報源とは認められなかった人物である」という結論に強引に、あたかも客観的な印象を与えつつ導くためである。


●藤倉論理への疑問

しかし、たとえ、藤倉氏の訳を使っても、その結論に到達できないのである。

「統一協会から独立した根拠」って何だろう? 「統一協会、または、その関連組織以外の団体、個人から出てきた根拠」ということだろう。国務省は、統一協会の報告の事実関係を確認するために、誰に会って、そしてどのように調査をしたかは書いていない。もし、私が調査官であれば、拉致されたという本人、拉致したという両親・親族そして、脱会説得の牧師やプロの脱会屋、その拉致事件を目撃した人、拉致されたアパートの隣人等、その事件に直接に関わった人たちに会いたいだろう。そして、関連しているジャーナリストや人権活動家、統一協会に反対している団体、拉致監禁を推進している団体にまでコンタクトし確認するだろう。これらの団体、人々(拉致された本人を除く)は、「統一協会から独立した団体・人々」である。

たとえ、担当官が、拉致した両親、牧師に会おうとしても、会ってくれるだろうか? 国務省の担当官が情報収集しようとしても、事件の当事者から話を聞けなかったということもあり得る。(私は、2011年4月に岡山県倉敷市の保護説得高山牧師を訪問したが、保護説得の話を聞くことは出来なかった。)

たとえ、藤倉訳の「統一協会から独立した根拠により確認出来なかった」を採用しても、どうして、「米本氏は、国務省からも、統一協会から独立した情報源とは認められなかった人物である」という結論へとつながるのか、私は全く理解できない。

もし、藤倉氏が、国務省の調査の過程、方法、報告書にまとめるまでの様子を、詳細、またはその一部でも知っているのなら、是非教えて欲しい。彼の飛躍した論理も、もう少し納得がいくかもしれない。今のままでは、たとえ彼の訳を使っても、米本氏に関する結論は出て来ない。


●ある決定的事実

そして、さらに、もう一つ、決定的なことがある。米本氏によれば、「国務省でのヒアリングでは、5名の拉致については、聞かれてもいないし、話してもいない。」と、言っている。そうなら、国務省の「独自には確認出来なかった」(藤倉訳:統一協会から独立した根拠により確認できなかった)というのは、米本氏の根拠によるものではないということである。藤倉氏の「米本氏は米国務省からも『統一教会から独立した情報源』とは認められなかった人物である。」とのコメントは間違っており、米本氏の名誉を毀損しているということである。

名誉毀損裁判になれば、藤倉氏は苦しい闘いになるのではないだろうか?


●藤倉氏訳の間違い

もし、原文に These reports could not be confirmed by the independent sources outside of the Unification Church. とあれば、彼の訳は、原文に忠実であり正確である。しかし、原文には、そんなことは言っていない。原文には、These reports could not be independently confirmed. とあるだけである。大使館訳の「独自に確認出来なかった」が、もっとも原文に忠実で正確な訳である。

藤倉氏の記事が、国務省の宗教の自由報告書を紹介する記事であれば、藤倉氏の意訳も許されるかもしれない。しかし、藤倉氏の記事は、ある結論に到達するため、国務省の記事を利用しているだけで、原文に使われていない言葉を加えて、あるいは自らの解釈を加えて訳している。これは悪質である。もし、それが、次の結論に至る根拠になるものであれば、原文以上でもなく、以下でもなく、原文に忠実に訳されるべきである。意図ある意訳は誤訳である

もし、藤倉氏が解釈を加えたいなら、いったん、正確に訳した上で、どこまでが訳で、どこからが解釈を明確に示して、説明を加えればいいことである。これをしていない藤倉訳は、「意図ある意訳」と見なされても仕方ない。


●アメリカ国務省の拉致監禁問題についての扱い

拉致監禁推進派の人々の中には、「アメリカ国務省報告書は、『日本の拉致監禁問題は統一教会の一方的な主張である』とみなしている。」と主張している人々がいる。アメリカ国務省の報告書を用いて、そうではない事を、証明しておきたい。

次に紹介するのは(カラー部分)、国務省宗教の自由報告書の2009年版と2010年版から一段落づつ取ったものである。どちらも、12年以上監禁された後藤徹氏の事件についての記載である。まず、2009年版から。

(2009年国務省による宗教の自由報告書から)
The Unification Church reports that on February 10, 2008 an adult member of the Church who had been held against his will by his family members for over 12 years was released and went to Unification Church headquarters. The Unification Church alleges no one has yet been charged and an investigation has not been conducted as of the end of the reporting period.

(日本語訳=管理人)
統一教会は、成人している教会メンバーが彼の意志に反して彼の家族により12年にわたり監禁され、釈放後、2008年2月10日に統一教会本部に戻ってきたと報告した。統一教会は、誰も起訴されていないし、このレポート期間の最後の時点で、調査も行われていないと主張している。


2009年版では、「統一教会が、こう報告した。 統一教会が、こう主張している。」という形を取っている。統一教会の主張を掲載しているだけである。では、その一年後の、2010年版では、どうなっているか?

(2010年国務省による宗教の自由報告書から)
In 2008 an adult member of the Unification Church was released after reportedly being held against his will by family members and a professional deprogrammer for over 12 years. Prosecutors did not pursue the case citing insufficient evidence. The case was on appeal at the end of the reporting period.

(日本語訳=アメリカ大使館)
家族と専門のディプログラマーにより、自らの意思に反して12年以上にわたり拘束されていたとする統一教会の成人会員は、2008年に解放された。検察は、証拠不十分で本件を不起訴とした。本年の報告期間終了時点で、本件について不服申し立てが行われていた。


2010年版では、「誰それが報告した/主張した」という表現ではなくて、「解放された」「不起訴となった」等、断定表現である。国務省は、独自の調査で、「解放された」という事実を十分な根拠をもって断定出来たのだろう。断定出来た時には、These reports were independently confirmed. (これらの報告は、独自に確認出来た。藤倉氏的な意訳なら、これらの報告は、統一協会から独立した根拠により確認出来た となる。)のような但し書きは必要ない。国務省は、その資料を、手元に持っておけば良いだけの事である。

明らかに、2009年版と2010年版では、表現方法が違う。2009年は伝聞情報のみ。2010年は断定表現である。では、この違いは何であろうか?その一年の間に、国務省が、独自に確認できたからである。藤倉訳を使えば、「統一教会から独立した根拠により確認出来た」のである。つまり、国務省は、この期間、拉致監禁問題について、統一教会の一方的な主張とは考えず、重大な宗教の自由侵害問題、人権問題として、継続して関心を寄せ、調査を行ったということである。


●私だって、藤倉訳のような意訳はできるよ

もし、私が、上記の2010年の報告書を次のように訳(意訳)したらどうだろうか?

統一教会から独立した根拠により確認出来たことであるが、家族と専門のディプログラマーにより、自らの意思に反して12年以上にわたり拘束されていたとする統一教会の成人会員が、2008年に解放された。

自分でも、すばらしい意訳であると思う。

しかし、拉致監禁容認の人々は私の訳をどう言うだろうか?「誤訳である。明らかに間違っている。原文を正しく理解していない。原文には、そんな言葉はない。あいつは、都合のいいように訳す信頼できない奴だ。能力のない奴だ。」等々、非難してくるだろう。

しかし、私はそんな訳はしない。藤倉訳のまねをしただけである。私は、常に原文に忠実に訳している。少なくとも、そのように努力している。私のこれまでのブログの訳を読めば分ることである。


●訳したのは誰?

誰が藤倉訳をしたのか? 私は、藤倉氏自身がその訳をしたとは思えない。もし、藤倉氏が訳したのなら、出典を間違えるようなことはしない。私は、その報告書が発表された3日後に、英語から日本語に訳したものを、自分のブログで掲載した。自分で訳したから、その原文が国務省の何の報告書にあるのかは、覚えようとしなくても、覚えている。http://humanrightslink.seesaa.net/article/170031701.html 

あと、藤倉氏には申し訳ないけれども、カルト新聞の彼の記事を読んで、藤倉氏がそのような訳が出来そうな知的・論理的センスを感じない。

藤倉訳をした人は他にいるというのが私の推測である。その訳者は、「independently」 を「統一協会から独立した根拠により」と意訳すことのできる程、英語に関しては、かなり優秀な人とみる。決してお世辞ではない。(もし追求されれば、「背後関係を含めた意訳である。」と逃げ道まで残している。)

もし、藤倉訳の訳者が、この記事を読んでいて下されば、私はすごく嬉しい。そして、たとえ、立場は違ったとしても、私は、あなたのお友達になって、お酒でも一緒に飲みながら、英語談義でもしたい気持ちである。倉敷の高山牧師には「お話しできません。お帰り下さい。」と言われてしまった。そんな話も聞いて欲しい。
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「意図ある意訳は誤訳である」の本文終了



2011-06-03 追記
カルト新聞内のコメント欄で、私の事が話題になり、私も書き込みをしたところ、カルト新聞の主筆、藤倉氏より、この件についてのはじめてのコメントを頂きました。下記の通り引用させて頂きます。ここで、引用した以外にも、関連のコメントもありますので、カルト新聞内でご確認下さい。

引用元URL:http://www.blogger.com/comment.g?blogID=8397707658989947714&postID=7086535476893071540

ここでは、以下、3件のコメントを引用致します。コメントに対するコメントは、ここでは書きません。暇をみて、カルト新聞に直接に書き込みます。

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匿名 さんは書きました...

米本ブログに出てくるyoshi氏ですが、
>在オーストラリアの日本人会・テニス部会の部長を務め、
となっていますが、少なくともメルボルンの日本人会にはテニス部はない模様。

http://www.jcci-jsm.org.au/jsm_about.html
(メルボルン日本人会 概要)

架空の人物と米本氏はインタビューしたのでしょうか…

http://yonemoto.blog63.fc2.com/blog-entry-265.html
(カルト新聞と主筆様を評す(補足編)−意図ある誤訳)より

2011年5月27日11:30

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Blogger Yoshi さんは書きました...

2011年5月27日11:30投稿の匿名さんへ、

こんにちは、私、上記匿名さんのコメント中の「米本ブログに出て来るYoshi」です。その後、秀さんがフォローして下さいましたので、そちらも参考にして下さい。

やはりテニスでもラリー(打ち合い)が続くと面白いのです。私の放った打球に、相手方が空振りされたのでしょうか、あるいは「もう、ダメだ!」と、思って追うのをやめたのでしょうか?ラリーが続く中で、打ち勝つこともあるし、その逆に負けることもあるし・・・ 

しかし、この件(日本語訳の件)では、ボールが私の方に、戻って来なくて、ラリーが続かなくてとても寂しく思っています。

以下、関連の記事のリンクを紹介しますので、ここの読者で、また読んでいない方は是非、ご一読下さい。内容で勝負して下されば、とても嬉しく思います。

カルト新聞の3月26日記事
http://dailycult.blogspot.com/2011/03/blog-post_24.html

それ(日本語訳)に対する米本氏の反論
http://yonemoto.blog63.fc2.com/blog-entry-262.html

米本氏が掲載した 私(Yoshi)の論考文
http://yonemoto.blog63.fc2.com/blog-entry-265.html

私の論考文で主張した事は次の2点です。

1. 藤倉役は意図的であり、間違っている。

2. アメリカ国務省は、拉致監禁に重大な関心を寄せ、事実として取り上げている。

2011年5月30日20:45

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Blogger 藤倉善郎 さんは書きました...

> しかし、この件(日本語訳の件)では、ボールが私の方に、
> 戻って来なくて、ラリーが続かなくてとても寂しく思って
> います。

 飛んできたのがボールではなくう●こだったので、空振りすらせずにスルーしました。ラリーをしたいのであれば、打つ前にまずはボールとう●この区別をつけるところから始めましょう。どうしてもう●こでラリーをしたいのであれば、う●こを打つのが好きな米本氏と遊んでればいいと思います。

> 私の論考文で主張した事は次の2点です。

 はいはい。そんな主張は、米本和広氏の言説同様、妄想にすぎません。なのでぼくとしては、米本氏に対する態度と同様に、yoshiさんに対しても、デマや権利侵害が目に余った場合くらいしか相手をしてやる気はありません。

  yoshiさんの自称「論考」もデマと言えばデマなんですが、他の方がコメントしてくれているように、それは傍目にも明らかなようですね。であれば、 yoshiさんのデマをぼくが指摘してやる必要すらないということ。いじって楽しむような要素すらない、実にどうでもいいう●こです。

2011年5月31日10:26
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xxx

2011年05月06日

3週間の日本滞在を終えて

3週間ほど、日本に居た。今週はじめ、オーストラリアに戻って来た。

日本滞在の3週間の間、できるだけ多くの拉致監禁問題に関わっている人々に、面会を求めた。約20名くらいだった。これらの人々は、立場の違いはあれど、拉致監禁反対の人々だった。

一方の人々だけに面会しても、不公平なので、保護説得をしているという牧師にも会いに行ってきた。

私の地元、岡山には、有名なT牧師がいらっしゃる。正確にはT牧師の教会は、倉敷市にある。岡山から瀬戸大橋線で四国に向けて、20分くらいのところに茶屋町という小さな町がある。ある水曜日の朝、その町の、T牧師を訪ねてみた。失礼だったかもしれないが、電話でのアポはなく、いきなりの訪問だった。駅から、T牧師の教会までは歩いて10分くらいだった。

私の目的は、何か論議をふっかけようとか、そんなことではなく、私の誠意をもって、私の考えていることを説明したかったし、T牧師が保護説得に対して、どのように感じていらっしゃるのか知りたかったからである。

T牧師の教会の前には、片側1車線の、田舎でよく見るような道が通っていて、その向こうには、道路と平行して小川(と、いうか多分、農業用水)が流れていた。教会の周辺の道路に沿って、薬屋とか、パン屋とかあり、教会は、その道から30メートルくらい奥まったところにあった。

ベルを2回ほど押した。中から、男性が出て来た。

「T牧師でいらっしゃいますか?」「はい、私ですが。」

「はじめまして。電話してくればよかったんですけど、いきなりで申し訳ありません。私、xxと申しまして、元、統一教会員です。もう、それも、20年以上前の事ですけど。実は、T牧師は、カルト問題に詳しいと聞いてまして、いろいろとお話をお伺いしたいと思いまして・・・・」

「どうぞ、中へお入り下さい。」

と、言われ、応接間に通して頂いた。これなら、お友達になれるかもしれないと思った。もう、一度、ゆっくりと自己紹介をした。多分、私が、実家が岡山で、今はオーストラリアに20年くらい住んでいることも言ったと思う。で、牧師に問いかけた。

「ところで、牧師、統一教会員に対する保護説得という言葉をよく聞くんですが、保護説得というのは、本当に行われているんですか?」 その後、ちょっと、沈黙があったような気がするが・・・
「あなたが、どういう立場の人か、わからないので、お話しすることはできません。」

「いやー、あのう、私は、元統一教会員で、現在は、統一教会とは一切関係はなく、私にとっては、その教会のことはどうでもいいことなんです。ただ、最近、インターネットを通じて、統一教会員に対しての保護説得が行われているということを読んだりして、私は、保護説得は人権侵害ではないかと思うようになりました。」

「そういう事でしたら、お話しできません。お帰り下さい。」

「東京で、後藤さんという人が、10年以上、監禁されていたという事なんですが、本当ですか?」

「後藤さんは、私とは関係がありません。お帰り下さい。」

「そうですか、それは、残念です。せっかく、いいお友達になれると思ったんですけど・・・」  と言って、応接間を出て、靴をはいて、「きょうは、本当にありがとうございました。」と、お別れをした。

牧師は、ドアの脇に立って、私の姿が見えなくなるまで、見送ってくれた。(と、いうか、もしかしたら、私が、迷子にならず、ちゃんと駅の方向に帰るように、見て下さっていたのかもしれない。)しかし、お顔を拝見だけで幸せだったのに、応接間まで上げて頂き、すごく感謝している。

拉致監禁の被害者も含めて、拉致監禁の反対運動をしている人にも、たくさんコンタクトしてみたが、皆さん、快く対応してくれ、私の失礼かもしれない質問や、昔の事を思い出させてしまうような質問にも、答えて頂いた。

今回、実際、面会できた保護説得の牧師さんは一人だけだったが、みんな、こんな感じなのだろうか? 「牧師さん、もっと話してくれてもいいんじゃない?」って思ってしまった。

東京拘置所の宇佐見さんに2回ほど、差し入れをしてきた。私の昔からの友人に会うと、だいたいこんな会話がある。「今回は、どこか行きましたか?」「えー、実は、私の知人が、東京拘置所に拘置されていて、面会に行ってきました。ストーカー容疑なんです。」で、だいたいの人は、もっと話を聞きたい様子なので、その話を、統一教会の結婚式、拉致監禁までさかのぼり、不当逮捕であると説明した。裁判とか法律に詳しい友人は、「何で、ストーカーで逮捕なの?」と聞いてきた。今後、その件がニュースで流れれば、彼らは、「あー、あの事か?」と、思ってくれるはずである。


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